
第一原理計算とインフォマティクスの連携による無機半導体の理論解析
セミナー趣旨
近年、あらゆる学術分野・産業界において情報科学・機械学習の応用が注目されている。特に材料科学においてはマテリアルズ・インフォマティクスという新しい学術分野が確立し、材料科学の発展や材料開発の加速化に貢献している。
本セミナーでは、第一原理計算や機械学習の基礎知識と共に、マテリアルズ・インフォマティクスの概要を解説する。また、半導体物質を対象とする第一原理計算・インフォマティクス応用の研究事例として、第一原理計算と結晶構造データベースとの連携による固体電解質の熱力学的安定性の理論解析、第一原理計算と組み合わせ最適化アルゴリズムとの連携による安定原子配置探索、および、機械学習原子間ポテンシャルによる大規模シミュレーションの研究成果を紹介する。研究成果の紹介と併せて、材料科学研究において第一原理計算や情報科学・機械学習をどのように有効活用できるかを述べる
受講対象・レベル
・ 第一原理計算および情報科学・機械学習を活用した材料研究に関心がある方
・ マテリアルズ・インフォマティクスの活用を検討されている方
習得できる知識
・ 材料科学研究における情報科学・機械学習の活用方法
・ 第一原理計算と情報科学・機械学習の連携による材料科学研究の方法
セミナープログラム
※ 適宜休憩が入ります。
1.第一原理計算の基礎
1.1 第一原理計算の概要
1.2 Born−Oppenheimer近似
1.3 密度汎関数理論
1.4 Kohn−Sham方程式
1.5 交換相関汎関数
1.6 基底関数
1.7 入力パラメータ・計算条件
1.8 自己無撞着場
1.9 擬ポテンシャル
1.10 第一原理計算による材料シミュレーション
1.10.1 一点計算
1.10.2 構造最適化計算
1.10.3 状態密度解析
1.10.4 バンド構造解析
1.10.5 電子密度解析
1.10.6 スーパーセル法
1.10.7 スラブモデル
1.10.8 遷移状態計算・反応経路解析
1.10.9 第一原理分子動力学法
1.11 第一原理計算の特徴
2.機械学習の基礎
2.1 機械学習の概要
2.2 機械学習の実行における基本技術
2.2.1 データセット
2.2.2 特徴量エンジニアリング
2.2.3 機械学習モデルの性能評価
2.2.4 過学習と汎化
2.2.5 正則化
2.2.6 アンサンブル学習
2.3 代表的な機械学習アルゴリズム
2.3.1 ニューラルネットワーク
2.3.2 ランダムフォレスト
2.3.3 勾配ブースティング決定木
3.マテリアルズ・インフォマティクスの基礎
3.1 “科学”のパラダイムシフト
3.2 マテリアルズ・インフォマティクスとは何か?
3.3 マテリアルズ・インフォマティクスの主な研究例
4.第一原理計算と結晶構造データベースに基づく蓄電池材料の安定相の理論解析
4.1 Liイオン電池用固体電解質
4.2 第一原理計算と結晶構造データベースの連携によるハイスループット計算
4.3 凸包解析
4.4 固体電解質の熱力学的安定性の評価
4.5 過剰Liに伴う固体電解質の還元分解反応式の予測
5.第一原理計算と組み合わせ最適化アルゴリズムの連携による化合物半導体の安定原子配置の探索
5.1 Ⅳ族混晶半導体
5.2 組み合わせ最適化アルゴリズム
5.3 第一原理計算と遺伝的アルゴリズムの連携方法
5.4 SiGe混晶半導体の安定原子配置の探索
5.5 SiGe混晶の安定構造における電子状態・物性解析
6.機械学習原子間ポテンシャルによる半導体中の大規模点欠陥クラスターのシミュレーション
6.1 Si半導体中の点欠陥
6.2 機械学習原子間ポテンシャル
6.3 第一原理計算を用いた全エネルギー・力の訓練データの作成
6.4 原子空孔クラスター予測の機械学習型原子間ポテンシャルの精度評価
6.5 大規模原子空孔クラスターの形成エネルギーの理論的評価
6.6 格子間Siクラスター予測の機械学習型原子間ポテンシャルの精度評価
6.7 大規模格子間Siクラスターの形成エネルギーの理論的評価
セミナー講師
野田 祐輔 氏 九州工業大学
大学院情報工学研究院 物理情報工学研究系 准教授
【講師経歴】
2010年3月 横浜国立大学 工学部 知能物理工学科 卒業
2012年3月 横浜国立大学 大学院工学府 物理情報工学専攻 物理工学コース 博士課程前期(PEDプログラム)修了
2014年4月 日本学術振興会 特別研究員 DC2(受入機関:横浜国立大学)
2015年3月 横浜国立大学 大学院工学府 物理情報工学専攻 物理工学コース 博士課程後期(TEDプログラム)修了
2015年4月 日本学術振興会 特別研究員 PD(受入機関:理化学研究所)
2016年4月 物質・材料研究機構 統合型材料開発情報基盤部門 情報統合型物質・材料研究拠点 蓄電池材料グループ(名古屋工業大学サテライトオフィス) ポスドク研究員
2018年4月 名古屋大学大学院 工学研究科 物質科学専攻 特任助教(CREST研究員)
2020年4月 金沢学院大学 経済情報学部 経済情報学科 講師
2021年4月 岡山県立大学 情報工学部 情報通信工学科 准教授
2024年4月 九州工業大学 大学院情報工学研究院 物理情報工学研究系 准教授(現在に至る)
セミナー受講料
49,500円(税込)
* 資料付
*メルマガ登録者 44,000円(税込)
*アカデミック価格 26,400円(税込)
★メルマガ会員特典
2名以上同時申込で申込者全員メルマガ会員登録をしていただいた場合、
1名あたりの参加費がメルマガ会員価格の半額となります。
★ アカデミック価格
学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、
大学院の教員、学生に限ります。申込みフォームに所属大学・大学院を記入のうえ、
備考欄に「アカデミック価格希望」と記入してください。
受講について
- 本セミナーはビデオ会議ツール「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
お申し込み前に、下記リンクから視聴環境をご確認ください。
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- タブレットやスマートフォンでも視聴できます。
- お手元のPC等にカメラ、マイク等がなくてもご視聴いただけます。この場合、音声での質問はできませんが、チャット機能、Q&A機能はご利用いただけます。
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■ お申し込み後の流れ
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- 事前登録完了後、ウェビナー参加用URLをお送りいたします。
- セミナー開催日時に、参加用URLよりログインいただき、ご視聴ください。
- 講師に了解を得た場合には資料をPDFで配布いたしますが、参加者のみのご利用に限定いたします。他の方への転送、WEBへの掲載などは固く禁じます。
- 資料を冊子で配布する場合は、事前にご登録のご住所に発送いたします。開催日時に間に合わない場合には、後日お送りするなどの方法で対応いたします。
受講料
49,500円(税込)/人