
リビングラジカル重合を用いた材料開発事例
工業化が難しいとされるリビングラジカル重合を利用したポリマー設計事例を先進企業が徹底解説します!
※一部スケジュールに変更がございます。ご確認ください。(12/13)
セミナープログラム
【10:00-11:45】
1.リビングラジカル重合の基礎と高分子合成への応用
京都大学 大学院工学研究科 高分子化学専攻 博士(工学) 寺島 崇矢 氏
【習得できる知識】
・重合反応、リビングラジカル重合、高分子合成に関する基礎知識
・リビングラジカル重合を用いた高分子合成とそのノウハウ
・構造を制御した高分子材料の設計および物性や機能など最先端の研究例
・リビングラジカル重合で構造を制御した自己組織化高分子材料の設計
【講座趣旨】
リビングリビング重合は、高分子の分子量や末端基構造、モノマー配列(ブロック共重合体)、分岐構造(星型ポリマー)などの一次構造を制御でき、かつ極性官能基をもつ機能性モノマーの直接重合が可能というラジカル重合の特性を併せ持つため、機能性高分子の合成に有効な手法です。今では、リビングラジカル重合を用いると、狙いの構造や特性をもつ高分子を自由に設計できる時代になりつつあります。 本講座では、リビングラジカル重合の基礎知識からこの重合法を用いた精密高分子合成、構造を制御した高分子材料設計、自己組織化高分子など最先端の研究例に加え、実際にリビングラジカル重合を使う上での注意点やノウハウなど、幅広くご説明いたします。リビングラジカル重合や精密高分子合成に関する本講演が機能材料開発の一助となれば幸いです。
1.リビングラジカル重合の基礎
1.1 通常の連鎖重合や逐次重合とリビング重合の違い
1.2 リビング重合による高分子合成と一次構造の制御
1) ラジカル重合とイオン重合の特徴、重合活性種とモノマー種
2) リビングアニオン重合の発見と精密高分子合成
1.3 リビングラジカル重合
1) フリーラジカル重合の基礎:開始剤と二分子停止反応
2) ドーマント種の導入によるリビング重合の実現とその例
a)ニトロキシドを用いた重合
b)原始移動ラジカル重合(ATRP)
c)可逆的付加開裂連載移動(RAFT)重合
2.リビングラジカル重合を用いた高分子合成:一次構造制御と物性機能
2.1 重合の仕込み方と必要なセットアップ
2.2 高分子の分子量制御と構造解析:
サイズ排除クロマトグラフィー、1H NMR、質量分析(MALDI-TOF-MS) による分子量や末端基構造、末端基導入率の決定
2.3 ランダム,交互,グラジエント,ブロック共重合体の合成と物性
1) モノマー反応性比による組成分布や連鎖配列の違い
2) エステル交換を利用したグラジエント共重合体の合成
3) 連鎖配列が熱物性や相分離挙動に与える影響
2.4 末端・局所機能化ポリマーの合成と機能化
2.5 星型ポリマーの合成とナノ空間による機能
1) 分岐ポリマー・星型ポリマーの合成方法、種類と特徴
2) 星型ポリマーナノカプセルによる化合物の捕捉と徐放
2.6 環化ポリマーの合成とナノ空孔による分子認識
3. 両親媒性ランダム共重合体の自己組織化:集合構造制御による材料設計
3.1 ミセルの精密構築と制御、特徴
1) ブロック共重合体ミセルとランダム共重合体ミセルの違い
2) リビング重合を生かしたミセルのサイズや会合数の制御
3.2 自己修復性/選択的接着性ハイドロゲル
3.3 Sub-10 nmミクロ相分離材料とナノ構造材料
【質疑応答】
【12:45~14:15】
2.RAFT重合による機能性高分子の精密合成と応用例
山形大学 大学院有機材料システム研究科 教授 博士(工学) 森 秀晴 氏
【講座趣旨】
可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT: Reversible Addition-Fragmentation Chain Transfer)重合は、適応できるモノマーや重合条件が幅広く、また多様な分子設計が可能なことから、機能性ポリマーの精密合成手法として現在幅広く用いられている。本セミナーでは、このRAFT系リビングラジカル重合の基礎を述べた後、多種多様な機能・特性を有する高分子材料の精密合成と応用展開について具体例を挙げて解説する。
1.可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合の基礎
1-1 RAFT重合の機構
1-2 RAFT重合の特徴と課題
1-3 連鎖移動剤の設計・合成
1-4 モノマー・重合系の選択
2.RAFT重合による特殊構造ポリマーの合成と応用展開
2-1 ブロック・グラフト共重合体
2-2 多分岐ポリマー
2-3 ハイブリッド材料
2-4 末端変換による機能化
3.RAFT重合による機能性ポリマーの合成と応用展開
3-1 水溶性ポリマー・高分子電解質
3-2 刺激応答性ポリマー
3-3 電子・光機能性ポリマー
3-4 エネルギー関連材料
3-5 アクリル系材料・エラストマー
3-6 実用化の動向
【質疑応答】
【14:25~15:25】
3.リビングラジカル重合を用いたブロックポリマー化によるフッ素系界面活性剤の高性能化
DIC(株) 加工技術本部 加工技術3グループ グループマネジャー 鈴木 秀也 氏
【習得できる知識】
・リビングラジカル重合の基礎
・表面張力の基礎
・フッ素系界面活性剤の機能
・レベリング剤の働き
・フッ素系界面活性剤による撥水撥油性の向上
・リビングラジカル重合を用いたブロックポリマー化によるフッ素系界面活性剤の高性能化事例
【講座趣旨】
リビングラジカル重合法ではブロックポリマーを合成することが可能である。その重合法をフッ素系界面活性剤の高性能化に応用した事例について、リビングラジカル重合とフッ素系界面活性剤の基礎とともに紹介する。
1.リビングラジカル重合の基礎
1.1 フリーラジカル重合とリビングラジカル重合の違い
1.2 代表的なリビングラジカル重合の種類
1.3 ATRP法の概要
1.4 RAFT法の概要
1.5 リビングラジカル重合によるブロックポリマーの合成法
2.フッ素系界面活性剤の基礎
2.1 表面張力とは
2.2 表面張力とコーティングの関係
2.3 分子構造と表面張力の関係
2.4 フッ素系界面活性剤による表面張力低下の原理
2.5 フッ素系界面活性剤による濡れ性向上の仕組み
2.6 フッ素系界面活性剤の添加量と効果発現の関係
2.7 フッ素系界面活性剤によるレベリング性の発現
2.8 フッ素系界面活性剤による撥水撥油性の向上
3.ブロックポリマー化によるフッ素系界面活性剤の高性能化事例
3.1 ブロックポリマー化による表面張力の変化
3.2 ブロックポリマー化によるレベリング性の向上
3.3 ブロックポリマー化による撥水撥油性の向上
【質疑応答】
【15:35~16:35】
5.リビングラジカル重合による開発事例と濃厚ポリマーブラシへの展開
大日精化工業(株) 合成研究本部 本部長 嶋中 博之氏
【講座の趣旨】
リビングラジカル重合は分子量と構造の制御が可能であり、機能性ポリマーとして各社で開発が進んでいる。本講座では、当社が検討しているリビングラジカル重合を活用した開発事例と、その発展として濃厚ポリマーブラシの検討を行っているのでその研究開発について解説する。
1.リビングラジカル重合概要
1.1 リビングラジカル重合とは
1.2 リビングラジカル重合の種類と特徴
1.3 市場活用例
2.有機触媒型リビングラジカル重合について
2.1 可逆的移動触媒重合(RTCP)法
2.2 可逆的触媒媒介重合(RCMP)法
2.3 重合機構と特徴
3.開発事例
3.1 顔料分散剤
3.2 バインダー
4.濃厚ポリマーブラシについて
4.1 濃厚ポリマーブラシの概要
4.2 合成方法と物性
4.3 濃厚ポリマーブラシ効果
4.4 低摩擦性と応用
4.5 サイズ排除特性と応用
【質疑応答】
セミナー講師
1.京都大学 大学院工学研究科 高分子化学専攻 博士(工学) 寺島 崇矢 氏
2.山形大学 大学院有機材料システム研究科 教授 博士(工学) 森 秀晴 氏
3.DIC(株) 加工技術本部 加工技術3グループ グループマネジャー 鈴木 秀也 氏
4.大日精化工業(株) 合成研究本部 本部長 嶋中 博之 氏 氏
セミナー受講料
1名につき 66,000円(消費税込、資料付)
〔1社2名以上同時申込の場合のみ1名につき60,500円〕
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受講料
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