接着の強度、耐久性、信頼性・品質に影響する諸因子とその最適化法および寿命推定法、設計法

想定不良率・ばらつき・劣化・内部破壊
安全率・接着部に加わる力を考慮して
必要な継手強度を簡易に求める、
講師のノウハウから成る接着設計法も解説


接着信頼性・品質向上の基本と必要な継手強度を簡易に求める接着設計法


下記のようなことが学べます
○ 高信頼性・高品質接着の基本条件、開発段階で達成すべき目標値とは
○ 接着劣化要因、耐久性評価に必要な基礎知識
○ 接着耐久性の長期寿命予測法:寿命予測の鉄則
○ 接着部の必要強度を簡易に求める、原賀式『Cv接着設計法』
○ 接着トラブル事例:トラブル状況、検証抜けの要因、原因推定と対策

ばらつきが多い接着強度をどう扱い、最低強度を求め、設計強度を考えるか?
寿命推定の具体的手法、劣化・安全率等の考慮から高信頼性接着を達成するために

セミナー趣旨

 接着の耐久性を向上させるには、まず、接着界面での密着性を向上させて凝集破壊を
達成させることが基本である。また、接着強度のばらつきを小さくしておくことも重要である。
さらに、破断強度を設計強度として用いることはできず、設計に用いることができる
設計許容強度を知ることも必要である。
 本講座では、接着の強度、耐久性、信頼性・品質に影響する多くの要因を説明し、
諸要因の最適化法を示す。また、長期劣化の寿命推定の具体的手法、想定不良率・ばらつき
・劣化・内部破壊・安全率・接着部に加わる力を考慮して必要な継手強度を簡易に求める
接着設計法について説明する。

習得できる知識

 本セミナーでは、接着剤を使う立場での疑問点や課題、解決策、目標値を論理的に
体系付けてわかりやすく説明するので、「単なる基礎知識の習得」ではなく、
「高信頼性接着を達成するための具体的手法と考え方」を習得することができます。
これから接着に携わる初心者から、品質・機能を追求されるベテラン技術者まで、
それぞれのレベル、目的にマッチした「考え方」を習得できます。

セミナープログラム

1.高信頼性、高品質接着を達成するための基本条件と目標値
 1.1 開発段階で達成すべき目標値
  (1)「高信頼性・高品質接着」とは
  (2) 接着部の破壊状態-凝集破壊率-
  (3) 接着強度のばらつき-変動係数-
 1.2 接着のメカニズムと接着特性の向上策
  (1) 接着の過程
  (2) 分子間力、水素結合
  (3) 表面張力―簡単な測定法と必要値―
  (4) 表面張力を高くする表面改質法と注意点
  (5) プライマー、カップリング剤処理と注意点
  (6) 表面粗面化の問題点
  (7) 内部応力(硬化収縮応力、熱収縮応力)の発生と低減策
  (8) 結合強度を低下させる要因(まとめ)-接着の脆弱点-

2.接着劣化のメカニズムと評価のポイント
 2.1 劣化の要因とメカニズム
  (1) 熱劣化
  (2) 冷熱繰返し
  (3) 水分劣化
  (4) クリープ
 2.2 耐久性評価の落とし穴
  (1) 水分劣化における接着部の形状・寸法の影響
  (2) 細長い接着部における接着部の幅と水分劣化の加速倍率
  (3) 致命的損傷と非致命的損傷の見極め方
  (4) 応力と水分の複合による劣化の加速
 2.3 耐久性の相対評価試験と絶対評価試験
 2.4 耐久性の定量評価における評価条件の最適化
  (1) ヒートサイクル試験の条件最適化
  (2) 熱劣化試験の条件最適化

3.接着耐久性の長期寿命予測法
 3.1 寿命予測の鉄則
 3.2 長期熱劣化の予測法
  (1) アレニウス法
 3.3 長期水分劣化の予測法 
  (1) アレニウス法
  (2) 吸水率分布からの予測法
 3.4 長期屋外暴露劣化の予測法
  (1) アレニウス法と乾燥回復性からの予測法
 3.5 クリープ耐久性の予測法 
  (1) 温度-時間換算による方法
  (2) Larson-Miller法
 3.6 疲労耐久性の予測法

4.ばらつき、劣化、内部破壊を考慮して接着部の必要強度を簡易に
      求めるための原賀式 『Cv接着設計法』

 4.1  原賀式 『Cv接着設計法』とは
 4.2 許容不良率、工程能力指数、変動係数、信頼性指数、ばらつき係数の関係
 4.3 高品質を満足する条件
  (1) 接着部に加わる外力、平均接着強度とばらつき係数の関係
  (2) 接着強度の変動係数はどのくらい必要か
 4.4 内部破壊を考慮する
 4.5 環境劣化による接着強度の低下とばらつきの増加
 4.6 初期の必要平均接着強度を求める設計式

5.信頼性、耐久性、寿命、安全率のトラブル事例
 ①出荷品の性能、条件、②トラブルの状況、③当初の判断、④検証抜けの要因、
   ⑤追加検証の結果、⑥原因の推定、⑦不良率の推定、⑧対策、⑨対策品の信頼性推定、などを説明
 5.1  ばらつきを考慮せず平均値で設計した
 5.2  乾燥による強度回復性を考慮しないで接着剤を選定した
 5.3  クリープが加わっている状態に気がつかなかった
 5.4  試験片と製品の接着部の形状・寸法の違いを考慮しなかった
 5.5  疲労強度を間違った
 5.6  引張り剪断試験で結果を見誤った  など

□質疑応答・名刺交換□

セミナー講師

(株)原賀接着技術コンサルタント 専務取締役 首席コンサルタント 工学博士 原賀 康介 氏

専門】接着技術(特に構造接着技術、接着の信頼性保証技術) 

講師略歴
1973年、京都大学工業化学科卒業、三菱電機(株)入社。生産技術研究所、
材料研究所、先端技術総合研究所に勤務。入社以来46年間にわたって一貫して
接着接合技術の研究・開発に従事。特に、構造接着技術と接着信頼性保証技術の開発に注力。
2012年3月三菱電機(株)を退任。
2012年3月株式会社 原賀接着技術コンサルタントを設立し、各種企業における接着課題の
解決へのアドバイスや社員教育などを行っている。

接着の適用開発事例
 エレベーター・エスカレーターの意匠構造部品の接着化、制御盤・配電盤の接着
・リベット併用組立、高速列車用車両空調装置枠体、産業用換気扇羽根のウェルドボンド組立、
人工衛星の太陽電池パネルの接着組立、大形宇宙望遠鏡の反射鏡の接着組立、
高性能モーターの永久磁石の接着接合、エアコン用熱交換器の冷媒配管の接着接合、
光学機器の精密接着、ほか多数。

セミナー受講料

55,000円( S&T会員受講料52,250円 )
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