~次世代の自動車で゛使われる”プラスチックとは?~

軽量化、サーキュラーエコノミー対応、バイオマス複合材料(BFRP)…etc
自動車の未来を見通し、今後必要とされる樹脂材料・高分子複合材料とは何かを考えます
 自動車における高分子材料は今後どのような進展を見せるのだろうか?
 また、どのような特性、機能を持った材料が求められるようになるのだろうか?
 自動車産業における樹脂材料・高分子複合材料の"2023年以降"について、自動車メーカーで研究開発を担った経験を持つ専門家、大庭塾代表の大庭敏之氏(元 日産自動車)、金沢工業大学教授の影山裕史氏(元 トヨタ自動車)の2人が考え、語ります。

セミナー趣旨

第1部 今後の自動車と求められるプラスチック材料の動向

 2015年のパリ協定以降、世界は共通認識として温暖化の懸念、そのためには2050年に温暖化ガス排出を実質的にゼロにしていく目標に向かって急激に動き出している。自動車産業にとっても化石燃料に頼っていた時代からの変革も求められている。欧州はじめ中国でもこのところの電気自動車の伸びはものすごいものがある。この新しい局面の中で自動車はどう変化していくのか、そのために求められるプラスチックの姿はどう変化していくのか、さらにはごみ問題から始まったサーキュラーエコノミーの考えも含めてプラスチックへの期待に触れてみたい。


第2部 将来のモビリティにおける高分子複合材料 ―期待と普及のためには-

 2050年カーボンニュートラルのためには、まず、自動車を取り巻く環境の変化を理解し、将来の自動車の姿を予想し、構成材料のあるべき姿と現状の位置づけを把握し、課題を整理したうえで材料開発の戦略を立てることが重要となる。緊急の走行時のCO2排出量低減のためには、軽量化が重要であり、CFRPなどの軽量高強度の高分子複合材料が期待されることになる。更には、素材、部品、車両製造時と廃棄時のCO2排出量低減の課題が残されており、軽量化だけではなく、本格的なLCA対応が急務となるはずである。その対応として、カーボンニュートラルのバイオマスプラスチックへの期待が高まっている。
 そのバイオマスプラスチックの歴史は古いが、総じて強度が低く、普及には多くの課題解決が必要である。同じバイオマスのセルロースナノファイバー等の強化や金属を含めたマルチマテリアル化による信頼性やコストの改善などが有効になると考えている。更に様々な観点から見つめることにより、高分子複合材料が将来モビリティの主流になるためにはどうすれば良いかを議論してみたい。

受講対象・レベル

・地球温暖化に対して興味のある方、エネルギー問題に興味のある方
・次世代車のエネルギーと効率について関心のある方
・次世代車におけるプラスチックの使い方について興味のある技術者
・プラスチック使用による軽量化効果について興味のある技術者
・今後の自動車の動向に興味のある方
・将来の自動車に興味のある方(自動車の知識は必要なし)
・将来の材料に興味の在り方(材料知識は必要なし)
・将来の経済、社会発展に貢献を考えられている方々

習得できる知識

第1部 今後の自動車と求められるプラスチック材料の動向

 ・自動車に使用されるプラスチック材料の変遷
 ・温暖化防止に対しての自動車の方策
 ・次世代自動車に対してのプラスチックの役割
 ・軽量化に対してのプラスチックの役割
 ・CFRPとの軽量化効果と課題
 ・今後の内装用プラスチック材料の課題
 ・サーキュラーエコノミーから見たプラスチック
 ・次世代車のエネルギー効率


第2部 将来のモビリティにおける高分子複合材料 ―期待と普及のためには-

・将来の自動車の考え方
 ・スマートシティとスマートモビリティ
 ・カーボンニュートラルやLCAの考え方
 ・カーボンニュートラルのバイオマスプラスチック複合材料(BFRP)
 ・BFRP改善と普及の考え方
 ・LCA改善CFとセルロースナノファイバーによるBFRPの強化(HP-BFRP)
 ・マルチマテリアル化による信頼性、コスト改善の考え方
 ・ムリ無駄むらの無いHP-BFRPのリサイクル技術
 ・経済、社会発展とHP-BFRP

セミナープログラム

第1部 今後の自動車と求められるプラスチック材料の動向

1.大転換期における自動車はどうなる

 1.1 世界は温暖化防止ガス排出実質ゼロへ
 1.2 温暖化防止のためのクルマの取り組み

2.自動車に使われるプラスチックの変化

3.電動化に対してのプラスチックの適用
 3.1 リチウムイオン電池へのプラスチック
 3.2 熱制御にための高熱伝導絶縁材料

4.軽量化に対してのプラスチックの役割
 4.1 モジュール化へのプラスチック適用に対しての効果
 4.2 CFRPによる軽量化効果
 4.3 マルチマテリアルへの期待と接着剤の貢献

5.内装用プラスチックは高級化への期待
 5.1 五感に訴えるプラスチックの追求
 5.2 成形方法の工夫で特性を活かす

6.サーキュラーエコノミーへの取り組み
 6.1 改めてみるリサイクルの必要性
 6.2 方策としてみるバイオプラスチック

7.まとめ(2050年における自動車の姿)
 7.1 エネルギー効率から見た次世代車
 7.2 プラスチックに対しての期待

8.質疑応答


第2部 将来のモビリティにおける高分子複合材料 ―期待と普及のためには-

1.自動車を取り巻く環境の大変化
  カーボンニュートラル宣言
  多目的モビリティへの要求拡大(CASE、地域スマートシティ対応)

2.モビリティ材料への要求
  LCA観点(軽量、省エネ、脱化石、長寿命化等)とコストの追求 
    ・既存車両の性能向上 ⇒ 金属、CFRPの高寿命化と適材適所配置
    ・新規多目的モビリティ ⇒ 超軽量バイオマス複合材料(BFRP)の挑戦

3.BFRPの現状と課題
    超軽量バイオマス複合材料(BFRP)の現状、期待と課題
    ・現状;BFRP ⇒ 歴史は古い。 モータースポーツ車両等で最近注目
    ・期待;カーボンニュートラル(CN) ⇒ 廃棄時のCO2排出がほぼゼロ       
    ・課題;強度が低い ⇒ 完全BFRPが普及しない(完全CNでない)

4.HP-BFRPの期待と普及
  世界をリードする高性能バイオマス複合材料(HP-BFRP)の開発
     ・超軽量高強度グリーン強化繊維とのコラボ(①CF ②CNF など)
   ・機能成分とのコラボ(難燃、抗菌、磁性、におい、触感、CNF機能など)
   ・他材とのコラボ(①CFRP ②CNF ③金属 など)
   ・自然とのコラボ(CNリサイクル・廃棄)
   ・地域とのコラボ(地域循環型社会、ビジネスモデル戦略、省エネ生産方式など)

5.質疑応答

セミナー講師

第1部 今後の自動車と求められるプラスチック材料の動向 (12:20~14:20)
大庭塾 代表 大庭 敏之 氏
(元 日産自動車)
【略歴】
1969年  東北大学 応用化学科卒 石油化学専攻
1969年  日本合成ゴム(株) (現 JSR) 入社
     ・開発部で新材料の評価、製品研究所で技術サービス
1976年  日産自動車株式(株)入社 中央研究所材料研究部配属
     ・ゴム部品の開発(ホース、ブレーキカップ、ウェザーストリップなど)
     ・プラスチック材料開発(バンパー材料、外板)
1989年~ 材料技術部でプラスチック、ゴム、信頼性など担当
     ・プラスチック材料開発(バンパー材料、燃料タンク、外板)
     ・高分子材料の信頼性向上技術
     ・プラスチックのリサイクル、環境負荷物質の低減、等環境問題
1995年~2000年 自動車工業会 リサイクル推進委員会 技術分科会 副主査
1998年~2009年 東京理科大学工学部機械工学科で「工業材料学」を教える
2007年 定年退職後、品質(材料DRレビュア)や環境技術など
2012年~ 完全に退職。大庭塾を立ち上げ若手技術者の育成活動を行う

第2部 将来のモビリティにおける高分子複合材料 ―期待と普及のためには― (14:30~16:30)
金沢工業大学 大学院工学研究科 高信頼ものづくり専攻 教授 影山 裕史 氏
(元 トヨタ自動車)
【略歴】
 東京工業大学有機材料工学 修士課程修了後、トヨタ自動車株式会入社。東富士研究所にて軽量ボデーやユニット材料の自動車軽量材料の研究開発、またバイオプラスチックスの応用研究に従事。その後、2002年、本社技術部にてレクサスLFAのCFRPボデーの開発から量産技術開発等を務めた。2014年、定年と同時に金沢工業大学・大学院高信頼ものづくり専攻教授に就任。現在講義のほか、政府系プロジェクト(環境省NCVプロジェクトSPL、NEDO革新的新構造材料等開発研究プロジェクトSPL)や省庁の委員等、また企業との共同研究やコンサルティングに従事。

セミナー受講料

※お申込みと同時にS&T会員登録をさせていただきます(E-mail案内登録とは異なります)。

49,500円( E-mail案内登録価格46,970円 )
E-Mail案内登録なら、2名同時申込みで1名分無料
2名で 49,500円 (2名ともE-mail案内登録必須/1名あたり定価半額24,750円)

【1名分無料適用条件】
※2名様ともE-mail案内登録が必須です。
※同一法人内(グループ会社でも可)による2名同時申込みのみ適用いたします。
※3名様以上のお申込みの場合、1名あたり定価半額で追加受講できます。
※請求書(PDFデータ)は、代表者にE-mailで送信いたします。
※請求書および領収証は1名様ごとに発行可能です。
 (申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。)
※他の割引は併用できません。

※テレワーク応援キャンペーン(1名受講)【Live配信/WEBセミナー受講限定】
1名申込みの場合:39,600円 ( E-Mail案内登録価格 37,620円 )
※1名様でLive配信/WEBセミナーを受講する場合、上記特別価格になります。
※他の割引は併用できません。

受講について

Zoom配信の受講方法・接続確認

  • 本セミナーはビデオ会議ツール「Zoom」を使ったライブ配信となります。PCやスマホ・タブレッドなどからご視聴・学習することができます。
  • 申込み受理の連絡メールに、視聴用URLに関する連絡事項を記載しております。
  • 事前に「Zoom」のインストール(または、ブラウザから参加)可能か、接続可能か等をご確認ください。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー中、講師へのご質問が可能です。
  • 以下のテストミーティングより接続とマイク/スピーカーの出力・入力を事前にご確認いただいたうえで、お申込みください。
    ≫ テストミーティングはこちら

配布資料

  • 製本テキスト(開催前日着までを目安に発送)
    ※セミナー資料はお申し込み時のご住所へ発送させていただきます。
    ※開催まで4営業日~前日にお申込みの場合、セミナー資料の到着が開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。

※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


12:20

受講料

49,500円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込 または、当日現金でのお支払い

開催場所

全国

主催者

キーワード

自動車技術   高分子・樹脂材料   炭素系素材

※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


12:20

受講料

49,500円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込 または、当日現金でのお支払い

開催場所

全国

主催者

キーワード

自動車技術   高分子・樹脂材料   炭素系素材

関連記事

もっと見る