Beyond5G/6G ・ミリ波対応に向けたメタマテリアル・メタサーフェスの技術開発動向と応用展開

★メタサーフェスの原理・特徴、作製方法と応用について解説!
★AMC基板の小型化と、金属上でも特性が低下しない小形・薄形のアンテナ(Amcenna) の技術について紹介!
★反射板を使ったカバレッジホール対策の取り組みを紹介!
★『透明メタサーフェス反射板』や、『液晶メタサーフェス反射板』と併せてカバレッジの課題についても紹介!
★メタマテリアル・メタサーフェスの根本原理を用いて光から音に展開し、実用化した音響メタマテリアルについて紹介!

セミナープログラム

第1部 メタマテリアル・メタサーフェスの基礎と応用展開
【11:00-12:15】

講師:東京農工大学 大学院 工学研究院 先端機械システム部門工学府 機械システム工学専攻 准教授 博士(工学) 岩見 健太郎 氏

【講演主旨】
 自然界にない光学特性を示す人工物質であるメタマテリアルは、製作の困難さから光の波長における製作例は少ない。一方リソグラフィ技術の進展によって、平面的な金属構造を容易に製作することが可能となった。特に金属ナノ構造で生じるプラズモン共鳴などの応答を自在に制御することで、極薄の光学素子を形成する研究が近年進展している。この分野はメタサーフェスと呼ばれ、メタマテリアルの中でも特に実用化に近い分野として期待されている。
 本セミナーでは、メタサーフェスの原理・特徴、作製方法と応用について述べる。

【プログラム】
1.メタマテリアルの基礎
 1.1 メタマテリアルとは
  1.1.1 物質の電磁場応答
  1.1.2 誘電率と透磁率
  1.1.3 負の屈折率と左手系物質
  1.1.4 なぜ自然界に負の屈折率はないのか
  1.1.5 メタマテリアルの歴史
 1.2 メタマテリアルの応用と作成方法
  1.2.1 スーパーレンズ
  1.2.2 光クローキング
  1.2.3 マイクロ波メタマテリアルの作成方法
  1.2.4 可視メタマテリアルの作成方法

2.メタマテリアルからメタサーフェスへ
 2.1 メタサーフェスの基礎と特徴的な光応答
  2.1.1 ナノホール配列と異常透過
  2.1.2 ナノスリットアレイの光透過
  2.1.3 ナノ粒子・ナノロッドの光応答
  2.1.4 プラズモニックナノアンテナ
  2.1.5 プラズモン共鳴とアンテナ共鳴はどう違うか
  2.1.6 電磁誘起透明化2.1.7 Mie 共振器
 2.2 メタサーフェスの設計・製作法
  2.2.1 電磁場シミュレーショ(FDTD,RCWA,COMSOL)
  2.2.2 リソグラフィとリフトオフ
  2.2.3 トップダウン加工法
  2.2.4 ボトムアップ加工法

3.メタサーフェスの応用
 3.1 メタサーフェス光学素子
  3.1.1 レンズ
  3.1.2 プラズモン収束レンズ
  3.1.3 偏光子と逆偏光透過
  3.1.4 光アイソレータ
  3.1.5 位相子・波長板
  3.1.6 ベクトルビーム生成
  3.1.7 ホログラフィ
  3.1.8 カーペットクローキング
  3.1.9 熱輻射制御
 3.2 可変メタサーフェス
  3.2.1 透過強度変調
  3.2.2 カラーフィルタ
  3.2.3 可変レンズ
  3.2.4 位相変調器
  3.2.5 キラリティ変調

4.まとめと今後の展望

【質疑応答】


第2部 メタマテリアル技術を応用した小形アンテナの開発と今後の展望
【13:00-14:15】

講師:京セラ(株) 研究開発本部 AKプロジェクト 内村 弘志 氏

【講演主旨】
 IoT(Internet of Things)センサーモジュールには小形かつ自由な設置場所が求められますが、金属表面ではアンテナ特性が劣化する問題点があります。そこで、メタマテリアルの1種である人工磁気導体(AMC:Artificial Magnetic Conductor)に着目しました。本セミナーでは、AMC基板の小型化と、そこから派生した金属上でも特性が低下しない小形・薄形のアンテナ(Amcenna) の技術についてストーリー形式で紹介します。また、Amcennaの弱点を改善した、高機能なコーナーショート平面アンテナについても紹介します。

【キーワード】
metamaterial, artificial magnetic conductor, amall antenna, electric wall, split ring resonator

【講演ポイント】
 この講演は、人工磁気導体や小形アンテナ(Amcenna)の単なる技術紹介ではありません。副題「天使が空から降ってくる」がついているのは、開発を諦めかけたときに体験したサクセスストーリーだからです。「天使が空から降ってくる。天使が見えるかは運しだい。天使を捕まえられるかは努力次第。」をあなたも是非体現してください。

【習得できる知識】
人工磁気導体の原理、人工磁気導体の小型化技術、小形アンテナの設計技術、コーナーショート平面アンテナの設計技術

【プログラム】
0.自己紹介

1.人工磁気導体(AMC)とは

2.IoTセンサーモジュールの開発目標と問題点

3.単位セルの小型化

4.数セルAMC+アンテナのシミュレーション

5.数セルAMCの特性

6.神様からのプレゼント

7.電気壁付AMC

8.Amcennaの誕生

9.Amcennaの特徴

10.コーナーショート平面アンテナ

11.まとめと今後の展開

【質疑応答】


第3部 反射板を用いたモバイルカバレッジ拡張への取組み
【14:30-15:45】

講師:(株)KDDI総合研究所 電波・周波数グループ 博士(工学) 松野 宏己 氏

【講演主旨】
 第5世代移動通信システム(5G)や次世代移動通信システム(Beyond 5G/6G)では、高速・大容量通信を実現するためにミリ波などの高い周波数の電波が使われます。電波は周波数が高くなると直進性が高くなり、ビルなどの遮蔽によって基地局の電波が届きにくい場所(カバレッジホール)が生じやすい問題があります。この対策として、反射板を使ってカバレッジホールに電波を届ける取り組みが注目されています。
 本講座では、KDDIにおける反射板を使ったカバレッジホール対策の取り組みを紹介します。特に、設置が目立たない『透明メタサーフェス反射板』や、電波の反射を制御する『液晶メタサーフェス反射板』について紹介するとともに、Beyond 5G/6G に向けたカバレッジの課題について紹介します。

【キーワード】
ミリ波、Beyond 5G /6G、反射板

【講演ポイント】
・ミリ波の特徴と反射板によるカバレッジ改善効果
・電波の反射方向を制御する世界初の液晶反射板

【習得できる知識】
高周波数帯の課題
反射板の特徴
Beyond 5G/6G に向けた取り組み

【プログラム】
●KDDIの5Gとミリ波の展開
●高周波無線のカバレッジ対策
●透明メタサーフェス反射板の開発
●反射方向を電気的に変えられる液晶メタサーフェス反射板
●Beyond 5G/6G に向けたカバレッジの課題

【質疑応答】


第4部 金属微粒子を用いたメタマテリアル・メタサーフェスの開発
【16:00-17:15】

講師:納谷ラボ 代表、慶應義塾大学 特任研究員、フリーサイエンティスト/ひかりがたりすと 博士(工学) 納谷 昌之 氏

【講演主旨】
 メタマテリアル・メタサーフェスは、従来の材料や構造では不可能と考えられていた物理特性を人工的微細構造によって実現する技術であり、その産業的価値は極めて大きい。本講演では、メタマテリアル・メタサーフェスの原理的な観点からその可能性、産業的価値を見通すとともに、可視・近赤外領域における光制御のために開発したメタサーフェスの実例を示す。そして、その根本原理を用いて光から音に展開し、実用化した音響メタマテリアルについて紹介を行う。

【プログラム】
1.メタマテリアル・メタサーフェスとは

2.メタマテリアルの産業的意義

3.ランダム分散メタマテリアルによる可視〜赤外制御光メタマテリアル

4.音響メタマテリアルへの展開

【質疑応答】

セミナー講師

第1部 東京農工大学 大学院 工学研究院 先端機械システム部門工学府 機械システム工学専攻 准教授 博士(工学) 岩見 健太郎 氏
【経歴】
2003年 東北大学 工学部 卒業
2008年 東北大学 大学院 工学研究科 博士後期課程 修了、博士(工学)
2005年〜2008年 日本学術振興会特別研究員(DC1)
2008年 東京農工大学 大学院 工学府 機械システム工学専攻 助教
2011年〜2012年 米国Stanford大学 Visiting Scholar
2012年 東京農工大学 大学院 工学研究院 先端機械システム部門工学府 機械システム工学専攻 准教授

第2部 京セラ(株) 研究開発本部 AKプロジェクト 内村 弘志 氏
【経歴】
1986年 鹿児島大学大学院 理学部 修士課程修了

第3部 (株)KDDI総合研究所 電波・周波数グループ 博士(工学) 松野 宏己 氏
【経歴】
2010年3月 横浜国立大学 博士課程後期 修了
2010年4月 KDDI(株) 入社
2010年10月 (株)KDDI研究所(現(株)KDDI総合研究所)出向
2015年10月 (株)国際電気通信基礎技術研究所 出向
2018年4月 (株)KDDI総合研究所 出向
【受賞】
2012年 電子情報通信学会アンテナ・伝播研究会 若手奨励賞 受賞
2021年 電波功績賞 受賞

第4部 納谷ラボ 代表、慶應義塾大学 特任研究員、フリーサイエンティスト/ひかりがたりすと 博士(工学) 納谷 昌之 氏

セミナー受講料

【1名の場合】55,000円(税込、テキスト費用を含む)
2名以上は一人につき、11,000円が加算されます。


※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


11:00

受講料

55,000円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込

開催場所

全国

主催者

キーワード

通信工学   ナノ構造化学   金属材料

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キーワード

通信工学   ナノ構造化学   金属材料

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