
タンパク質の容器、高分子材料への吸着性評価と抑制・防止技術
★ 吸着のメカニズムから、吸着タンパク質の定量評価、様々な評価法を紹介!
セミナープログラム
【10:00~11:20】
【第1部】 タンパク質のデバイスへの吸着メカニズム解明との吸着タンパク質の定量評価
(株)ユー・メディコ 代表取締役 福原彩乃 氏
専門分野:蛋白質科学
【講座主旨】
タンパク質のデバイスへの吸着は、タンパク質試料の濃度低下だけでなく、吸着したタンパク質が剥離することにより、凝集体の発生を引き起こす可能性がございます。本講座では、タンパク質の吸着に起因する問題と、吸着のメカニズムをご説明いたします。さらに、吸着の定量方法をご紹介いたします。
【講演内容】
1.タンパク質のデバイスへの吸着に起因する問題
① タンパク質の濃度低下
② タンパク質の界面からの剥離による凝集体発生
2.タンパク質吸着のメカニズム
① デバイス表面の性質
② タンパク質の性質
③ 吸着に影響を与える因子(溶媒のpH、イオン強度、界面活性剤)
3.タンパク質の吸着定量
【質疑応答】
【11:30~12:30】
【第2部】 高分子バイオマテリアルの水和挙動評価法と生体適合性
大阪公立大学工学研究科応用化学分野 准教授 児島 千恵 氏
専門分野:バイオマテリアル
【講座主旨】
バイオマテリアルの作製において生体適合性は重要な指標です。最近の研究により、物質の生体適合性は水和状態と相関することが明らかになりつつあります。本講演では、バイオマテリアルにおける水分子の役割と機能との関連性について、現在わかっていることをご説明します。そして、バイオマテリアルの水和状態の解析方法・水中での表面の分析方法についてご紹介します。
【講演内容】
1.バイオマテリアル
1.1 様々な高分子バイオマテリアル
2.水和状態と生体適合性との関連性
2.1 中間水とは
2.2 様々な材料の水和状態と血液適合性との関連性
3.水和状態の解析方法
3.1 中間水の解析方法(熱分析、NMR、分光学的解析)
3.2 中間水の解析事例
3.3 水中での表面解析方法(接触角測定、濡れ性評価、AFM(SPM))
3.4 水中での表面分析事例(乾燥状態と湿潤状態の比較)
【質疑応答】
【13:20~14:20】
【第3部】 表面力測定によるタンパク質の吸着特性の評価
東京都立大学 システムデザイン学部 機械システム工学科 教授 金子 新 氏
専門分野:機械工学(微細加工、MEMS、表面機能)
【講座主旨】
ナノニュートン(nN)オーダーの微小な吸着力を測定可能な表面力測定装置を利用した各種試料のタンパク質の吸着性評価法について紹介する。表面力測定装置の標準プローブであるガラス球にアミノシラン系単分子膜を成膜し、その後に各種タンパク質を被膜したプローブを作製する。このタンパク質プローブを液中で試料に接触させた後に引き剥がすと、接触時のプローブの変位や引き剥がし力(吸着力、表面力)からタンパク質の吸着性を評価できる。
【講演内容】
1.表面力測定装置の概要および従来のタンパク質吸着性評価
① 表面力測定装置の構造と原理
② タンパク質吸着性評価の課題
2.タンパク質被膜プローブの作製法
① 自己組織化単分子膜の基礎と成膜法
② プローブへのアミノシラン系単分子膜の形成
③ 各種タンパク質被膜プローブの作製
3.タンパク質被膜プローブによる表面力測定例
① 高分子試料での測定結果
② 金属試料での測定結果
【質疑応答】
【14:35~15:35】
【第4部】 医療用コンパウンドZelasのバイオ医薬向け低吸着グレード、血液適合材料の開発
三菱ケミカル(株) スペシャリティマテリアルズビジネスグループ 日本本部 パフォーマンスポリマーズ(日本)事業部 新規マーケット開発グループ セクションリーダー 佐伯 裕美 氏
専門分野:高分子、医療材料
【講座主旨】
近年は抗体医薬をはじめとした、核酸医薬、遺伝子治療薬、細胞治療などの多様な新規モダリティを用いた医薬品開発が世界的なトレンドとなっている。近年では環状オレフィンポリマー(COP)や環状オレフィンコポリマー(COC)製のバイアルやシリンジなどの採用が進んできている。 三菱ケミカルでは、社内分析技術と材料開発部隊が連携しながら、タンパク質の吸着評価技術を構築してきた。本講座では、バイオ医薬向けの医療包材や血液適合性の医療機器に適用可能なZelasTMの新規開発品について紹介する。
【講演内容】
1.医薬品包装/医療機器材料に求められる要求事項
・剤型と包装形態
・医療機器
・レギュレーション
2.タンパク吸着の評価手法について
3.医療コンパウンド Zelas™について
・適用用途
・スチレン系エラストマー
・オレフィ系エラストマー
・非晶性オレフィン、低たんぱく吸着グレード
・両親媒性ポリマー、血液適合性グレード
4.三菱ケミカル㈱の医療向け素材のソリューション紹介
【質疑応答】
【15:50~16:50】
【第5部】 シクロオレフィンポリマーの(COP)タンパク質の吸着性、凝集体について
日本ゼオン(株) 高機能樹脂研究所 所長 澤口 太一 氏
専門分野:高分子化学、成形加工
【講座主旨】
シクロオレフィンポリマー (COP)は、光学レンズ、光学フィルム、医療向け包装容器などに利用されています。特にCOPは、ガラスやその他のプラスチックと比較して、タンパク質を吸着しにくく、凝集体も発生しにくいことから、バイオ医薬品向けのプレフィルドシリンジでの使用が増加しています。本セミナーでは、COPの主な特徴とタンパク質の吸着性、凝集性について紹介する予定です。
【講演内容】
1.シクロオレフィンポリマー(COP)ZEONEX, ZEONORについて
2.医療用途でのシクロオレフィンポリマーの特性について
3.シクロオレフィンポリマーの成形性
4.シクロオレフィンポリマー製シリンジ中のタンパク製剤の凝集性、吸着性の評価
5.まとめ
【質疑応答】
セミナー講師
【第1部】 (株)ユー・メディコ 代表取締役 福原彩乃 氏
【第2部】 大阪公立大学工学研究科応用化学分野 准教授 児島 千恵 氏
【第3部】 東京都立大学 システムデザイン学部 機械システム工学科 教授 金子 新 氏
【第4部】 三菱ケミカル(株) スペシャリティマテリアルズビジネスグループ 日本本部 パフォーマンスポリマーズ(日本)事業部 新規マーケット開発グループ セクションリーダー 佐伯 裕美 氏
【第5部】 日本ゼオン(株) 高機能樹脂研究所 所長 澤口 太一 氏
セミナー受講料
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〔1社2名以上同時申込の場合のみ1名につき60,500円〕
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受講料
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