~メタバース・VR・五感インターフェースの動向と産業応用~
~力触覚・嗅覚・味覚の再現・伝送技術の開発と可能性~

仮想世界と実世界が融合する領域が日常に浸透しつつあります。本セミナーでは、リアルとバーチャルを結ぶキーテクノロジーである五感の再現・伝送技術について、メタバース・VR・五感インターフェース・リアルハプティクス技術・嗅覚ディスプレイ・香りの再現技術・デジタル嗅覚コンテンツ・電気味覚・味ディスプレイ・味覚コンテンツなどをキーワードに、4名の講師が動向・技術・応用・展望などを解説します。

セミナープログラム

第1部【10:30~12:00】
「メタバースと五感インタフェース技術の最新動向と産業応用の可能性」

 近年、国内外で「メタバース(metaverse)」がバズワードになっています。コロナ禍で注目が集まり、オンラインでのコミュニケーションやゲーム、イベントサービスで大きな成長を見せましたが、ビジネス面でもバーチャル会議やワークスペースとしての活用が注目されています。この背景には近年の高機能なバーチャルリアリティ(VR)機器の低廉化やプラットフォームの充実だけでなく、それらを支える研究技術の躍進があります。さらにリアリティを高めるための基盤技術として五感インタフェースも研究が進んでいます。
 本講習では、メタバースやVRの技術や概念を理解し、各自の研究開発業務や商品開発に活用していただけるように基礎的な研究から産業応用の可能性について事例を交えて解説します。

<得られる知識>
 ・メタバースに関する基本的・実践的な考え方を習得できる。
 ・メタバースの社会応用ストラテジーの概要を理解出来る。
 ・VRと五感提示技術の基礎と最新動向を把握できる。

<主な受講対象者>
 VRや五感インタラクション、メタバースについて広く知りたいとお考えの会社、公的研究機関、教育機関に所属されている方。
 特に予備知識は不要です。

1.メタバース/VRとは
 1.1 VRの歴史
 1.2 VRとAR
 1.3 ソーシャルVRとメタバース
2.メタバース/VRの動向と可能性
 2.1 教育訓練とVR
 2.2 医療とVR
 2.3 製造業とVR
 2.4 サービス業とVR
3.メタバース/VRを構成する五感インタフェース
 3.1 臨場感と現実感はどこからくるか
 3.2 人間の五感と感覚ディスプレイ
 3.3 アバタと身体
 □質疑応答□


第2部【13:00~14:30】
「リアルハプティクス技術の基礎と現実世界と仮想現実における応用」

 人間が獣であったころ、人間は吠え合い、触れ合うことで直接的に対象物を理解し対処してきました。活動範囲が拡大すると間接的な情報交換が当たり前となり、近年、コンピュータ・ネットワークの高度化によって、リアルタイムでの遠隔/自動操業、遠隔/自動組み立て、遠隔コミュニケーションが大いに普及しています。生産性向上、作業環境改善、人移動の削減など素晴らしい成果を出しています。しかし急激に進む少子高齢化に対応するには、早急に現場での人間中心作業に依存している多様な作業を遠隔化/自動化することが必須です。農林水産現場、土木建築現場、医療介護現場だけでなく、製造現場でも多様な作業を人手依存しています。人手依存している作業情報をネットワーク経由で遠隔に伝える何かが欠落しています。それが人間にとって当たり前の触覚である「力触覚」です。力触覚は人が何らかの動作した時に対象物から獲得する双方向性の能動感覚です。しかも、双方向性の周期は数m秒、伝送遅延も20m秒以下であることを期待する我儘なものです。 
 本稿では、力触覚伝送がどのような仕組みで実現されるのか、そして力触覚伝送を含むリアルハプティクス技術が興す多彩なブレークスルーを現実世界だけでなく仮想世界、メタバース空間を含めて紹介します。

<得られる知識>
 ・リアルハプティクス技術の概念的な実現の仕組みと実現するブレークスルー
 ・リアルハプティクスの各種応用事例、メタバース空間で利活用するヒント
 ・詳細な技術理論などを期待されても講演の範囲外である。

<主な受講対象者>
 製造現場に限らず農林水産現場、土木建築現場、医療介護現場で人手依存作業の効率化、遠隔化、自動化や技能継承、トレーニングを担っておられる方。
 自分の抱える課題があれば予備知識は不要です。

1.力触覚とは何か 
 1.1 五感の異端児、力触覚
 1.2 人間の得意技、力触覚 
2.力触覚伝送の実現 
 2.1 遠隔伝送から力触覚が欠落 
 2.2 力触覚伝送が無くても何とかなる 
 2.3 力触覚伝送実現方式を発明 
 2.4 AbcCoreモジュール
3.リアルハプティクス技術が興すブレークスルー 
 3.1 力触覚の見える化 
 3.2 力触覚を活かした遠隔化 
 3.3 力触覚が現実世界と仮想世界を繋ぐ 
 3.4 力触覚を活かした再実行・自動化 
 3.5  Internet of Actionsへの展開
4.リアルハプティクス技術応用事例 
 4.1 産業向け応用事例
 4.2 医療・介護向け応用事例
 4.3 コミュニケーション向け応用事例
 4.4 メタバース関連応用事例
 4.5 アバター関連応用事例
5.まとめ 
 5.1 リアルハプティクス技術の革新性
 5.2 リアルハプティクス技術応用の普及への取り組み 
 □質疑応答□


第3部【14:40~15:50】
「デジタル嗅覚技術の開発と応用」

 これまでは嗅覚はあまりIT技術と関連を持ってこなかったが、近年、ディジタル嗅覚の開発が進んでいる。
 本講演では、ディジタル嗅覚の基盤技術として香り再現技術、嗅覚ディスプレイ、香り印象を予測する技術、香り印象からセンシングデータを予測する技術等を解説する。これらの技術を導入することにより、IT技術に嗅覚を取り入れることが可能になる。
 さらに、嗅覚ディスプレイを用いたディジタル嗅覚コンテンツとして、香る映画、香る料理ゲーム、災害訓練シミュレータ、匂い源を探索するゲームを紹介する。

<得られる知識>
 ・匂い計測の基礎知識
 ・香り再現の基礎知識
 ・嗅覚ディスプレイの基礎知識
 ・嗅覚IT技術の基礎知識
 ・Machine olfaction分野の動向

<主な受講対象者>
 AI技術を嗅覚に応用することを考えている方、香りを利用したビジネスを考えている方、嗅覚に関する研究開発を従来とは異なる視点で考えてみたい方。線形代数、多変量解析等の知識があればよいが、数式は少なくして説明する予定です。

1.匂い計測技術の基礎
 1.1 嗅覚の仕組み
 1.2 ガス分析技術
 1.3 官能検査
 1.4 生体信号計測
2.要素臭を用いた香り再現
 2.1 非負値行列因子分解法
 2.2 マススペクトル間の差を測る方法
 2.3 保留剤の影響を除く方法
3.嗅覚ディスプレイ
 3.1 嗅覚ディスプレイの種類
 3.2 電磁弁高速開閉方式
 3.3 弾性表面波霧化方式
 3.4 ウェラブル方式
 3.5 要素臭と嗅覚ディスプレイを用いた香り再現
4.DNNを用いた香り印象予測
 4.1 DNNを用いた香り印象予測
 4.2 香り印象予測からセンシングデータの予測
5.ディジタル嗅覚コンテンツ
 5.1 映画、アニメーション、ゲームへの応用
 5.2 災害訓練シミュレータ
6.ディジタル嗅覚の今後の展望
 □質疑応答□


第4部【16:00~17:00】
「味覚メディア技術の最新動向と応用展開・今後の可能性」

 本講演では、味を再現・変化させる「味覚メディア技術」について解説するとともに、それが拓く「未来の食」について述べます。食べ物の味を自在に変える電気味覚食器がもたらす健康改革、画面を舐めると味がするテレビによる味見、味の共有やダウンロードを実現する「調味家電」がもたらすテレテイスト・テレイート、その先にある「味のサブスクリプション」ビジネス、嗅覚と味覚の分離提示技術などの最新研究事例も紹介します。

<得られる知識>
 味覚に関する基礎知識および味覚メディアの応用技術とビジョンについての知識

<主な受講対象者>
 味覚メディアはすでに社会実装が始まっている技術です。必ずや今後のメディア史、および食文化を変えていきます。聴講にあたって予備知識は不要です。

1.電気味覚研究の歴史および社会実装に向けた取り組み
2.テレテイストを実現するための味ディスプレイ技術
3.味センサとの連携
4.メディア史から考察する味覚メディア応用
5.噴霧混合による味プリンタおよび応用
6.味覚メディアが拓く広告の未来
7.味覚コンテンツのサブスクリプション
8.調理家電と「調味家電」
9.最新事例①:甲殻アレルギーでも安全にカニクリームコロッケの味を楽しむ技術
10.最新事例②:口臭を気にせずニンニク料理を楽しむ技術
11.味覚メディアのロードマップ
 □質疑応答□ 

セミナー講師

第1部【10:30~12:00】
「メタバースと五感インタフェース技術の最新動向と産業応用の可能性」
東京大学 准教授 博士(情報科学) 雨宮 智浩 氏
 <専門>
バーチャルリアリティ学
 <略歴>
2002年東京大学工学部機械情報工学科卒業,2004年東京大学大学院情報理工学系研究科修士課程修了,同年日本電信電話株式会社入社。NTT コミュニケーション科学基礎研究所主任研究員(特別研究員)を経て2019年より東京大学大学院情報理工学系研究科 准教授。東京大学バーチャルリアリティ教育研究センター准教授兼務。2014年より英国ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)認知神経科学研究所 客員研究員兼務。
総務省 「Web3時代に向けたメタバース等の利活用に関する研究会」構成員。日本バーチャルリアリティ学会理事,ヒューマンインタフェース学会理事,電子情報通信学会福祉情報工学研究会副委員長等を歴任。
日本VR学会学術奨励賞(2004年),日本VR学会論文賞(2005年, 2014年, 2017年),HIS 優秀プレゼンテーション賞(2005年, 2007年, 2019年), ヒューマンインタフェース学会研究会賞(2009年),電子情報通信学会HC賞(2009年), Laval Virtual Grand Prix du Jury (2007年), Eurohaptics Best Demonstration Award(2014年)等をいずれも筆頭筆者として受賞。
博士(情報科学)。

第2部【13:00~14:30】
「リアルハプティクス技術の基礎と現実世界と仮想現実における応用」
慶應義塾大学 ハプティクス研究センター 副センター長 博士(工学) 永島 晃 氏
 <専門>
制御工学、技術経営
 <略歴>
1971年、東京工業大学大学院制御工学科修了、横河電機(株)にてプロセス制御システムの企画・研究・開発に従事
1994年、横河電機(株)取締役専務執行役員IAシステム事業部長、技術開発本部長(CTO)、エグゼクティブフェローを歴任、2009年退社
2006年、計測自動制御学会 第45期会長、フェロー、名誉会員
2014年、慶應義塾大学ハプティクス研究センター副センター長
2021年、一般社団法人ハプティクス技術協会 監事
2017年、合同会社エープラスエイ設立、2020年よりぬいぐるみロボット「ゴロニャン」等の開発・事業化

第3部【14:40~15:50】
「デジタル嗅覚技術の開発と応用」
東京工業大学 科学技術創成研究院 教授 博士(工学 中本 高道 氏
 <専門>
計測工学、ヒューマンインターフェース

第4部【16:00~17:00】
「味覚メディア技術の最新動向と応用展開・今後の可能性」
明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 教授 博士(知識科学) 宮下 芳明 氏
 <専門>
ヒューマン・コンピュータ・インタラクション
 <略歴>
最近は味覚提示技術に関する成果で各種報道やメディア出演が多い。2020年 総務省「異能vation」に採択。
第24回文化庁メディア芸術祭で「味覚メディアの夜明け」が審査委員会推薦作品に選出。
デジタルコンテンツEXPO2021でInnovative Technologies 2021 Special Prizeを受賞。

セミナー受講料

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2名で 55,000円 (2名ともE-mail案内登録必須/1名あたり定価半額27,500円)

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VR(仮想現実)/AR(拡張現実)   感性工学   UI/UX/ヒューマンインターフェース

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