
各種リサイクル技術を用いた再生樹脂・プラスチックの開発・高機能化・応用展開と課題・将来展望
※こちらの講座はZoomではなく、Webexを利用予定です。
★リサイクルプラスチック、再生樹脂、PCR樹脂、リサイクル樹脂など、様々な呼び名があるが、環境問題への意識の高まりから、再生プラスチックを製品に取り入れる企業が増加!
★再生プラスチック利用促進対策や最新の再生エンジニアリングプラスチックスの開発状況を把握する!
★添加剤を用いた再生樹脂・リサイクル樹脂の性能向上や、再生により変化するプラスチックの品質とは?
セミナープログラム
第1講 廃プラスチックのリサイクル現状と再生複合材料の最新動向
【12:30-13:45】
福岡大学 工学部 化学システム工学科 教授 八尾 滋 氏
【講演キーワード】
マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、化学劣化、物理劣化、資源循環、カーボンニュートラル、押出機、射出成形機、容器包装リサイクル
【講演のポイント】
・これまで不可能と考えられて来た使用済プラスチックの力学物性の再生に成功
・物理劣化・物理再生理論の提唱とこの理論に基づいて、樹脂溜まり部付き押出機をデザインし、高効率で物性再生が実現できるプロセスを構築
・射出成形条件のプラスチック物性に及ぼす影響と、リサイクル性に及ぼす影響について研究を実施
・バージンプラスチックの物性に関する研究
【習得できる知識】
・物理劣化・物理再生理論の原理の理解
・樹脂溜まり部付き押出機の概要
・高分子の基礎物理とレオロジー的性質
・射出成形条件と力学物性・リサイクル性に関する知識
【講座主旨】
プラスチックのリサイクルは、単に環境問題にとどまらず、資源循環ならびにカーボンニュートラルの観点からも、避けては通れない課題である。しかし従来プラスチックは、使用済プラスチックのみならず、成形過程での副生物でさえも再生不可能な「劣化」を起こしているために再利用には適用できないという常識により呪縛され、全く研究開発に手が付けられていなかった。しかし最近の我々の研究により、この劣化は成形履歴などにより内部構造が変異したための物理劣化であり、成形プロセスを選ぶことで大きく再生できることが見いだされた。これは高分子の挙動を物理的に捉えることを怠ってきたことをインしている。
本講座では、この現象の基盤となっている「物理劣化・物理再生理論」を理解するために、高分子の基礎物性からその挙動を学び、成形がプラスチックの力学物性に及ぼす影響などについて理解するとともに、プラスチックのリサイクルに対する取り組み方について、あるべき方策などについて考える。
【プログラム】
- プラスチックリサイクルの意義について
- 資源循環・カーボンニュートラルとプラスチックリサイクル
- プラスチックリサイクルの現状と課題
- プラスチックの劣化について
- 化学劣化と物理劣化
- 高分子構造
- 高分子の結晶構造
- 高分子の溶融状態とレオロジー的性質
- 物理劣化・物理再生理論
- リサイクルプラスチックの力学物性の成形履歴依存性
- プラスチックの物理劣化・物理再生理論
- 樹脂溜まり部付き押出機による物理再生現象
- 樹脂溜まり部付き押出機
- 再生プラスチックの物性発現メカニズム
- メソ構造と力学特性
- メソ構造解析手法の紹介
- メソ構造と力学特性の関係
- 射出成形とプラスチックリサイクル
- 射出成形条件が力学物性に及ぼす影響
- 成形履歴とリサイクル特性
- 今後のプラスチックリサイクルについて
【質疑応答】
第2講 廃棄プラスチック削減への貢献並びにリサイクルプラスチックの性能を高める添加剤の開発、特性、使用例
【13:50-15:05】
(株)ADEKA 樹脂添加剤開発研究所 添加剤開発室 井上 智之 氏
【講演キーワード】
1.マテリアルリサイクル
2.樹脂添加剤
3.リサイクル性
【講演のポイント】
主にマテリアルリサイクル樹脂の課題とそれに対する樹脂添加剤の活用方法、リサイクル樹脂の用途を拡大する解決策を紹介する。
【習得できる知識】
マテリアルリサイクルに関する知識、樹脂添加剤に関する基礎知識を得ることが出来る。
【講座主旨】
本講演では樹脂の高寿命化、リサイクル性改善、そしてリサイクル樹脂の課題解決に有効な樹脂添加剤を中心に紹介する。昨今では廃棄プラスチック問題が顕在化しており、プラスチック産業の大きな課題となっている。プラスチックリサイクルの種々課題を解決し、廃棄プラスチックの削減に貢献する酸化防止剤、光安定剤、核剤を基本的な作用機構から紹介する。併せて当社が開発した環境対応型樹脂添加剤、ポリオレフィンリサイクル樹脂向けパッケージであるアデカシクロエイドUPRシリーズを紹介する。
【プログラム】
- ADEKAのご紹介
- ADEKAの会社概要
- ADEKAのSDGsへの取り組み
- プラスチックリサイクルの課題と課題解決に貢献できる樹脂添加剤
- プラスチックのリサイクルにおける課題
- 酸化防止剤(フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤)
- 光安定剤(HALS, UVA)
- 核剤
- 環境対応型樹脂添加剤アデカシクロエイドUPRシリーズの紹介
- ADEKAが考える廃棄プラスチック削減への貢献方法
- アデカシクロエイドUPR-001の紹介
- アデカシクロエイド UPR-011の紹介
- まとめ
【質疑応答】
第3講 再生エンジニアリングプラスチックの開発状況と用途展開
【15:10-16:25】
SABICスペシャリティ事業部シニアマネージャー/SHPPジャパン(合) 社長 松林 卓弘 氏
【講演キーワード】
ケミカルリサイクル、マテリアルリサイクル、クローズドリサイクル、リサイクルPBT樹脂、リサイクル変性PPE樹脂、リサイクルPC/ABS、リサイクルポリカーボネート樹脂、CO2削減、オーシャンバウンドプラスチックス
【講演のポイント】
ケミカルリサイクルやマテリアルリサイクル、クローズドループとオープンループなど、多種多様な再生エンジニアリングプラスチックスを海外での採用事例などを交えて具体例と共に紹介。
【習得できる知識】
・最新のリサイクルエンジニアリングプラスチックスの開発動向
・エンジニアリングプラスチックスのリサイクルソリューション
【講座主旨】
現在、日本における再生プラスチックの議論は、使い捨てバッグやカトラリー、包装材などに使われる汎用樹脂が主体となっているが、日本のプラスチック市場の約3割はエンジニアリングプラスチックスであり、使用期間も長いことから、これらの再生についても社会全体で検討していく必要がある。本講演では、SABICが手掛ける最新のエンジニアリングプラスチックスの開発状況と用途例について紹介し、プラスチック製品の生産者や利用者の材料や製品選定の参考となる情報を提供する。
【プログラム】
- SABICスペシャリティー事業部会社概要
- SABICスペシャリティー事業部の再生エンジニアリングプラスチックスーオープンリサイクル
- マテリアルリサイクル (共重合ポリカーボネート樹脂、PC/ABS樹脂、変性PPE樹脂)
- ケミカルリサイクル (PBT樹脂)
- SABICスペシャリティー事業部の再生エンジニアリングプラスチックスークローズドループ
- クローズドリサイクル
- セミクローズドリサイクル
- まとめ
【質疑応答】
第4講 再生樹脂を用いた新素材と応用展開
【16:30-17:45】
(株)リファインバースグループ 常務取締役 加志村 竜彦 氏
【講演キーワード】
・廃棄物 ・廃プラスチック ・複合材料 ・選別 ・分離 ・異物除去 ・色調 ・塩素 ・形状 ・粉砕処理 ・用途開発 ・高機能化 ・トレーサビリティ
【講演のポイント】
ポストコンシューマ材料の再資源化事業を相応の規模で実際に行っている立場から、経済合理性に基づいた技術開発から仕組みづくりまでリサイクルを実行する上での課題を解説します。
【習得できる知識】
プラスチックリサイクルの実務実例、今後の動向に関する知識
【講座主旨】
廃棄物、廃プラスチックから有用素材を生み出すためのプロセスについて、技術的な観点だけではなく、実際ビジネスとして展開をしている当社ならではの経験等を交えながら、実際廃棄物を出されている方、廃棄物の有効利用を検討されている方、資源循環領域で新たな事業創出を検討されている方にとって役に立つ情報を提供することを目的としている。
【プログラム】
- 弊社の概要
- 会社概要・沿革
- 弊社の事業領域について
- カーペットタイルリサイクル事業
- リサイクル技術の概要
- 再生素材・製品の紹介
- ナイロンリサイクル事業
- リサイクル技術の概要
- 再生ナイロン樹脂の紹介
- 用途展開事例の紹介
- リサイクル事業の本質と今後の展開について
- リサイクル事業の本質
- 今後の展開(ケミカルリサイクル事業への参画、新たな廃棄物の有用素材化への取組)
- まとめ
【質疑応答】
セミナー講師
第1部 福岡大学 工学部 化学システム工学科 教授 八尾 滋 氏
【著作】
バリューチェーンと単位操作から見たリサイクル (最近の化学工学69), 4.5「プラスチックのリサイクル」, 化学工学会関東支部、2021年1月
生分解性、バイオマスプラスチックの開発と応用, 第5節「リサイクル樹脂の力学特性改善技術と廃棄容器包装再生への応用」, 技術情報協会, 2020年3月
【受賞】
2018年 プラスチック成形加工学会 功労賞
2018年 日本リサイクル化学研究会 研究進歩賞
【経歴】
1986年 京都大学大学院工学研究科高分子科学専攻 博士後期課程修了
同年 宇部興産入社
2007年 三菱総合研究所入社
2011年 福岡大学 現在に至る
第2部 (株)ADEKA 樹脂添加剤開発研究所 添加剤開発室 井上 智之 氏
第3部 SABICスペシャリティ事業部シニアマネージャー/SHPPジャパン(合) 社長 松林 卓弘 氏
【経歴】
大学卒業後、商社を経て日本ジーイープラスチックス株式会社(現SHPPジャパン合同会社)に入社。その後、汎用樹脂及びエンジニアリングプラスチックスの営業、マーケティング、プロダクトマネージャー、SCMなどを歴任。2018年10月より現職。
第4部 (株)リファインバースグループ 常務取締役 加志村 竜彦 氏
【経歴】
1996年4月 三菱化学株式会社(現三菱ケミカル株式会社) 入社
2004年8月 リファインバース株式会社入社
2006年8月 住友化学株式会社 入社
2014年4月 リファインバース株式会社入社
2021年7月 株式会社リファインバースグループ 常務取締役(現任)
セミナー受講料
【1名の場合】55,000円(税込、テキスト費用を含む)
2名以上は一人につき、11,000円が加算されます。
受講料
55,000円(税込)/人