ダイレクトリサイクル 再生材利用 循環バリューチェーン
~前処理の高度化と易解体設計の在り方~
セミナー趣旨
リチウムイオン電池の循環利用が拡大する一方、廃棄・保管・輸送段階での火災事故が増加している。本講演では、リチウムイオン電池リサイクルの実務プロセス、とりわけ解体・前処理工程に焦点を当て、その要点と課題を整理する。加えて、電気パルス法や加熱制御による選択的分離など、より低環境負荷かつ高精度な前処理技術の研究成果を紹介し、資源効率向上や再生材品質改善に資する具体的アプローチを示す。さらに、産官学連携による循環バリューチェーン構築の最新動向を概観し、安全で持続可能なリサイクル体制の実現に向けた方向性を議論する。
セミナープログラム
1. リチウムイオン電池リサイクルを取り巻く環境
(1) サーキュラーエコノミーと資源制約
(2) EU規制・再生材需要の高まり
(3) 分離技術への要求と研究ギャップ
2. 現状の前処理プロセスと課題
(1) 破砕・手解体の限界
(2) 粉砕技術の種類と課題
(3) LiB破砕粉砕における事故リスク
3. 新規分離技術:電気パルス法を中心に
(1) 電気パルス解体の原理
(2) 正極材の選択的剥離
(3) 太陽光パネル・接着体への応用
4. LIB前処理における熱処理・粉体プロセス
(1) 熱分解挙動と共存物質
(2) 加熱制御+特殊粉砕による高効率化
(3) Al箔とブラックマスの分離問題
5. 資源循環バリューチェーン構築に向けて
(1) ダイレクトリサイクルと元素回収
(2) 東京都大学研究者提案制度での取り組み
(3) CVC(循環バリューチェーンコンソーシアム)の展開
6. 関連質疑応答
7. 名刺交換・交流会
通常交流の難しい講師及び受講者間での名刺交換・交流会で人脈を広げ、事業拡大にお役立ていただいております。
セミナー講師
早稲田大学 理工学術院
創造理工学部長・創造理工学研究科長 環境資源工学科 教授 博士(工学)
東京大学大学院 工学系研究科 システム創成学専攻 教授
所 千晴 氏
1998年 早稲田大学理工学部資源工学科 卒業
2003年 東京大学大学院工学系研究科博士課程修了後、早稲田大学理工学部助手、早稲田大学理工学術院専任講師、准教授を経て、2015年より早稲田大学理工学術院教授(現職)。
2016年11月より東京大学生産技術研究所特任教授(兼任・現職)。
2021年より、クロスアポイントメントにて東京大学大学院工学系研究科教授(現職)。
2022年より循環バリューチェーンコンソーシアム会長(兼担)。
2024年9月より理工学術院創造理工学部学部長・研究科長(兼担)。
JX 金属株式会社社外取締役、テクセンドフォトマスク株式会社の社外取締役を兼任。
専門は資源循環工学。
著書に廃棄物資源循環学会令和5年度著作賞受賞「資源循環論から考えるSDGs(エネルギーフォーラム社)」など。
セミナー受講料
1名:37,450円(税込) 2名以降:32,450円(社内・関連会社で同時お申し込みの場合)
※地方公共団体ご所属の方は、2名まで11,000円(税込)
但し、会場受講またはライブ配信受講限定。2名様の受講形態は同一でお願いいたします。
※システムの仕様上、お申込み画面では通常料金が表示されます。割引適用後の受講料は、ご請求書にてご確認ください。
受講について
【会場またはライブ配信受講】
ライブ配信受講の方は、お申し込み時にご登録いただいたメールアドレスへ、Zoomでの視聴用URLとID・パスワードを開催前日までにお送りいたします。
【アーカイブ配信受講】
<1>セミナー終了3営業日後から2週間何度でも、アーカイブをご視聴いただけます。
<2>収録動画配信のご用意ができ次第、視聴URLと配付可能な講演資料をお送りいたします。
<3>質疑応答は原則として収録録画からカットされますが、ご視聴後のご質問など、講師とのお取次ぎを
させていただきます。
受講料
37,450円(税込)/人
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