洗浄バリデーション入門 残留許容値、DHT/CHT、サンプリング、回収率に関する基礎知識

洗浄バリデーションの実務者として知っておくべき基礎知識と最近の動向を教示すると共に、実務上の諸課題についてどう対処するか

セミナー趣旨

高薬理活性薬の上市増加とともに、交叉汚染リスクに関わる行政の注目度は高くなり、例えばEU GMPの 第三章および第五章やAnnex15の改訂、PIC/S備忘録(PI043-1)等が発出されている。
これ合わせ、交叉汚染リスクに深く関わる洗浄バリデーションについても、洗浄後の残留許容値は毒性データに基づく健康ベース暴露限界値(HBEL)が提唱され、EMAの「共用施設における健康への影響に基づく曝露限界の設定ガイドライン」、ASTM3219-20、ICH Q7Mガイドライン等が発出されている。
しかし、HBELの算出は容易でないなど実務担当者は多くの悩みを抱えているのではないであろうか。
本講は、洗浄バリデーションの実務者として知っておくべき基礎知識と最近の動向を教示すると共に、実務上の諸課題についてどう対処するか、演者の経験を踏まえつつ受講者と一緒に考えていこうという講座である。

■本テーマ関連法規・ガイドラインなど
・PIC/S-GMP Annex 1 (改正ドラフト)
・PIC/S-GMP 第三章、第五章
・PIC/S-GMP Annex15
・共有設備内の交叉汚染に関するPIC/S備忘録(PI043-1)
・共用設備における交叉汚染防止のためのQ&A
・原薬GMPガイドラインQ&A
・USP) chapter. <1116>
・Fourman,G,,&Mullin,M,,“Determining Cleaning Validation Acceptance Limits for Pharmaceutical Manufacturing Operations”,Pharmaceutical Technology,April 1993,www.pharmtech.com
・ISPE  Baseline Guide RISK Mapp(第2版)2017年 
・EMA「異種製品を共用設備で製造する際のリスク特定に用いられる健康への影響に基づく暴露限界に関するガイドライン」
・ASTM E3219-20
・ICH Q3ガイドライン
・ICH M7ガイドライン(潜在的発がんリスクを低減するための医薬品中DNA反応性(変異原性)不純物の評価及び管理ガイドライン)
・日本薬局方

■講演中のキーワード
・健康ベース暴露限界値(HBEL)
・ホールドタイム(DHT/CHT、SDT/ SHT)
・汚染管理戦略
・洗浄剤
・回収率テスト
・毒性学的懸念の閾値(TTC)
・ICH M7ガイドライン
・Worst case Location

習得できる知識

・残留許容値の考え方の変遷と最新動向
・スワブサンプリングで留意すること
・回収率テストの事例
・クリーンホールドタイムで留意すべきこと

セミナープログラム

  1.    交叉汚染リスクへの対応が注目されている
    1.    交叉汚染リスクに対する行政からのアドバイス
    2.    自ら汚染管理戦略を構築する
    3.    洗浄バリデーションマスタープランを作成する
  2.    洗浄対象物に思い込みをしない
    1.    洗浄バリデーションは専用設備でも必要
    2.    洗浄対象物は多岐に渡る
    3.    原薬供給業者が変われば不純物も変わる
    4.    設備材質からの溶出物・浸出物も要注意
    5.    洗浄剤も洗浄対象
    6.    微生物も洗浄対象
    7.    非日常的作業後の洗浄にも留意
  3.    ダーティホールドタイム(DHT)とクリーンホールドタイム(CHT)
    1.    洗浄バリデーションには「放置・遅延時間」の考慮が必要
    2.    長期保管後に再洗浄すれば良い?
    3.    CHTを実機で設定できる?
    4.    ヒトがいれば発塵する
    5.    スモークスタディが要請されている
    6.    環境モニタリングで検出できない汚染物がある
    7.    非接薬設備由来の汚染例
    8.    留意すべきは想定外の交叉汚染源
    9.    作業室の床、壁の残留許容量はどう考える?
    10.    分析機器もキャリーオーバーに注意
  4.    残留許容値の設定
    1.    残留許容値の考え方の歴史
    2.    FourmanとMullin論文の影響
    3.    0.1%基準の計算法と問題点
    4.    目視限度の定量化
    5.    投与量基準から毒性発現量基準へ
    6.    ISPEがRisk Mapp(Baseline Guide)を提唱(高毒性だから施設専有化?)
    7.    ISPE RISK Mappの論点(NOAEL:無毒性量から許容値を)
    8.    EMA(欧州医薬品庁)ガイドラインの発出
    9.    健康ベース暴露限界値:HBELの算出法
    10.    吸収経路で曝露リスクは違う
    11.    毒性発現臓器(組織)は物質により特徴がある
    12.    HBELの設定は専門知識が必要
    13.    動物データの人への外挿による問題
    14.    いろんな問題があるので毒性発現量基準の方向性としては
  5.    不純物・分解生成物の許容量
    1.    ICH Q3ガイドラインの概要
    2.    ICH M7変異原性不純物ガイドラインの概要
  6.    微生物(発熱性物質)の残留許容値
  7.    外部からの侵入異物の許容値
  8.    洗浄剤の残留許容値
    1.    LD50を用いることの議論
  9.    結局、企業自らが洗浄バリデーションマスタープラン策定
  10.    洗浄剤の選定と留意点
  11.    CIP、COPの留意点
  12.    洗浄しにくい箇所(Worst case Location)
  13.    各種サンプリング方法とその留意点
    1.    スワブ法の留意点
    2.    サンプリング箇所の設定
    3.    接薬表面積の算出
    4.    リンス法の留意点
    5.    その他のサンプリング法
    6.    分析方法の留意点
    7.    残留確認にTOC測定が有用
  14.    回収率テスト
    1.    回収率の計算

(質疑応答)

セミナー講師

医薬品GMP教育支援センター 代表
ハイサム技研 顧問
NPO-QAセンター 作業標準委員会委員
高木肇氏

■経歴
元塩野義製薬株式会社製造本部次長
経口剤の連続生産技術開発や凍結乾燥注射剤の工業化検討、無菌製剤棟の構築プロジェクト遂行、アンプル注射剤・点眼剤製剤包装一貫工場の工場長、中国を始め国内外関連企業への技術支援業務に従事。
退職後は国内および台湾の後発医薬品・医薬部外品・健康食品企業の技術支援、ならびにGMP関連書籍の執筆、講演活動を実施。                   
出版物として「凍結乾燥のバリデーション」(共著)、「GMP・バリデーション事例全集」(共著)、「現場で直ぐ役に立つ製品標準書作成マニュアル」(共著)、「現場で直ぐ役に立つ 実務者のためのバリデーション手法」(共著)など多数。  

セミナー受講料

●受講料:1名44,000円(税込)
     1社2名以上同時申込の場合,1名につき33,000円(税込)
●申込締切:2022年10月7日(金)
●講演資料:PDFデータにて配布いたします

受講について

■ご受講の注意事項(予めご了承の上、お申込み下さい。)
・講義中の録音・録画(静止画・動画)行為は固くお断りします。
・お申込いただいていない方と複数名で視聴することを禁じます。
・テキスト資料の無断複製・転載・販売等、一切を禁じます。
・講義中の妨害等、一切の行為を禁じます。
※上記4点、また類似の行為が認められた場合、強制的に退出して頂きます。また、ご本人及びご所属先の方の今後のセミナー参加をお断りします。

・お客様の利用環境、接続環境による不具合について、弊社は一切の責任を負いません。
・必ず視聴テストを行い、接続不良については自社IT部門等に接続についてご確認ください。
 ZOOMシステム要件(外部サイト)
 ZOOMテストミーティング(外部サイト)

【申込時】
●受講料はセミナー開催5営業日前の15時までにお振込み下さい。
●定員に達し次第、申込を締め切ります。
●最小開催人数3名に満たない場合、中止とさせて頂きます。
●講師及び当社のコンペティターの場合、受講をお断りする場合がございます。

詳しくはこちらをご確認ください。


申込締日:2022/10/07

※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


10:30

受講料

44,000円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込

開催場所

全国

主催者

キーワード

医薬品技術   医薬品・医療機器・化粧品等品質管理基準(G*P(GMPなど)、QMS)   医薬品・医療機器等規制

申込締日:2022/10/07

※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


10:30

受講料

44,000円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込

開催場所

全国

主催者

キーワード

医薬品技術   医薬品・医療機器・化粧品等品質管理基準(G*P(GMPなど)、QMS)   医薬品・医療機器等規制

関連記事