
●金属を中心とした構造材料における腐食劣化についてお話をさせていただきます。
受講対象・レベル
設備や構造物を設計/運用する方々で、必ずしも腐食を専門としないがその知識を吸収して業務に役立てたい方
必要な予備知識
高等学校の理科(物理・化学)の知識があると理解しやすいと思います。
化学/電気化学の話と皮膜の電気伝導(電子・イオン)の話を含む予定です。
習得できる知識
・金属を中心とした構造材料を耐久性をもたせて利用する知識・技術
・腐食による装置・構造物の劣化やトラブルに対する防止法・対策法
・設計した条件が環境により変化して生じる腐食・劣化などへの対処法・保守技術
セミナープログラム
1. 社会における装置・構造物の劣化(特に腐食)による損失
1.1 インフラ(例:管路)の劣化とそれによる損失(概説)
①上水道・下水道
a) 内面の腐食劣化
b) 漏洩とそれが引き起こす2次的な問題
1.2 通信管路・電気管路・ガス管路(概説)
1.3 電子材料の腐食(概説)
2. 金属材料の腐食についての取り扱い
2.1 腐食のメカニズムと定量的な扱い
2.2 全面腐食(均一腐食)と局部腐食
2.3 腐食による材料力学的評価の減少(断面二次モーメント)
2.4 腐食の速さ(肉厚減少)
2.5 腐食の電気化学モデルと解析
2.6 電極電位・分極
2.7 電位の計測・標準電極(参照電極)
2.8 電位-pH図とその活用
3. 耐食性材料
3.1 イオン化列・ネルンスト式から
3.2 ステンレス鋼の例
3.3 ステンレス鋼の防食メカニズム(電位-pH図の利用)
4. 環境とコンクリート
4.1 コンクリート概説
4.2 コンクリート中鉄筋の防食(電位-pH図の利用)
4.3 二酸化炭素や硫黄系ガスによるコンクリート劣化
a) コンクリート自体の劣化
b) コンクリート中鉄筋の劣化(腐食)
c) コンクリート中緊張筋の応力腐食割れ
4.4 塩害
5. 土中における金属腐食
5.1 通気差電池
5.2 電気鉄道
6. その他事例紹介
(当日にいくつかの事例をピックアップして紹介)
*途中、小休憩を挟みます。
セミナー講師
東京電機大学 工学部 機械工学科 教授 齋藤 博之 氏
■ご略歴
早稲田大学大学院理工学研究科資源および材料工学専攻博士前期修了 1989
博士(工学)早稲田大学 1999
日本電信電話株式会社(研究所,開発部門に勤務) 1989-2014
東京電機大学(工学部機械工学科教授)2014-
■ご専門および得意な分野・ご研究
専門:材料科学および工学(MSE)、特に金属材料、腐食防食
通信線路・構造物の防食技術開発、鉄鋼の水素脆化メカニズム解明、
超撥水現象のメカニズム解明・超撥水材料の開発、難着雪着氷材料の開発などに従事.
現在は、地下管路の腐食メカニズム解明、地層処分における鉄鋼の腐食メカニズム解明などを手掛ける。
■本テーマ関連学協会でのご活動
2014/04 ~ 2017/03
戦略的基盤技術高度化支援事業研究開発推進委員会 委員・サブリーダー
2014/07 ~ 2022/03
日本学術振興会180委員会 委員
2014/05
公益社団法人腐食防食学会技術賞
2017/12 ~ 2018/03
老朽化した生産設備における安全対策の調査分析事業 外部専門家
2021/5
日本材料試験技術協会賞
2022/04 ~
(公社)腐食防食学会 RBI分科会 委員
2023/11 ~
金属製処分容器の長期腐食寿命評価技術の技術的課題の検討・過渡期腐食評価技術分科会((公社)腐食防食学会) 委員
セミナー受講料
1名46,200円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき35,200円
*学校法人割引:学生、教員のご参加は受講料50%割引。
受講について
- 配布資料はPDF等のデータで送付予定です。受取方法はメールでご案内致します。
(開催1週前~前日までには送付致します)
※準備の都合上、開催1営業日前の12:00までにお申し込みをお願い致します。
(土、日、祝日は営業日としてカウント致しません。) - 受講にあたってこちらをご確認の上、お申し込みください。
- Zoomを使用したオンラインセミナーです
→環境の確認についてこちらからご確認ください - 申込み時に(見逃し視聴有り)を選択された方は、見逃し視聴が可能です
→こちらをご確認ください
受講料
46,200円(税込)/人
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