シリコンフォトニクスによる光デバイスの開発と光回路集積化

高速光集積回路の実現に向けたシリコンフォトニクスの最新動向 チップとファイバ間の光結合、光電コパッケージなど具体的な開発事例を挙げて詳解

セミナープログラム

<10:00〜11:30>
1.シリコンフォトニクスプラットフォームの高速光集積回路:現状と展望
東京工業大学 小川 憲介 氏  

【本講座で学べること】
・シリコンフォトニクスの概要
・シリコンフォトニクスファウンドリの展望
・高速光集積回路の構成

【講座概要】
  大容量のデータを高速で送受信するネットワークはますます身近になってきている。5G/6Gネットワークサービスは無論のこと、自動運転やリモート医療など、私たちの身の周りで大容量データをリアルタイムでやりとりする機会が増している。これにともない、データセンタはさらに拡大し、さまざまなロケーションに設置されるようになる。その基盤を支えるネットワークのハードウエアである光インタコネクトには一層の小型化と導入費用の低減が求められている。
  極小フットプリントのチップ上に光信号を高速送受信するための機能が集結された光集積回路は光インタコネクトのコア要素である。本講演では、シリコンフォトニクスプラットフォームで設計・製造される高速光集積回路について解説する。まず、プラットフォームとなるシリコンフォトニクスの概要、ファウンドリの発展などについて触れたあと、シリコンフォトニクスプラットフォームの高速光集積回路について解説する。シリコンフォトニクス光集積回路の中でも、高速光信号処理のための基本要素であるシリコンフォトニクス変調器の現状と、さらなる高速化に向けた課題と取り組みについて議論する。シリコンフォトニクス変調器のさらなる高速化に向けた研究の一例として、高速電子デバイスに応用されている高移動度二次元電子系を導入したシリコンフォトニクス変調器の新規設計について紹介する。
  高速光集積回路をさらに発展させるには、ヘテロジニアス光集積が欠かせないことを最終節として述べる。ニオブ酸リチウムなどの電気光学媒質をヘテロジニアス集積すると、光損失の低減が可能である。III-V系半導体のヘテロジニアス集積では、レーザ光源の集積化にとどまらず、光変調器の集積化にも活用されようとしている。本講演では、上記の新規設計例として紹介する高速シリコンフォトニクス変調器にも展開され得ることを述べる。

1.シリコンフォトニクスプラットフォーム
 1.1 概要
 1.2 “193”or“248”
 1.3 シリコンフォトニクスファウンドリの発展
 1.4 シリコンサイクルとのつながり
2.高速光集積回路
 2.1 光トランシーバ
 2.2 光変調器
 2.3 オンチップ集積化
3.高速化に向けたシリコンフォトニクス
 3.1 シリコンフォトニクス変調器の現状
 3.2 高速化の阻害要因
 3.3 量子効果を利用した高速シリコンフォトニクス変調器
4.ヘテロジニアス光集積
 4.1 電気光学材料の集積化
 4.2 III-V系半導体の集積化
5.むすび
【質疑応答】


<12:10〜13:40>
2.シリコンフォトニクススイッチの開発動向と大規模光ネットワークの構築
(国研)産業技術総合研究所 松本 怜典 氏  

【本講座で学べること】
・大規模光スイッチ/ネットワークのアプリケーション、トレンド
・光スイッチの要求条件
・シリコンフォトニクススイッチの構成、動作原理

【講座概要】
  本講座では、データセンター・コンピューティング領域向け光スイッチネットワークに関する世界的な動向をご紹介し、光スイッチに求められる要件を整理しています。続いて、産業技術総合研究所でこれまでに開発してきたシリコンフォトニクススイッチの変遷を振り返り、更なる大規模・大容量化に向けた今後の課題や展望をご説明します。併せて、大規模な光スイッチネットワークの構成例として、世界最大規模の32 × 32シリコンフォトニクススイッチを用いた10万ポート超光スイッチネットワークの実証実験の様子をご紹介します。

1.光スイッチネットワークを取り巻く背景
 1.1 データセンター向け光スイッチネットワーク
 1.2 ディスアグリゲーテッドコンピューティング
2.スイッチ技術
 2.1 高スループットスイッチの現状
 2.2 代表的な光スイッチの例
 2.3 シリコンフォトニクススイッチ
3.大規模光スイッチネットワーク
 3.1 Clos構成
 3.2 多段光スイッチ伝送
4.シリコンフォトニクススイッチに関する今後の展望
 4.1 偏波無依存化
 4.2 広帯域化
 4.3 低損失化・高機能化
5.まとめ
【質疑応答】


<13:50〜15:20>
3.UV硬化樹脂を用いたシリフォトチップとファイバ間接続デバイス技術
マレーシア工科大学 三上 修 氏  

【本講座で学べること】
1) シリコンフォトニクスチップ(SiPh)とは?
2) SiPhと単一モードファイバ(SMF)間の光結合の問題点とその解決策は?
3) キー材料&技術であるUV硬化樹脂・自己形成光導波路(SWW)技術・マスク転写技術とは?
4) SMF側への取り組み:光スポットサイズを小さくする方法は?
5) SiPh側への取り組み:光スポットサイズを大きくする方法は?
6) アレイ化への取り組みは?

【講座概要】
  将来の高速大容量光ネットワークを実現するキーデバイスの一つとして、シリコンフォトニクスチップ(SiPh)が注目されている。SiPh 内の光配線はごく微小な断面積を有していることが特徴であり、このためネットワークに使用されている単一モード光ファイバ(SMF)の光スポットサイズとは大差があり、結合効率が低いことが問題である。SiPhチップとSMF両者を高効率に接続するためには、両端面での光スポットサイズを一致させることが不可欠である。
  本講演では、この目的のための内外の研究機関での取り組みを紹介するとともに、東海大学の研究チームで進めているUV硬化樹脂と自己形成光導波路(Self-Written Waveguide:SWW)技術を用いたアプローチを紹介する。本アプローチは特別に高価なプロセス装置を必要とせずに、簡易なプロセスで高い結合効率の実現に対応できる可能性がある。この分野の研究開発に従事されている諸氏の一助になることを願っている。

1.シリフォトチップとは
2.シリフォトチップとファイバとの接続形態
 2.1 表面結合
 2.2 端面結合
3.結合デバイス製作技術と材料
 3.1 UV硬化樹脂
 3.2 自己形成導波路技術
 3.3 マスク転写技術
4.Spot Size Down Converter:ファイバ側への取り組み
 4.1 テーパピラー構造
 4.2 ピラー・マイクロレンズ構造
5.Spot Size Expander:シリフォトチップ側への取り組み
 5.1 ピラー・マイクロレンズ構造
6.国内外研究機関の取り組み
【質疑応答】


<15:30〜17:00>
4.光電コパッケージ用シリコンフォトニクス内蔵パッケージ基板の開発
(国研)産業技術総合研究所 乗木 暁博 氏

【本講座で学べること】
・光電コパッケージ技術の概要と動向
・光実装技術の課題
・シリコンフォトニクス内蔵パッケージ基板を用いた光電コパッケージ技術

【講座概要】
  データセンターや大規模科学計算、AIシステムにおいて、より大容量、低遅延、低電力な信号伝送技術が求められている。光電コパッケージ技術は、超小型の光トランシーバを半導体パッケージ内部に集積しボトルネックとなっていた電気配線を除去する技術であり、信号伝送の劇的な性能向上につながると期待されている。本講座ではそのような光電コパッケージ技術のロードマップや世界的な動向について解説するとともに、弊所で進める次世代の光電コパッケージ技術を紹介する。

1.光電コパッケージ技術の概要
 1.1 背景
 1.2 光電コパッケージのロードマップ
 1.3 世界的な光電コパッケージの取り組み例
2.シリコンフォトニクス内蔵パッケージ基板の開発
 2.1 シリコンフォトニクス内蔵パッケージ基板の概要
 2.2 要素技術
  2.2.1 マイクロミラー
  2.2.2 シングルモードポリマー導波路
  2.2.3 光IC埋め込み技術
  2.2.4 光コネクタ
  2.2.5 熱解析
 2.3 試作と信号伝送評価結果
 2.4 今後の課題
3.まとめ
【質疑応答】

セミナー講師

1. 小川 憲介 先生   東京工業大学 工学院電気電子系 特任教授 理学博士 
2. 松本 怜典 先生   (国研)産業技術総合研究所 プラットフォームフォトニクス研究センター 主任研究員 博士(工学) 
3. 三上 修 先生   マレーシア工科大学 客員教授 工学博士  
4. 乗木 暁博 先生    (国研)産業技術総合研究所 プラットフォームフォトニクス研究センター 主任研究員 博士(工学) 

セミナー受講料

1名につき66,000円(消費税込・資料付き) 
〔1社2名以上同時申込の場合1名につき60,500円(税込)〕

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開催日時


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受講料

66,000円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込、会場での支払い

開催場所

全国

主催者

キーワード

光学技術   電子デバイス・部品   半導体技術

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