MAPPの特性、性能を決める因子とは?
分子量/グラフト量のバランスが密着性、分散性、相容性にどのように影響してくるのか?

《第1部》ポリプロピレン系複合材料における無水マレイン酸変性PPの機能と役割

《第2部》フィラー充填プラスチックにおけるマレイン酸変性樹脂の役割解明のための実験的アプローチ

《第3部》無水マレイン酸共重合体のポリマーアロイへの応用

《第4部》両末端マレイン酸変性PPを用いた共重合樹脂の合成と高酸含量アクリル酸変性PPの開発

《第5部》酸変性PPの開発と分散性、相容性、密着性の向上

セミナープログラム

【10:00-11:10】

ポリプロピレン系複合材料における無水マレイン酸変性PPの機能と役割

静岡大学 農学部 ふじのくにCNF寄附講座 特任教授 青木 憲治 氏

【講座の趣旨】
ポリプロピレン(PP)系複合材料設計において「相溶化剤」は必須添加剤であり, 一般に無水マレイン酸変性PP(MAPP)が使用されている。 MAPPは"たかが"添加剤ではあるが,分子量/グラフト量バランス,ベース樹脂等の違いにより, 複合材料の機械的物性に大きな影響を与える。 昨今,活発に研究開発が進められているセルロースナノファイバー(CNF)/PP複合化においても CNFの分散性向上や界面結合形成等の重要な役割を担っている。 本講演では,無水マレイン酸変性PPの相溶化剤としての機能について, また,当研究室で行っているCNF/PP複合化に関する研究内容について紹介する。

  1. 無水マレイン酸変性PP(MAPP)
    1. グラフト反応メカニズムとその構造
    2. 分子量/グラフト量バランス
  2. MAPPの添加効果
    1. ガラス繊維強化ポリプロピレン(GFRPP)
    2. ウッドプラスチック(WPC)
    3. 各種フィラーとの複合材料
  3. セルロースナノファイバー(CNF)/PP複合材料の開発
    1. 研究の背景(バイオエコノミー,海洋プラスチック問題)
    2. CNF/PP複合化の課題と解決へのアプローチ

【質疑応答】


【11:20-12:30】

フィラー充填プラスチックにおけるマレイン酸変性樹脂の役割解明のための実験的アプローチ

京都大学 農学研究科 森林科学専攻 准教授 寺本 好邦 氏

【習得できる知識】
・酸変性樹脂相容化剤の役割
・バイオコンポジット(セルロース系フィラー充填プラスチック複合材料)の界面とフィラー分散性の評価法

【講座の趣旨】
フィラー充填プラスチックの相容化剤として用いられる酸変性樹脂は,効いて当たり前と捉える向きも多い。しかし,確かな実験事実を得るには困難が伴う。最近演者らは,酸変性樹脂とセルロース系フィラーの結合を分光学的に解明し,フィラーへの酸変性樹脂の濡れ性の評価とその物性への影響を明らかにしており,ごく最近は複合材中でのフィラーの分散性の簡便な定量評価法を提案している。本セミナーでは,これらの分子レベル~nmレベル~μmレベルに至るスケールで,相容化剤の働きをなるべく定量的に解明しようとしている最近の演者らの研究例をご紹介する。

  1. 酸変性樹脂の役割と研究法
    1. 酸変性樹脂の役割はわかりきったことなのか?
    2. 酸変性樹脂のはたらき;どう効いているか?
    3. セルロース系フィラーと酸変性樹脂は共有結合しているのか?
    4. そもそも酸変性樹脂の挙動は簡単に分析できるのか?
    5. 一般的な研究例と最近の意欲的な取り組み
  2. フィラーと酸変性樹脂の結合の検出(分子レベル)
    1. 相互作用サイトの濃縮(酵素分解、溶媒抽出)
    2. 分光測定に必要な前処理
    3. 分光測定(FT-IR・NMR(特に膨潤体NMR法))のデータ紹介
  3. フィラー表面への酸変性樹脂の濡れ性評価(nmレベル)
    1. 示差走査熱量計による簡便法:昇降温測定
    2. モルホロジー観察(走査型電子顕微鏡、蛍光顕微鏡)
    3. フィラー共存下での酸変性樹脂の結晶化挙動の解析
    4. フィラー表面への酸変性樹脂の濡れ性と力学物性・破壊挙動の対応
  4. 複合材中でのフィラーの分散性の簡便な定量評価(μmレベル)
    1. 試料の前処理
    2. フィラー分散性のパターン分類(ポワソン型/集中型/規則型)
    3. 実際の観察とデータ整理
    4. フィラー分散性と力学物性の対応
  5. 酸変性樹脂研究の新たな展開:リサイクルに向けた取り組み

【質疑応答】


【13:20-14:30】

無水マレイン酸共重合体のポリマーアロイへの応用

テクノリエゾン事務所 代表 今井 昭夫 氏

【習得できる知識】
・無水マレイン酸の反応性
・無水マレイン酸共重合体を相容化剤として用いるポリマーアロイの設計手法
・リアクティブプロセシング技術の特徴

【講座の趣旨】
今日では各種のポリマーアロイ材料が工業化されており、異種高分子の混合のために様々な相容化技術も工夫されている。中でも無水マレイン酸の共重合体を利用して非極性ポリマ―と極性ポリマーとの混合分散性を高めて性能・機能を発現させるリアクティブプロセッシングが広く実施されている。本講ではこれら技術の基礎的な考え方から実用例を含め紹介する。

  1. 無水マレイン酸の特性
    1. 無水マレイン酸の重合
    2. 無水マレイン酸のグラフト重合
    3. 無水マレイン酸共重合体の種類と特性
  2. リアクティブプロセシングとポリマーアロイ
    1. 非相溶性ポリマーアロイの物性
    2. モルフォロジー、分散粒径と物性
    3. ポリマーアロイにおける相容化剤
    4. リアクティブプロセシングによるポリマーアロイモルフォロジーの設計
  3. 無水マレイン酸共重合体を適用したポリマーアロイ
    1. 無水マレイン酸グラフトポリプロピレン/ポリアミドのアロイ形成の解析
    2. 無水マレイン酸グラフトポリエチレン/ポリアミドのポリマーアロイ
    3. 無水マレイン酸を利用したセルロース/ポリオレフィンのポリマーアロイ
  4. 無水マレイン酸共重合体の相容化剤、改質剤としての利用
  5. まとめと質疑応答

【質疑応答】


【14:40-15:50】

両末端マレイン酸変性PPを用いた共重合樹脂の合成と高酸含量アクリル酸変性PPの開発

(株)三栄興業 柏テクニカルセンター センター長 佐々木 大輔 氏

【講座の趣旨】
ポリオレフィンの精密熱分解により得られる二重結合含有ポリオレフィンの解説を行い、その機能化についてまとめる。特に本講演ではマレイン酸変性PPを用いた共重合樹脂の合成とその特性について概説する。さらに当社で開発が進められている高酸含量アクリル酸変性PPの合成とその特性について触れる。

  1. ポリオレフィン(PO)の精密熱分解
    1. POの精密熱分解について
    2. ポリプロピレン(PP)の精密熱分解とその生成物
    3. その他のPOの精密熱分解とその生成物
  2. 二重結合含有POの機能化
    1. 二重結合の官能基化
    2. 官能基化POを用いた共重合樹脂の合成とその特性
    3. マレイン酸変性PPを用いた共重合樹脂の合成とその特性
    4. マレイン酸とアクリル酸を導入するための新しい方法

【質疑応答】


【16:00-17:00】

酸変性PPの開発と分散性、相容性、密着性の向上

三洋化成工業(株) 高機能マテリアル事業本部 研究部 高機能添加剤研究グループ ユニットマネージャー 濱田 太郎 氏

【講座の趣旨】
無水マレイン酸変性低分子量ポリオレフィンは、マレイン酸変性度が高くかつ溶融粘度が低い特徴を有する。その特徴を活かして相容化剤、分散剤、流動性向上剤等として使用されており、それら用途例を具体的に紹介する。

  1. 酸変性低分子量ポリオレフィンの特徴について
  2. 酸変性低分子量ポリオレフィンの構造について
  3. 酸変性低分子量ポリオレフィンの使用法について
  4. 酸変性低分子量ポリオレフィンの用途例について
    1. 相容化剤としての用途例について
    2. ガラス繊維分散剤としての用途例について
    3. 木粉分散剤としての用途例について
    4. 流動性向上剤としての用途例について
    5. 塗装性向上剤としての用途例について
    6. その他の用途例について

【質疑応答】

セミナー講師

《第1部》静岡大学 農学部 ふじのくにCNF寄附講座 特任教授 青木 憲治 氏

《第2部》京都大学 農学研究科 森林科学専攻 准教授 寺本 好邦 氏

《第3部》 テクノリエゾン事務所 代表 今井 昭夫 氏
    【ご略歴】
    公益社団法人 高分子学会フェロー

《第4部》 (株)三栄興業 柏テクニカルセンター センター長 佐々木 大輔 氏
    【ご略歴】
    ・高分子学会グリーンケミストリー研究会 副運営委員長
    ・アイオノマー研究会 幹事

《第5部》 三洋化成工業(株) 高機能マテリアル事業本部 研究部 高機能添加剤研究グループ ユニットマネージャー 濱田 太郎 氏

セミナー受講料

1名につき66,000円(消費税込、資料付)
〔1社2名以上同時申込の場合のみ1名につき60,500円〕

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