折りたたみ(フォルダブル)・ローラブル・フレキシブルOLED(有機EL)の開発を支える各種フィルム部材・素材・プロセスの開発動向と将来展望

★フレキシブル有機ELの基礎から最新のフォルダブル技術、ローラブル技術の動向などについて説明し、それを支える要素技術、部材、素材、プロセス、評価技術などを紹介!
★中立面設計を用いた粘着層弾性率調整による曲げ強度向上や、曲げ強度向上と鉛筆硬度向上の間トレードオフ関係とは?
★ロールスライドとローラブルOLED技術、ローラブルの構造とは?フィルム基板の開発状況とは?

セミナープログラム

第1講 折りたたみ・ローラブル・フレキシブルOLEDディスプレイの技術・市場動向と展望

【13:30-14:45】

講師:(株)サークルクロスコーポレーション フェローアナリスト 小野 記久雄 氏

【講演キーワード】
折りたたみ フォルダブル ローラブル スライド フレキシブル 有機EL OLED ディスプレイ 曲げ強度 鉛筆硬度 繊維強化プラスチック Galaxy Fold  Flip

【講演のポイント】
折りたたみ(フォルダブル)パネルのフィルム積層での粘着層弾性率調整による曲げ強度向上の基礎から、2022年最新スマホ搭載モジュールに対し、曲げ強度と鉛筆硬度向上視点で、新規搭載の繊維強化プラスチックの役割含め、製品技術まで解説。

【講演のポイント】
1.2022年最新のフォルダルOLED製品とスマートフォン用フレキシブル、フォルダブル、ローラブルOLEDの市場動向
2.フォルダブルOLEDで使われるフィルムと粘着層多層膜の曲げ強度向上技術の基礎となる中立面設計
3. 2019年発売のGalaxy Z Foldから2022年最新のGalaxy Z Fold4、Z Flip4に至るフォルダブルOLEDモジュールの構造とその進化
4. 上記製品に搭載されるモジュール構造におけるペン及び電磁誘導デジタイザ導入に関する知識と繊維強化プラスチック導入の内容
5.将来技術であるロールスライド、ローラブルのモジュール構造、ローラブルOLEDの曲げ強度、静電気対応技術の三星ディスプレイによる学会発表解析事例

【講演趣旨】
 折りたたみ(フォルダブル)製品は、スマホ用として透明ポリイミドカバーを用いたフレキブルOLEDに始まりその後薄型ガラス(UTG)が発売、本年17形ノートPCも登場した。曲げ強度向上が不可欠でフィルムと粘着層弾性率を調整する中立面設計が導入された。本講演では、これらパネル技術が搭載のフォルダブル製品としてGalaxy Z Foldモジュールを取り上げその進化を解説する。鉛筆硬度低下で、ペン対応デジタイザ―が導入されなかったが、ペン改良や繊維強化プラスチック導入で可能になった。最後に、将来技術のスライド、ロールOLED曲げ強度の解析事例を紹介する。

【講演プログラム】
1. 2022年フォルダブルOLED搭載製品および市場動向
2. フォルダブルOLEDの曲げ強度および鉛筆硬度向上の基本技術
 2-1 中立面設計を用いた粘着層弾性率調整による曲げ強度向上
 2-2 曲げ強度向上と鉛筆硬度向上の間トレードオフ関係
3. Galaxy製品技術に見るフォルダブルOLEDモジュールの構造進化
 3-1 曲げ部に金属板網目構造を用いたGalaxy Z Fold2
 3-2 Sペン電磁誘導デジタイザ採用へ向けFRP(繊維強化プラスチック)を導入  
 3-3 フォルダブルモジュールから金属板を無くした最新Galaxy Z Fold4
 3-4 クラムシェル型Galaxy Z Flip4のフォルダブルモジュール構造
4. ロールスライドとローラブルOLED技術
 4-1 特許公報に見るロールスライドとローラブルの構造
 4-2 三星ディスプレイ開発事例:ローラブルOLEDでの曲げ強度、静電破壊対策

【質疑応答】


第2講 折りたたみ・ローラブル・フレキシブルOLED(有機EL)の基礎と各種部材・素材・プロセスの開発動向・将来展望

【14:55-16:10】

講師: 山形大学 有機エレクトロニクスイノベ―ションセンター 産学連携教授 向殿 充浩 氏(元・シャープ(株)) 

【講演キーワード】
有機EL、フレキシブル、フォルダブル(折りたたみ)、ローラブル(巻き取り)、フレキシブル基板、ガスバリア、封止

【講演のポイント】
講演者は液晶、有機ELのエキスパートであり、基礎技術から実用化技術、事業動向まで幅広い知識を保有しています。
本講演では、フレキシブル有機ELの基礎からフォルダブル・ローラブル有機ELの実用技術、さらには事業動向も含めて紹介します。

【習得できる知識】
・フレキシブル有機ELの基礎
・フレキシブル有機ELの技術動向、事業動向
・フレキシブル基板技術
・ガスバリア性評価技術
・ガスバリア技術
・フレキシブル封止技術
・フォルダブル・ローラブル有機ELの動向と要素技術

【講演趣旨】
 有機ELはディスプレイ分野での主役になりつつあり、特にスマートフォン、大画面4K高品位テレビなどでは液晶ディスプレイを凌駕するまでに至っています。
このような有機ELの事業拡大の中で大きな役割を果たしているのがフレキシブル技術であり、今後その動きをさらに加速することになるのがフォルダブル技術(折りたたみ型)、ローラブル技術(巻き取り型)などです。
本セミナーでは、フレキシブル有機ELの基礎から最新のフォルダブル技術、ローラブル技術の動向などについて説明し、それを支える要素技術、部材、素材、プロセス、評価技術などを紹介します。

【講演プログラム】
1. フレキシブル有機ELの基礎
 1.1 有機ELの基礎
 1.2 フレキシブル有機ELの特長
 1.3 フレキシブル有機ELの製造方法
 1.4 フレキシブル有機ELの技術動向、事業動向
2. フレキシブル有機ELを支える要素技術
 2.1 フレキシブル基板技術
 2.2 ガスバリア技術
 2.3 フレキシブル封止技術
3. フォルダブル・ローラブル有機EL
 3.1 フルダブル・ローラブル有機ELの動向
 3.2 フルダブル・ローラブル有機ELの要素技術
4. おわりに

【質疑応答】


第3講 高耐熱・低CTEポリイミドフィルムのフレキシブルディスプレイへの応用

【16:20-17:35】

講師: 東洋紡(株) 総合研究所 主幹 前田 郷司 氏

【講演キーワード】
 フレキシブルディスプレイ ポリイミド ゼノマックス XENOMAX

【講演のポイント】
大サイズのフレキシブルディスプレイ用基板としての実績がある高耐熱・低CTEポリイミドフィルム「XENOMAX(登録商標)」の開発過程と要求性能を実現するための基本的考え方について、および、既存のインフラ(:フレキシブルではないディスプレイの製造ライン)を最大限に活用してフレキシブルディスプレイを作製する手法について、さらに、折りたたみ・ローラブルディスプレイを実現するための課題について解説する。

【習得できる知識】
ポリイミドの基礎
ポリイミドフィルムの製法
高分子フィルの物性発現メカニズム
フレキシブルディスプレイの実際の製法
高屈曲耐久性実現のための基本的考え方

【講演趣旨】
 フレキシブルディスプレイ用の基板材料には高い表面平滑性と寸法安定性が求められ、一般の高分子フィルム材料では適用が困難である。本講演では、ディスプレイ基板としての要求特性を満たす高分子(主に高耐熱・低CTEポリイミド)フィルム作製のための基本的考え方、および高分子フィルムを用いたフレキシブルディスプレイの製造プロセスと実際に製作されたフレキシブルディスプレイの紹介、折りたたみ・ローラブルディスプレイ実現のための課題について解説する。

【講演プログラム】
1.フレキシブルディスプレイ用基板への要求特性
 1-1.LCD、OLED、E-paperの構造比較
 1-2.要求される表面平滑性レベル
 1-3.要求される寸法安定性
2.高分子フィルム基板材料のプロセシング
 2-1.ポリイミドの基本構造
 2-2.高分子フィルムの製造工程
3.高分子フィルム基板の寸法安定性
 3-1.分子配向と線膨張係数
4.高分子フィルム基板の表面特性
 4-1.滑剤粒子役割と転化方法
5.フレキシブルディスプレイ製造のための基板プロセス
 5-1.Coating-Debonding法
 5-2.Bonding-Debonding法
6.折りたたみ・ローラブルディスプレイ実現のための課題
7.まとめ

【質疑応答】

セミナー講師

第1部 (株)サークルクロスコーポレーション フェローアナリスト 小野 記久雄 氏

【著作・受賞・経歴】
1982年、日立製作所日立研究所に入所。半導体IC、LTPS開発に従事。
1993年、日立製作所電子管事業部(後の日立ディスプレイズ)へ異動。TFT-LCD開発。特にTV用IPS-LCDの開発を主な担当とする。
2009年パナソニック液晶ディスプレイ株式会社へ異動。FPD技術調査(LCD、OLED、QLED、μLEDなど)を行う。
2017年末退職。2018年1月よりサークルクロスコーポレーションFellow Analyst就任。
共同著書に、Edited by S. Ishihara et. al., “High Quality Liquid Crystal
Displays and Smart Devices” IET(UK) (2019).
主な受賞歴に、2013年公益社団法人発明協会「全国発明表彰」発明賞、2015年「文部科学大臣表彰 科学技術賞(開発部門)」受賞テーマ「広視野角で低消費電力を実現したIPS方式液晶パネルの開発」がある。
その他、日本、米国登録特許457件保有、特許分析に精通している。

第2部 山形大学 有機エレクトロニクスイノベ―ションセンター 産学連携教授 向殿 充浩 氏(元・シャープ(株)) 

【経歴】
・1983年 大阪大学 大学院 工学研究科 博士課程修了 工学博士
・1983年~2012年 シャープ株式会社
(TFT液晶、強誘電性液晶、インクジェット方式有機EL等の研究開発)
・2012年~ 山形大学(フレキシブル有機EL等の産学連携研究開発)

【受賞】
・2022年 有機EL討論会第15回業績賞(団体賞)
・2017年 内閣府第15回産学官連携功労者表彰「科学技術政策担当大臣賞」
・2005年 日本液晶学会, 著作賞

【著作】
・M. Koden, “Flexible OLEDs – Fundamental and Novel Practical Technologies” (Springer Nature) in press (2022).
・M. Koden, “OLED Displays and Lighting” (Wiley; IEEE Press) (2017).
・K. Takatoh, M. Hasegawa, M. Koden, N. Itoh, R. Hasegawa, M. Sakamoto, “Alignment Technologies and Applications of Liquid Crystal Devices” (Taylor & Francis) (2005).
・仲森智博, 佐野健二, 向殿充浩, 篠田傳, 筒井哲夫, 「夢!化学-21」, 『テレビが変わる-化学の役割』(日本化学会監修;丸善)(1999).

第3部 東洋紡(株) 総合研究所 主幹 前田 郷司 氏

【著作・受賞・経歴】
2018年、2021年 IEC 1906 Award,
2020年IPC Special Recognition Award

セミナー受講料

【1名の場合】44,000円(税込、テキスト費用を含む)
2名以上は一人につき、11,000円が加算されます。


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13:30

受講料

44,000円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

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全国

主催者

キーワード

電子デバイス・部品   半導体技術   高分子・樹脂加工/成形

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