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ヒトにおける味覚・嗅覚の正確な理解に向けて!
最新の食物認知や香りの研究事例もご紹介します
セミナー趣旨
我々が日常で感じる「味」は「味覚」-つまり舌から入力される感覚と同一ではありません。しかしながら、それを味覚以外の感覚の関与を意識する機会はあまりありません。実際、医療の現場では味覚の低下を訴える患者の約半数に、味覚ではなく嗅覚の低下が認められるそうですが、これは「味」の知覚に味覚だけでなく嗅覚も深く関わっていることを示しています。
本講座では「味」に対して「味覚-舌経由の感覚」と「嗅覚-鼻経由の感覚」観点から、味嗅覚の一体感、相互作用について解説します。また、羊羹を用いた日独の異なる食文化における比較や脳機能計測からわかってきたこと(最新の食物認知や香りの研究)も紹介します。
受講対象・レベル
ヒトが味覚、嗅覚、食品をどのように認識をしているかに
ご興味をもっている方であればどなたでも歓迎します。
習得できる知識
1.ヒトにおける味覚・嗅覚の正確な理解
2.日常で感じている「味」の正体 => 相互作用と感覚統合への理解
3. 経験による味覚・嗅覚の知覚の変化
4.これらに関わる脳内メカニズム
セミナープログラム
1. 味覚について
(1)第一次味覚野の同定
(2)人間の強度評定のメカニズム
2. 嗅覚について
(1)受容機構
(2)嗅覚疲労
(3)語彙と嗅覚
3. 「味」とは?味覚と嗅覚の関係
(1)味覚と嗅覚の共通と差異
(2)相互作用-五感の中の味覚と嗅覚
4. 訓練パネルではなく、一般コンシューマーの
味覚・嗅覚の連続時間強度評定値の取得方法
(1)工夫ポイント装置
(2)工夫ポイントインストラクション
(3)本当に一般コンシューマーで評価ができているか?
5. 経験による香り認知の変化連続強度評定の値と摂取頻度
6. 食品における香りの役割、文化差の研究から
(1)強度と「気づきやすさ」
(2)羊羹を用いた後鼻腔香気の有無と「気づきやすさ」
(3)羊羹・マシュマロを用いた日独の食文化比較
7. 香りの記憶と違和感
8. 上記に関わる脳機能研究の紹介
セミナー講師
国立研究開発法人 産業技術総合研究所
人間情報研究部門 研究グループ長 博士(工学) 小早川 達 先生
【略歴】
1992年 東京大学工学部計数工学科卒業
1994年 同大学院工学系研究科計数工学専攻修士課程修了
通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所入所
(現国立研究開発法人産業技術総合研究所)
1999年 博士(工学)取得
2006年 産業技術総合研究所主任研究員
2016年 産業技術総合研究所 グループ長
【専門】
ヒトの味覚・嗅覚に関する研究が専門で、心理・心理物理学的手法、
ならびに脳活動の非侵襲計測法を用い、味覚・嗅覚の感覚認知統合過程の解明を目指している。
【本テーマ関連学協会での活動】
日本味と匂学会 運営委員会
国際味と匂学会 プログラム委員
セミナー受講料
1名41,800円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき30,800円
*学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。