環境対応型塗料と塗装技術【アーカイブ配信】

VOC削減塗料とはどんな塗料か?どのように塗装するのか?

~VOC削減と性能向上を目指して~

このセミナーはアーカイブ配信です。配信期間中(2022年11月21日~12月5日)は、いつでも何度でも視聴できます!

セミナー趣旨

 コーティング材料(塗料)は流動状態で被塗物を覆い、付着、固化します。近年、塗膜形成時に大気中に飛散する有機溶剤成分(VOC)が光化学スモッグや大気汚染の原因物質であることがわかり、VOCを削減する塗料に開発の目が注がれています。VOC削減塗料とは、ハイソリッド、水性、粉体塗料であり、環境対応型塗料とも呼ばれています。これら塗料には、元来から持つ合成樹脂の特性を変性して使用するため、従来塗膜に比べて、仕上がり性や硬化塗膜の物性には不具合を発生することが多く、その対策も必要です。
 本セミナーでは、環境対応型塗料とはどのような塗料なのかを溶剤型塗料と比較しながら、整理して行きます。そして、VOC削減による塗料の不具合をどのようにして克服するかについて必要な考え方を述べ、欠陥対策について解説します。

受講対象・レベル

 コーティング関係の原料メーカー技術担当者、塗料メーカーの品質管理・塗料設計・研究開発担当者、塗装・コーティング分野の製造担当者・工程管理者(初心者から中堅技術者)など。あるいは、コーティング技術と技能を深めたい方、コーティング被膜の付着性、
物理的強度を見極めたい方。

習得できる知識

 塗料の必要条件は、1)流動すること、2)くっつくこと、3)固まることに集約できます。塗料は有機材料、無機材料の混合物であり、絶妙なバランスで塗装効果を発揮しています。VOCの削減とは、言いかえれば油絵の具を水彩絵の具に替えたり、さらには、粉末絵の具を与えるから、同じように仕上げろと言うことですが、環境に優しいものづくりは我々にとって必須項目です。そこで、VOC削減を進めるために次に示す現状把握と問題点をあぶり出すことを本セミナーの目標にします。
 【1】現状の把握、例えば、液体塗料であるハイソリッド、水性塗料はどのようにして開発されてきたのか。なお、水性塗料と言えども有機溶剤を塗料中に10%程度含有しているが、なぜ必要なのか。
 【2】固体粉末である粉体塗料の特徴と問題点は何か。
 【3】工業塗装では塗着効率の良い静電塗装を用いることが多い。静電塗装に対する理解を深め、良い仕上がり外観を得る基礎力を身に付ける。

セミナープログラム

第1章 塗料・塗装と環境問題
 1.1 CO2の排出問題
 1.2 VOCの排出問題
 1.3 VOC削減対策
  1.3.1 VOC削減型塗料のはなし
   (1) ハイソリッド
   (2) 水性塗料
   (3) 粉体塗料
  1.3.2 VOC削減効果

第2章  水性塗料と塗装のはなし
 2.1 水性塗料の概要と技術課題
  2.1.1 塗膜の耐水性改良法
  2.1.2 表面張力の作用
   (1) 表面張力とは
   (2) 表面張力差による流動 -はじきと対流
  2.1.3 エマルション(Em)エナメルの作り方
 2.2 塗料用樹脂の水性化手法 -基礎編
  2.2.1 水の存在下で樹脂を合成するタイプ -乳化重合
  2.2.2 溶剤可溶性樹脂を強制乳化する方法
  2.2.3 溶剤可溶性樹脂を水性樹脂に転換する方法
  2.2.4 電着塗料用樹脂の調製法
  2.2.5 カチオン電着塗装とは
 2.3 ポリウレタンディスパージョン(PUD)の調製法
 2.4 水性塗料の架橋反応 
  2.4.1 ラテックス/水溶性樹脂系焼付塗膜
  2.4.2 PUDとアクリル樹脂Emとの架橋反応
 2.5 水性塗料の物性改良法

第3章  粉体塗料と塗装のはなし
 3.1 粉体塗料の概要と技術課題
  ●粉体塗料のメリット・デメリットから見えてくるもの
 3.2 粉体塗料の分類と設計
  (1) クッキータイプ塗料の分類
  (2) 粉体塗料の特徴
 3.3 粉体塗料を作って見よう
 3.4 塗装仕上げに及ぼす粉体塗料の要因
  (1) 粒径
  (2) エッジカバー性
 3.5 塗装不良と対策

第4章  静電塗装入門
 4.1 静電塗装を理解するために役立つ知識
  (1) 静電気の基礎知識
  (2) 塗料の電気抵抗値について
 4.2 液体塗料の静電スプレー
  (1) 空気霧化
  (2) 回転カップ式
  (3) 電気抵抗値が及ぼす影響
 4.3 粉体塗料の静電スプレー
  (1) コロナ放電式
  (2) 摩擦帯電(トリボ)式
  (3) 流動浸漬法
  (4) 逆電離現象とは

第5章  欠陥事例とその対策
 5.1 水性塗料のはじきを防止する添加剤の配合
  ●表面張力のムラを消せる配合がハジキ止めの要因!
 5.2 粉体塗装した鋼管内面塗膜のはく離事例
  ●収縮応力が原因となったはく離事例

※本講座を受講することにより、塗料と塗装に対する気づき(見方)と、不良現象を解決する能力を高める良い機会になると思います。ぜひ、ご受講ください。


樹脂設計,水性化,架橋反応,塗膜形成,強度,動的粘弾性,レオロジー,ガラス転移温度,Tg

セミナー講師

元 職業能力開発総合大学校 基盤ものづくり系 准教授 工学博士 坪田 実 氏

《専門》塗料物性、塗装技術と技能
《略歴》
 1974年3月 山形大学大学院工学研究科高分子化学専攻修了
 1974年4月 岐阜プラスチック工業株式会社 入社
 1975年3月 岐阜プラスチック工業株式会社 退社
 1975年4月 職業訓練大学校 塗装科 助手
 1988年4月 職業訓練大学校 塗装科 助教授
  その後、学校名変更、所属科変更を経て、
 2010年 3月 職業能力開発総合大学校 基盤ものづくり系 准教授 退任
 2010年 4月    同上 嘱託
 2015年 3月    同上 退任
 2016年 2月 川上塗料株式會社 社外取締役 就任
 2021年2月 川上塗料株式會社 社外取締役 退任
《活動等》
 1985~2022年 色材協会関東支部 塗料部会委員、
 2005~2006年度 技能五輪国内大会「車体塗装」競技主査
《受賞》
 1982年度色材協会論文賞。2006年度、2020年度日本塗装技術協会論文賞

セミナー受講料

55,000円(税込、資料付)
■ セミナー主催者からの会員登録をしていただいた場合、1名で申込の場合44,000円、
  2名同時申込の場合計55,000円(2人目無料:1名あたり27,500円)で受講できます。
(セミナーのお申し込みと同時に会員登録をさせていただきますので、
   今回の受講料から会員価格を適用いたします。)
※ 会員登録とは
  ご登録いただきますと、セミナーや書籍などの商品をご案内させていただきます。
  すべて無料で年会費・更新料・登録費は一切かかりません。
  メールまたは郵送でのご案内となります。
  郵送での案内をご希望の方は、備考欄に【郵送案内希望】とご記入ください。

受講について

本セミナーは、約4時間半の講演を収録したアーカイブ配信セミナーです。
2022年11月21日(月)~12月5日(月)の2週間、いつでも何度でもご視聴いただけます。

【アーカイブ配信セミナーの申込・受講手順】
1)このHPから参加申込をしてください。
2)申込後、受理のご連絡メールをさせていただきます。また請求書を郵送いたします。
3)視聴開始日までにセミナー資料(PDF形式)と閲覧用URLをお送りさせていただきます。
 ※申込者以外の視聴はできません。録音・録画などの行為を固く禁じます。
 ※配布資料の無断転載、二次利用、第三者への譲渡は一切禁止とさせていただきます。

特典
講師にメールで質問可。


申込締日:2022/11/29

※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


0:00

受講料

55,000円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込

開催場所

全国

主催者

キーワード

高分子・樹脂材料   高分子・樹脂加工/成形   環境負荷抑制技術

申込締日:2022/11/29

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55,000円(税込)/人

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高分子・樹脂材料   高分子・樹脂加工/成形   環境負荷抑制技術

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