粉砕技術の基礎と粉砕物の評価・制御手法およびトラブル対策

―乾式・湿式粉砕の理論と粉砕片の物性・構造評価、最適な装置・材料・助剤の選定―
―メカノケミカル現象の理解と応用技術、凝集・付着・コンタミなどのトラブルへの対策―

▶ セミナー内容抜粋
・粉砕技術の基礎とメカニズム。粉砕の“4条件”による効率化の基本
・粉砕物の物性・構造評価法(粒子径・表面性・結晶性・化学活性)
・粉砕に関わる諸因子(水分・雰囲気・速度・助剤)の影響と対策
・粉砕助剤の活用と添加率の最適化設計
・粉砕装置(乾式・湿式)の構造・原理と選定・スケールアップ指針
・メカノケミカル現象の理解と応用(ナノ粒子生成、非加熱分解、有価物回収 等)
・凝集、付着・帯電、偏析、摩耗、コンタミネーションなどのトラブル対策と改善方法
・DEMシミュレーションを活用した粉砕プロセスの最適設計 

 

日時

【Live配信(アーカイブ配信付)】 2025年6月26日(木)  10:30~16:30
【アーカイブ(見逃し)配信】終了翌営業日から7日間[6/27~7/3中]を予定
  受講可能な形式:【Live配信(アーカイブ配信付)】のみ 
  ★アーカイブのみの視聴も可能です!

【項目】※クリックするとその項目に飛ぶことができます

    セミナー趣旨

    粉砕操作に携わる技術者・研究者が抱える課題の一つは、乾式並びに湿式粉砕操作の適切な処理であり、その過程では様々なトラブルに見舞われる。例えば、粉砕しているのに異常な現象、例えば、微粒子の凝集・付着が激しくなる、別の性質の粒子が生成する、装置(ミル)の異常な音や発熱の発生などである。また、粉体を原料にした粉砕処理プロセスにおいても粉体原料調整の段階で不明な点が多いことから、その後の液体を媒体とした溶解工程や成形・加熱焼成工程を経て製品となるプロセスで、想定以上の問題が生じる場合がある。これらの課題や問題には、往々にして原料(微粉体)調整段階での情報や粉砕過程での原料とミル処理条件との相互作用を良く知ることで解決に繋がる場合がある。それらの多くは、原料の粉砕過程で発現するメカノケミカル効果に由来することが原因になっている場合が少なくない。
    本セミナーでは、これらの問題や課題に対してヒントを与えられるような基礎と具体的な事例を紹介し、それぞれの課題解決の参考になれば幸いと思っている。

    受講対象・レベル

    1.固体の粉砕に取り組まれておられる方
    2.粉砕操作でトラブルを抱えておられる方
    3.新しい粉砕法を検討されておられる方
    4.メカノケミカル効果(非加熱処理)を利用しようとしている方
    5.粉砕操作の最適化を目指している方
    6.粉砕処理で物質分離やリサイクル(有価物回収)等を目指している方 など
    7.その他、粉砕法で粉砕限界、微粒子表面処理、形状制御などを目指している方

    習得できる知識

    ・固体の破壊の原因       
    ・粉砕の4条件~これを満足すれば粉砕はより効果的に実施可能
    ・原料及び粉砕物の特性評価法~粒子径、粒子径分布などのマクロ評価と結晶構造等のミクロ評価
    ・粉砕過程でのサイズ効果、雰囲気効果、負荷速度効果、粉砕助剤効果
    ・粉砕機各種の動作原理~粗砕機、中砕機、微粉砕機の構造と特徴の理解と最適操作条件
    ・メカノケミストリー・メカノケミカル効果の理解と発現条件~抑制法と積極的利用法
    ・粉砕過程でのトラブル解消法
    ・その他、粉砕法で粉砕限界、微粒子表面処理、形状制御

    セミナープログラム

    1.粉砕技術の基礎
     (1)固体の破壊
        ・物質は引っ張りで破壊する(理論的には、圧縮では破壊しない)
     (2)粉砕の4条件
        ①十分な力があること
        ②その力が着実に固体に加わること
        ③破壊後再凝集・結合しないこと
        ④湿式粉砕下で安定なスラリー状態にあること
     (3)応力作用下でのクラック発生と破壊の形成
        ・破断面の状況は粉砕条件(荷重速度、荷重の種類、雰囲気の影響など)に依存
     (4)限界粒子径
        ・どこまで粉砕可能か

    2.粉砕物の評価法
     (1)粒子径の評価法
        ・粒子径の定義
     (2)粉砕片の表面評価法
        ・ミクロ・マクロ的観察
     (3)粉砕片の構造評価法
        ・電子線・X線回折、ラマン分光、熱分析や、その他の固体の評価
     (4)破砕片の化学的活性評価法
        ・表面乱れ、エキソエレクトロン放射、ラジカル発生、吸着特性など

    3.粉砕の促進/抑制にかかわる影響因子とその相関
     (1)粉砕雰囲気の影響
        ・水分の影響
     (2)荷重速度効果
     (3)寸法効果
     (4)助剤添加効果
     (5)粉砕機タイプ・構造・粉砕プロセスの改善
        ・段階粉砕、分級機設置、粉砕条件の最適化

    4.粉砕助剤とその使い方
     (1)助剤添加による効果
        ・表面エネルギー制御
     (2)田中の理論
     (3)最適添加率

    5.粉砕機の種類・特徴とその選定・使い方
     (1)乾式粉砕機
        ・圧縮、せん断、高速衝撃等による粉砕機
        ・自生粉砕機
        ・媒体(ボールなど)利用粉砕機
        ・気流粉砕機(無媒体粉砕機)など
     (2)湿式粉砕機
        ・媒体利用粉砕機
        ・流体利用粉砕機
     (3)乾式粉砕機選定のポイント
        ・粉砕動力の予測
        ・粉砕機のスケールアップ
        ・スケールアップ時の粒度分布
        ・粉砕助剤使用
        ・コンタミ 等
     (4)湿式粉砕機選定のポイント
        ・処理品質
        ・運転条件
        ・洗浄性
        ・乾燥
        ・コンタミ 等
     (5)遊星ミルや媒体攪拌ミルなどによる超微粉砕
     (6)最近の粉砕機の開発と進化

    6.最適粉砕条件(操作・粉砕機構造)とスケールアップの最適化
     (1)離散要素法(DEM)シミュレーションによる媒体運動
     (2)最小限度の実験情報とDEMシミュレーション結果の融合による最適粉砕処理
     (3)各種微粉砕機・材料への展開

    7.微粉砕に付随する現象の理解とその制御・応用
      ~メカノケミストリー~
     (1)メカノケミカル現象の基礎、原理
        ・結晶構造変化(相転移を含む)
        ・粉体の活性(不安定)機構
        ・周囲の物質との相互作用
        ・固相反応の促進法あるいは抑制法
     (2)メカノケミカル現象の応用技術
        (メカノケミカル効果を利用する)
        ・非加熱での材料合成(ナノ粒子製造を含む)
        ・機能性粉体合成(資源の高付加価値化と新機能材料開発)
        ・ハロゲン含有樹脂・有機物の非加熱分解
        ・粉砕+化学的処理/物理的処理による有価物回収と処理プロセスの改善
        ・粉砕+低温加熱による各種バイオマスからの高純度水素製造

    8.微粉砕におけるトラブルシューテング
     (1)微粉砕における微粒子凝集の改善
     (2)粒子複合化(粒子設計)処理の改善
     (3)付着・帯電現象の抑制
     (4)粉砕機内での偏析の防止
     (5)摩耗・コンタミネーションの抑制
     (6)異物混入と除去法
     (7)微粉砕を良くするためのポイント
        ・分級
        ・助剤添加 など
     (8)粉砕物制御のポイント
        ・粒子径・粒度分布
        ・表面特性
        ・形状 など
     (9)微粉砕を効果的に行うためのポイント
     (10)粉砕処理工程での粉塵爆発の防止

    9.むすび
      本セミナー内容の要約と展望のまとめ

    □質疑応答□

    セミナー講師

    東北大学 名誉教授 博士(工学) 齋藤 文良 氏

    【経歴】
    山形市生まれ、1970 年山形大学工化学工学科卒業、1972年同大学大学院工研究科修士修了、1972年山形大学助手(工)、以後、東北大学助手(選研)、横浜国大講師・助教授(工)を経て1991年東北大学教授(選研(現多元研))、2012年同大学を定年退職、同年4月より東北大学名誉教授。その間、1987~88年、英国、University of Birmingham博士研究員、2001年フランス、Ecole des Mines d'Albi 客員教授、2005~2010年東北大学多元研所長など。

    【現職】
    仙台市地域企業課題解決マイスター、東経連ビジネスセンター技術評価グループフェロー、中国河北省外国人百人専門家(アドバイザー)
    学協会活動
    粉体工学名誉会員、資源素材学会終身会員、環境資源工学会シニア会員、国際メカノケミストリー協会(IMA)会員、日本粉体工業技術協会名誉個人会員、粉体工学情報センター理事等

    受賞歴
    化学工学協会賞(現論文賞)(1984)、資源素材学会論文賞(1999)、APCChE Outstanding Paper Award(2004)、ホソカワ粉体工学振興財団KONA賞(2008)、化学工学会粒子流体プロセス部会フロンティア賞(2010)、日本鉄鋼協会ギマラエス賞(2010)、日本学術振興会平成21年度特別研究員等審査会専門委員(書面審査)「規範となる審査意見を付した専門委員」表彰(2010)、CHISA名誉会員(2012)、化学工学会創立75周年功労賞(2012)、粉体工学会功労賞(2025)、等

    その他の活動
    仙台観光国際協会英語スペシャルサポーターなど

    研究業績
    研究論文:289編、解説・資料:183編、著書:31編、国際会議報告論文:88編、特許:73編

    セミナー受講料

    55,000円 ( E-Mail案内登録価格 52,250円 ) 

    定価:本体50,000円+税5,000円
    E-Mail案内登録価格:本体47,500円+税4,750円
    E-Mail案内登録なら、2名同時申込みで1名分無料

    1名分無料適用条件

    ※2名様以上の申し込みは、全員のE-Mail案内登録が必須です。
     2名様以降の受講者は、申込み前にE-Mail案内登録をお済ませください。
    ※同一法人内(グループ会社でも可)による2名様以上の同時申込みのみ適用いたします。
    ※請求書(クレジットカード決済の場合は領収書)は代表者にS&T会員マイページにて発行します(PDF)。
    ※請求書および領収証は1名様ごとに発行可能です。
     (申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。)
    ※他の割引は併用できません。

    2名で55,000円 (2名ともE-Mail案内登録必須​/1名あたり定価半額の27,500円)


     テレワーク応援キャンペーン(1名受講)【オンライン配信セミナー受講限定】

    1名申込みの場合:受講料 44,000円(E-Mail案内登録価格 42,020円)
     定価:本体40,000円+税4,000円
     E-Mail案内登録価格:本体38,200円+税3,820円
    ※1名様でオンライン配信セミナーを受講する場合、上記特別価格になります。
    ※お申込みの際、備考欄に【テレワーク応援キャンペーン希望】と記載ください。
    ※他の割引は併用できません。

    受講について

    ZoomによるLive配信 ►受講方法・接続確認(申込み前に必ずご確認ください)
    アーカイブ配信 ►受講方法・視聴環境確認(申込み前に必ずご確認ください)

    配布資料

    • PDFテキスト(印刷可・編集不可)

     

    受講料

    55,000円(税込)/人

    ※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

    開催日時


    10:30

    受講料

    55,000円(税込)/人

    ※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

    ※銀行振込

    開催場所

    全国

    主催者

    キーワード

    化学反応・プロセス   生産工学

    ※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

    開催日時


    10:30

    受講料

    55,000円(税込)/人

    ※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

    ※銀行振込

    開催場所

    全国

    主催者

    キーワード

    化学反応・プロセス   生産工学

    関連記事

    もっと見る