
FPCおよび低誘電特性を両立した高周波対応基材の開発
■本セミナーの主題および状況
→FPC(フレキシブルプリント基板)は、電子機器の回路を形成するために使用される柔軟なプリント基板の一種であり、その柔軟性と高い設計自由度により、現代の電子機器の進化に大きく寄与しております。
→LCP(液晶ポリマー)は、高性能なプラスチック材料の一種であり、高い耐熱性、低伸度、優れた電気絶縁性などの特徴を持ち、、高周波デバイス、フレキシブル基板、アンテナ、コネクタ、電子パッケージ、マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)、バイオセンサーなど、多岐にわたる分野で使用されております。
■注目ポイント
★低誘電特性とFPC基材としての基本特性を両立させるための考え方と、それに基づいて開発した破砕型LCP微細繊維を用いたフィルムの実例を紹介!
セミナー趣旨
スマートフォンを代表に、高周波対応が可能な低誘電基材を用いたFPCの要望は高まっているが、現在高周波基板材料として使われているLCPやMPIは、近い将来に誘電特性の要求を満たせなくなる。
このため、材料の多孔化やフッ素樹脂等のよりLow-Dk・Low-Dfの材料を用いた高周波対応FPC材料の採用が模索されているが、これらの材料は電気特性的には優秀であっても、FPC基板としての基本的な適性を有していない場合が多く、実用的なFPCの形成が困難である。
本講演ではこのような低誘電特性とFPC基材としての基本特性を両立させるための考え方と、それに基づいて開発した破砕型LCP微細繊維を用いたフィルムの実例を紹介する。
【講演キーワード】
液晶ポリマー(LCP)、高周波、多層FPC、低誘電、CTE(線膨張係数)、メトロサーク、ハイブリッドフィルム、破砕型LCP微細繊維
【講演のポイント】
低誘電特性とFPC基材としての基本特性を両立させるための考え方と、それに基づいて開発した破砕型LCP微細繊維を用いたフィルムの実例を紹介する。
習得できる知識
FPC基材に求められる基本特性
LCPやポリイミドフィルムがFPCに使われる理由
LCP多層化の要素技術
LCPフィルム加工時の留意点
LCPと低誘電材料とのハイブリッド化の手法例
セミナープログラム
- 講師自己紹介
- 経歴
- 開発実績(出願済み特許を中心に)
- FPCの基本
- 一般的な構造
- FPC基材の要求特性
- LCP-FPC
- LCPとは?
- LCPフィルム/FPC開発の歴史
- LCP-FPCの構造とプロセス
- 材料構成
- 多層化プロセス
- 表面処理による接着性改善
- 加水分解対策
- 高周波特性
- LCPフィルム/FCCL
- LCPフィルム/FCCLの作り方
- 溶融押し出しフィルム+ラミネート
- 溶液キャスティング
- LCPフィルム/FCCLの問題点
- 溶融押し出しタイプ
① 耐熱性の限界
② 複合化 - 溶液キャスティングタイプ
① 吸水性
- 溶融押し出しタイプ
- LCPフィルム/FCCLの作り方
- FPC基材にLCPとポリイミドが使われる理由
- CTE制御の重要性
- LCPとPIには共通点がある
- CTE制御方法
- 配向制御でCTEがなぜ金属並みに小さくなるか?
- ランダムコイル型樹脂を用いた際のその他の問題
- 加熱工程での熱収縮
① エントロピー弾性とエネルギー弾性
- 加熱工程での熱収縮
- LCP多層FPC形成の要素技術
- 層間密着性
- 電極の埋め込み方法
- ビア/TH形成
- 低誘電化(新規開発したLCPフィルム製法を例に)
- LCPのlow-Dk化の限界
- LCP以外の高周波対応材料
- 他素材の問題
- 発泡フィルムは?
- 低誘電材料とのハイブリッド化
- 複合則
- ラミネートによるハイブリッド化の問題点
- アロイフィルムによるハイブリッド化
- 破砕型LCP微細繊維
- LCP破砕の難易度
① どのように微細繊維化しているか
② 破砕型LCP微細繊維の特徴 - 破砕型LCP微細繊維のシート化
① 繊維マット形成方法
- LCP破砕の難易度
- 配向制御方法
- 複合化による低誘電化
- 配向を乱す要因と対策
- FPC基材以外の破砕型LCP微細繊維の用途
- まとめ
【質疑応答】
セミナー講師
FMテック 代表 大幡 裕之 氏
【経歴】
1985年 関西大学工学部応用化学科卒業
同年 帝国産業株式会社入社
2000年 ジャパンゴアテックス株式会社(現日本ゴア)入社
2011年 株式会社村田製作所入社
2022年 独立起業して現在に至る
【専門内容】
液晶ポリマー(LCP)フィルム・FCCLとそれを用いたLCP-多層FPCの形成要素技術
セミナー受講料
【1名の場合】39,600円(税込、資料作成費用を含む)
2名以上は一人につき、11,000円が加算されます。
受講料
39,600円(税込)/人