アイオノマーの合成、特性と応用展開

接着性、柔軟性、強靭性、耐擦傷性、、、
合成手法、構造制御によってどんな機能が発現されるのか
事例とともに解説します！

講師

１．岐阜大学 工学部 化学・生命工学科 物質化学コース
　准教授　博士（工学） 三輪 洋平 氏

２．(株)三栄興業 研究開発室　チーフ　博士(工学)　佐々木 大輔 氏

３．山形大学 大学院有機材料システム研究科　教授　博士(工学)　松葉 豪 氏

受講料

1名につき 55,000円（消費税抜、昼食・資料付）
〔1社2名以上同時申込の場合のみ1名につき50,000円〕

プログラム

【10:00-12:00】 
１．強靭性・自己修復性を有する新しいアイオノマーの開発 
岐阜大学　三輪 洋平 氏　

【習得できる知識】
１．アイオノマーの概要
２．アイオノマーのイオン凝集体の特性と解析手法に関する知識
３．室温で自発的に自己修復するアイオノマー材料の分子設計概念 
 
【講座趣旨】
　アイオノマーの基本的な概要と、イオン凝集体にフォーカスした内部構造解析手法について解説をするとともに、講演者らが最近開発した自己修復性の新しいアイオノマーの特性および分子設計概念について解説をします。

１．アイオノマーの基礎と概要
　1.1　アイオノマーの定義と典型的なアイオノマー
　1.2　アイオノマーの内部構造

２．アイオノマーのイオン凝集体のサイズと数密度の解析
　2.1　X線散乱解析と修正剛体球モデル
　2.2　透過型電子顕微鏡による解析

３．イオン凝集体の局所的なガラス転移温度（Tg）の解析
　3.1　電子スピン共鳴とスピンプローブ法
　3.2　マイクロ波出力飽和解析法によるTgの測定
　3.3　イオン凝集体まわりの局所的なTgの空間分布

４．室温で架橋構造が動的に組み替わるポリイソプレン系アイオノマー
　 4.1　分子設計概念と合成方法
　 4.2　イオン凝集体による物理架橋構造
　 4.3　イオンホッピングと架橋構造の組み替えメカニズム
　 4.4　室温での自発的な自己修復性
　 4.5　変形速度に依存した特異な機械特性

５．室温で自己修復するシリコーン系アイオノマー
　5.1　分子設計概念と合成方法
　5.2　室温での自発的な自己修復とそのメカニズム
　5.3　特殊環境下で加速される自己修復性
 
【質疑応答】

【12:45〜14:15】 
２．末端反応性ポリプロピレンの合成とポリプロピレン系アイオノマーへの応用 
(株)三栄興業　佐々木 大輔 氏　

【習得できる知識】
・ポリプロピレンに関する一般的知識　　　　　　　　　　　　
・末端反応性ポリプロピレンの合成に関する知識　　　　　　　
・ポリプロピレンアイオノマー合成とその特徴に関する知識　　

【講座趣旨】
　ポリプロピレンの欠点・エチレン系アイオノマーの欠点を克服するべく開発されたポリプロピレンアイオノマーに関して、合成方法から物性を解説し、今後期待される応用分野を整理する。

１．ポリプロピレンについて
　1-1　ポリプロピレンの特徴
　1-2　ポリプロピレン改質剤の現状
　1-3　ポリプロピレンの機能化
　1-4　両末端反応性ポリプロピレンの合成

２．精密熱分解について
　2-1　精密熱分解により得られる両末端二重結合ポリプロピレンの特徴
　2-2　両末端二重結合ポリプロピレンの生成メカニズム
　2-3　様々なポリオレフィンへの精密熱分解の応用
　2-4　廃ポリプロピレンの精密熱分解

３．両末端二重結合ポリプロピレンの応用
　3-1　両末端二重結合ポリプロピレンの官能基化
　3-2　両末端官能基化ポリプロピレンを用いたポリプロピレン系共重合体

４．ポリプロピレンアイオノマー
　4-1　ポリプロピレンアイオノマーの合成
　4-2　ポリプロピレンアイオノマーの特性
　4-3　ポリプロピレンアイオノマーの応用

【質疑応答】

【14:30-16:30】 
３．エチレン系アイオノマーのＸ線を利用した精密構造解析 
山形大学　松葉 豪 氏　

【講座趣旨】
　アイオノマーは非常に機械的強度が高いことが知られている．X線散乱を用いた構造解析により，ナノメートルからミクロンに至る構造を解説を行う．

１．X線散乱について
　1-1　ブラッグの式
　1-2　測定手法
　1-3　装置
　1-4　実際の例

２．アイオノマーの解析
　2-1　室温での構造
　2-2　アニール時の構造
　2-3　アニール時の変化とナノスケール構造
　2-4　より大きなスケールでの分布について

３．その他の材料について

【質疑応答】