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CFRPやCFRTPにおける炭素繊維と樹脂との
含侵性・密着性・耐衝撃性向上
セルロースナノファイバーや樹脂複合材料、
フィラーなどにおける物性向上
変性メカニズム・条件や手法の最適化、
変性前後のトラブルとその対策、接着強度評価や寿命予測のポイント
セミナープログラム
【10:00~11:15】
第1部 ポリプロピレンの表面・界面特性と 酸変性による改質、その応用
●講師 (株)プライムポリマー 自動車材研究所 所長付 小林 豊 氏
【講座の趣旨】
ポリプロピレンの表面は不活性であり、塗装印刷接着などが困難です。酸変性PPは、ガラス繊維との界面強化に有効ですが、成形品の表面を活性化することはできません。それどころか、密着を低下させることさえあります。界面では有効で、表面では無効となる現象を軸に、酸変性PPの活用の現状を解説する。
【セミナープログラム】
1.ポリプロピレンの表面特性
1.1 プラスチックの表面の説明
1.2 ポリプロピレンの表面構造
1.3 一般的な表面改質方法
2.酸変性ポリプロピレンの説明
2.1 なぜ酸変性なのか
2.2 製造方法と化学的な構造
2.3 用途、使い分け
3.酸変性ポリプロピレンによる改質
3.1 表面の改質の失敗事例
3.2 繊維強化複合材料の事例
3.3 ポリマーブレンドの事例
【質疑応答】
【11:25~12:40】
ポリプロピレン系複合材料における無水マレイン酸変性PPの機能と役割
●講師 静岡大学 農学部 ふじのくにCNF寄附講座 特任教授 博士(工学) 青木 憲治 氏
【講座の趣旨】
ポリプロピレン(PP)系複合材料設計において「相溶化剤」は必須添加剤であり、 一般に無水マレイン酸変性PP(MAPP)が使用されている。 MAPPは"たかが"添加剤ではあるが、分子量/グラフト量バランス、ベース樹脂等の違いにより、 複合材料の機械的物性に大きな影響を与える。 昨今、活発に研究開発が進められているセルロースナノファイバー(CNF)/樹脂複合化においても CNFの分散性向上や界面結合形成等の重要な役割を担っている。 本講演では、無水マレイン酸変性PPの相溶化剤としての機能について、 また、当研究室で行っているCNF/樹脂複合化に関する研究内容について紹介する。
【セミナープログラム】
1.無水マレイン酸変性ポリプロピレン(MAPP)について
1.1 グラフト反応メカニズムとその構造
1.2 分子量/グラフト量バランス
2.MAPPの添加効果について
2.1 ガラス繊維強化ポリプロピレン(GFRPP)
2.2 ウッドプラスチック(WPC)
2.3 各種フィラーとの複合材料
3.セルロースナノファイバー(CNF)/樹脂複合材料の開発
3.1 研究の背景(バイオエコノミー、海洋プラスチック問題)
3.2 CNF/樹脂複合化の課題と解決へのアプローチ
【質疑応答】
【13:25~14:40】
第3部 無水マレイン酸系添加剤を用いた相容化技術
●講師 山形大学 大学院有機材料システム研究科 助教 博士(工学) 高山 哲生 氏
【講座の趣旨】
無水マレイン酸による反応は高分子複合材料やポリマーブレンドでよく利用されている。本講座では無水マレイン酸が重合されたポリマー添加剤が短繊維強化プラスチックやポリマーブレンドの力学特性に及ぼす影響について、理論と実験結果を併せながら解説する。
【セミナープログラム】
1.短繊維強化プラスチックの力学特性に関する理論
1.1 短繊維強化プラスチックの降伏条件
1.2 界面はく離
1.3 繊維の引抜け
1.4 繊維の破断
2.短繊維強化プラスチックにおける無水マレイン酸系添加剤の役割
2.1 ウエルド強さ
2.2 短繊維強化ポリプロピレンのウエルド強さに及ぼす無水マレイン酸変性ポリプロピレン添加効果
2.3 引張強さと繊維配向の関係
2.4 短繊維強化PPの引張強さに及ぼす無水マレイン酸変性PP添加効果
2.5 短繊維強化PPの引張強さに及ぼす無水マレイン酸変性PS添加効果
3.ポリマーブレンドの力学特性に関する理論
3.1 成形加工時に生じる残留ひずみ
3.2 射出成形温度と降伏応力の関係
3.3 射出成形温度と破壊靭性の関係
4.無水マレイン酸でポリマーブレンドの相容化を有効に進める手法
4.1 PCの加水分解を利用したPC/ABSポリマーブレンドの相容化
【質疑応答】
【14:50~16:05】
第4部 二軸混練によるリアクティブプロセッシング法を用いた
高分子分子鎖や微粒子表面へのマレイン酸変性
●講師 福井大学 繊維マテリアル研究センター 教授 工学博士 山下 義裕 氏
【講座の趣旨】
高分子をマレイン酸変性する目的はそれにより複数の異なる高分子のブレンドが可能となり、様々な構造のポリマーアロイを作ることができるからである。しかし、重合段階でマレイン酸変性すると、高分子同士をブレンドするまでに、高分子の劣化や変色が起こることが予想される。そのため高分子同士を二軸混練すると同時にその過程でマレイン酸変性するというリアクティブプロセッシングの手法が一般的である。この手法はとても実用的な化学合成・反応ともいえる。これを用いたさまざまな高分子のポリマーブレンドとその分析について解説する。
【セミナープログラム】
1.二軸混練によるリアクティブプロセッシング法を用いた
高分子分子鎖や微粒子表面へのマレイン酸変性
1.1 リアクティブプロセッシングとは
1.2 マレイン酸変性可能な樹脂の組み合わせ
1.3 マレイン酸変性によるポリマーブレンドの相構造の変化
1.4 マレイン酸変性による樹脂の耐熱性、耐衝撃性、耐曲げ特性の改良
1.5 マレイン酸変性とCNFやガラス繊維補強との組み合わせ
2.マレイン酸変性による高分子構造の観察
2.1 赤外分光(IR)による確認
2.2 NMRによる確認
2.3 電子顕微鏡による確認
2.4 ラマン分光による確認
【質疑応答】
【16:15~17:30】
第5部 マレイン酸変性樹脂の 密着性評価、表面解析について
●講師 (株)UBE科学分析センター 高分子材料分析研究室 主席研究員 堀口 高英 氏
【講座の趣旨】
無水マレイン酸を用いた複合材料、さらには接着を阻害する不具合に至るまで、最新の各種分析技術がいかにその構造、接着メカニズムに迫れるかを解説し、より高い複合材料設計の指針を提供する。
【セミナープログラム】
1.接着性を阻害する表面異物の解析
1-1 接着性を阻害する表面異物
1-2 表面異物の分析方法
1-3 表面異物の分析例
2.無水マレイン酸変性ポリオレフィンの構造解析
2-1 無水マレイン酸グラフトポリオレフィン
2-2 グラフト構造解析:従来法と新規解析法
2-3 NMRパルステクニックを駆使したグラフト構造解析
2-4 ppmグラフトポリマーのグラフト率定量分析
3.ポリマー修飾無機粒子における修飾ポリマーの微量変性構造解析
3-1 ポリマー修飾無機粒子
3-2 モデルサンプル (無水マレイン酸グラフトポリオレフィン修飾炭酸カルシウム粒子)の作成
3-3 超臨界メタノール-1H-NMR法による修飾ポリマーの微量変性構造解析
4.ヒートシールによる積層材料の接着メカニズム解析
4-1 モデルサンプル(無水マレイン酸グラフトポリオレフィン/ナイロン)の作成
4-2 はく離による接着強度評価
4-3 電子顕微鏡による剥離面の観察
4-4 接着メカニズム解析
【質疑応答】
セミナー講師
【第1部】(株)プライムポリマー 自動車材研究所 所長付 博士(理学) 小林 豊 氏
【第2部】静岡大学 農学部 ふじのくにCNF寄附講座 特任教授 博士(工学) 青木 憲治 氏
【第3部】山形大学 大学院有機材料システム研究科 助教 博士(工学) 高山 哲生 氏
【第4部】福井大学 繊維マテリアル研究センター 教授 工学博士 山下 義裕 氏
【第5部】(株)UBE科学分析センター 高分子材料分析研究室 主席研究員 堀口 高英 氏
セミナー受講料
1名につき+60,000円(消費税抜,昼食・資料付)
〔1社2名以上同時申込の場合のみ1名につき55,000円〕
受講料
66,000円(税込)/人
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