サーマルインターフェースマテリアル(TIM)・高放熱材料の開発動向と要求特性・車載機器などへの応用展開

★ギャップフィラーをはじめとする高い放熱特性と高い信頼性を併せ持った放熱材料(放熱グリース、放熱シート、放熱パッド等)を紹介!
★パワーデバイスをはじめとする高放熱が必要な車載機器(ECU)等に向けた熱対策とTIM・高放熱材料への要求特性
★窒化物フィラーの特徴と最近の技術開発動向とその使い方!うまく活用する方法、評価方法とは?

セミナープログラム

第1講 車載機器(ECU)等に向けた熱対策とTIM・高放熱材料への要求特性

【13:00-14:15】

講師:(株)フジデリバリー 代表取締役社長&CEO 篠田 卓也 氏

【講演キーワード】
これから熱設計をスタートされる最初の心得
車載電子機器や基板の高精度な伝熱解析
伝熱設計の最適化

【講演のポイント】
エンジン制御、ナビのコンピュータ開発を従事後、エレ専用の伝熱技術とコンサル組織を構築。エレ、メカ設計で実験と解析の高度化を進め、70%以上の設計コストを効率化可能なノウハウを解説する。

【講演趣旨】
 自動車業界に関わらず、家電や産業機器、材料など様々な業界で、熱技術の検証が乏しいまま、モノづくりが進行していくことは少なくない。理由は、伝熱の良し悪しは作ってみないと判断がつかないからだ。解析技術は、実験値との乖離を削減すれば、設計利用が思いのほか加速する。電子機器の熱対策伝熱設計にフォーカスすると、相互の乖離を検証するノウハウがあれば、開発工数78%カット、開発スピード2倍以上は想定可能である。つまり、電子機器の熱対策は、開発・設計のDX化によることで、他社に伝熱技術の遅れをとらないようにすること、費用対効果の向上が得られると解釈できる。

【講演プログラム】
1.電子機器の伝熱設計概要
 1-1 熱技術のプロセス革新 
 1-2 成立する検討項目
 1-3 解析作業の流れ
 1-4 事業に重要なコンセプトの形成
2.電子機器の伝熱解析
 2-1 伝熱解析を活用したレイアウト設計
 2-2 伝熱解析のECUモデリング
 2-3 解析と実測の合わせ込み
 2-4 解析値と実験値の比較結果
 2-5 モデリングの高精度化
3.伝熱解析と最適化連成
 3-1 最適化とは
 3-2 自動化手順とポスト処理機能一例
 3-3 最適化の手法
 3-4 【事例1】 素子レイアウトの最適化
 3-5 【事例2】 発熱素子許容範囲の外部条件
 3-6 【事例3】 フィン設計最適化

【質疑応答】


第2講 シリコーン放熱材料(ギャップフィラー)の技術・開発動向

【14:30-15:45】

講師: 信越化学工業(株) シリコーン電子材料技術研究所 第二部開発室 多畑 勇志 氏

【講演キーワード】
低熱抵抗率、接触熱抵抗、熱伝導性フィラー、耐熱性

【講演趣旨】
 放熱材料は電子部品等の発熱部位と冷却システムの間に存在する隙間を埋め、効率的に熱を逃がすことが可能な材料である。
電子機器の小型化・高集積化に伴い、実装部品の発熱量は増加傾向にあることから、熱対策として放熱材料の需要は高まっている。また、車の電動化や自動運転化に伴い、車への電装部品の積載が進んでおり、車載用途として高い信頼性の要求に耐えうる放熱材料が求められている。
 当社は耐熱性・耐候性・耐寒性・柔軟性といった特徴を有するシリコーンをベースに用いた放熱材料を開発している。
 本講座の前半では『シリコーンの特性』や放熱材料を扱う上で必要な知識である『放熱特性の指標』や『放熱材料を高性能化させるアプローチ』について紹介する。後半は当社が展開する高い放熱特性と高い信頼性を併せ持った放熱材料のラインナップ(ギャップフィラー、放熱グリース、放熱シート、放熱パッド等)を紹介する。

【講演プログラム】
1.シリコーン放熱材料の概要
 1-1 放熱材料の役割
 1-2 放熱特性の指標
 1-3 シリコーンの特性
2.シリコーン放熱材料の高性能化アプローチ
 2-1 高熱伝導率化(熱伝導性フィラーの最適化)
 2-2 接触熱抵抗の低減
3.シリコーン放熱材料の技術・開発動向
 3-1 当社液状放熱材料(ギャップフィラー・放熱グリース)の紹介
 3-2 当社加工品(高硬度シート・低硬度パッド・フェイズチェンジマテリアル)の紹介

【質疑応答】


第3講 TIM向け放熱フィラーの開発と上手な使い方

【16:00-17:15】

講師: (株)トクヤマ 放熱材営業部 主席 金近 幸博 氏

【講演のポイント】
 高熱伝導材料である窒化物フィラーとその応用技術について紹介する。窒化物材料の応用展開に興味のある方、お困りの方に取扱い方法について解説する。

【講座主旨】
 近年、電子デバイスの小型化や高密度実装化が進み、その発熱対策は緊急の課題となっている。窒化物フィラーは、高い熱伝導性と電気絶縁性を併せ持つことから種々の電子デバイスの高放熱絶縁樹脂材料の放熱フィラーとして市場から期待されている。素子の温度上昇は、特性変化や信頼性の低下を引き起こす要因となるため、素子からの放熱対策は重要である。電子デバイス用部材にはセラミックスや樹脂などの絶縁材料が使用されているが、その全ての部材の熱抵抗を低減することが求められている。特に熱抵抗となりやすい樹脂材料の高熱伝導化のために窒化物フィラーが注目されている。
 本講演では、窒化物フィラーの特徴と最近の技術開発動向について議論する。

【講演プログラム】
1.放熱材料のニーズ
 1-1.社会動向変化と放熱材料
 1-2.放熱材料の動向
 1-3.高熱伝導材料
2.窒化物放熱フィラーの特徴
 2-1.窒化アルミニウムの特性
 2-2.窒化アルミニウムの応用展開
 2-3.窒化アルミニウムフィラーの特徴
 2-4.窒化ホウ素の特性
 2-5.窒化ホウ素の応用展開
 2-6.窒化ホウ素フィラーの特徴
3.窒化物放熱フィラーの開発と評価
 3-1.窒化アルミニウムフィラーの最新動向
 3-2.窒化ホウ素フィラーの最新動向
4.窒化物放熱フィラーの表面処理技術
 4-1.窒化物フィラーの表面処理方法
 4-2.表面処理した窒化物フィラーの特性
5.窒化物フィラー/樹脂複合材料
 5-1.窒化物フィラー添加樹脂の特性
 5-2.高放熱樹脂部材の特性

【質疑応答】

セミナー講師

第1部 (株)フジデリバリー 代表取締役社長&CEO 篠田 卓也 氏

1987年:国立大分高専電気工学科を卒業し、デンソーに入社。その後、グロービス、放送大学を経て、現在東京工業大学工学院機械科博士課程に在学中。

【著作】
自動車エレクトロニクス「伝熱設計」の基礎知識,日刊工業新聞社

【社外活動】
自動車技術会:国際標準記述によるモデル開発技術部門委員会
JEITA:
熱設計技術SC
半導体パッケージング技術委員会
サーマルマネージメント標準化検討G
パッケージ基板評価法TF
国プロ_熱設計 戦略委員会
日本能率協会:テクノフロンティア企画委員

【受賞歴】
自動車技術会 2019 年春季⼤会 学術講演会 優秀講演発表賞 受賞
JEITA 2020 半導体標準化専門委員会 功労賞 受賞
自動車技術会 2021技術部門貢献賞 受賞

【経歴】
デンソーでは、エンジン制御用、ナビ用のコンピュータの開発・設計に従事、その後、エレクトロニクスの伝熱技術を専任。電子系熱技術委員会を設置し、全てのコンピュータの熱技術コンサルを実施。熱抵抗と熱容量で構成される過渡熱(RC)モデルを開発し、JEITA日本規格化、IEC国際規格化を予定。
2020年:東京工業大学に「デンソーモビリティ協働研究拠点」の立ち上げに尽力。産学連携の研究開発をコーディネート中。
2021年:デンソー業務と並行して、父の事業を承継し、㈱フジデリバリー代表取締役社長に就任。併せて電子機器の伝熱技術のサービスを開始し、社内外にコンピュータの伝熱技術を支援。電子設計、筐体設計のフロントローディングが自身のテーマであり、解析の高度化に着目し、70%以上の設計コスト効率化を実現。

第2部 信越化学工業(株) シリコーン電子材料技術研究所 第二部開発室 多畑 勇志 氏

【経歴】
2016年3月 名古屋大学 工学部 化学・生物工学科 修了
2018年3月 名古屋大学大学院 工学研究科 化学・生物工学専攻 修士課程 修了
2018年4月 信越化学工業株式会社 入社

第3部 (株)トクヤマ 放熱材営業部 主席 金近 幸博 氏

セミナー受講料

【1名の場合】44,000円(税込、テキスト費用を含む)
2名以上は一人につき、11,000円が加算されます。


※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


13:00

受講料

44,000円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込

開催場所

全国

主催者

キーワード

電子デバイス・部品   複合材料・界面技術   高分子・樹脂材料

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