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QUESTION 質問No.579

接点の導通不良原因について

市場品質製造業全般・分類不能 |投稿日時:
サーモスタットを自社製品に組み込んで長年使用しています。
16Aの接点定格の仕様に対し、5V20mAの微小負荷で使用していることが判明しました(私が携わって半年のため採用当初の経緯は不明)
用途としては、加熱時にヒーターを停止させるための保護装置ですが、直接ヒーターのラインを切断ではなく、マイコンで接点の状態を監視して開放時に加熱と判断し、ヒーターを停止させています。そのため、微小負荷でのしようとなっています。

今回は、温度は明らかにサーモスタット設定値に達していない状態でヒーターをオフしたという不具合が発生しました。メーカーで不具合品を確認してもらった結果、接点間の導通不良が発生しており、電流による接点クリーニング後もメーカー規定値の10倍の接触抵抗になっています。メーカーではこれ以上の調査は実施してもらえませんでした。

弊社で不具合品を分解したところ、接点部の中央部は輝きがありましたが周辺部は黒く変色しており銀合金接点が硫化したと考えています。しかし、使用している通常時閉接点は黒い変色があるのに、通常時開接点には黒い変色がみられません。(C接点構成になっています)

微小負荷を断続する接点には、硫化が発生するためAgは適さないということはスイッチやリレーの技術情報に載っていますが、通常時閉接点のみ硫化がみられるということは微小電流と硫化に何か関係があるのでしょうか。いろいろと調べてみましたが、情報がありません。



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ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

家電製品の電源スイッチをON状態でコンセントにプラグを差し込んだり抜いたりするとプラグとコンセントとの間で青い火花放電(スパーク)が発生することがあります。豆電球につないだ線を乾電池に接続したり、離したりすると線と乾電池の電極との間でスパークが発生します。
コイルでなく直線導体であっても磁束が鎖交すればインダクタンスLが発生し、プリント基板の配線やパターン、電子部品の端子間など金属が向かい合い、金属間に空気などの誘電体があれば、そこにストレーキャパテイ(浮遊容量)Cが発生します。DC回路の等価回路がインダクタンスL、抵抗R、キャパシタンスCで構成され、DC電源、DCリレーが直列に接続された状態になれば、リレーの接点がON動作する時に定常電流より大きな突入電流が流れます。この電流によって接触抵抗のRcにジュール熱が発生し、溶融・転移する場合があります。
 一方、リレーシーケンスRLC回路において常閉接点を開く(OFF状態)時、インダクタンスLの両端に逆起電力(eL=-L di/dt)が発生して接点の両端に瞬時に印加されます。逆起電力(サージ電圧)の大きさはdi/dtに比例し、負荷が誘導性であれば数百~数千Vに達します。常閉接点が開く瞬間、接点間距離が短い段階では、逆起電力によって火花放電ないしアーク放電が発生します。これらの放電によって大気に含まれる硫化性ガスが分解され、Ag・Ag合金製接点の場合、黒色の硫化銀が生成されて表面に付着し、接触抵抗が次第に増大していきます。ここでサーモスタットが組み込まれた回路に流れる電流が小さくても単位時間当たりの電流の減衰が大きければ大きな逆起電力となります。
接点がON、OFF動作する時に発生することが多い電気的接点が物理的に閉開するチャタリングは、実質的な開閉回数を増やすので接触抵抗の増大に寄与している可能があり、検証の必要があります。
以上のように微小電流は常閉接点における硫化銀生成の原因となっています。
HIOKIの技術レポートであるUser’s Guide「信号用接点の抵抗測定」に、リレーやコネクタ-の接点に流れる電流は1A(5V)より1mA (20mV)の方が約1.5倍、接触抵抗が大きくなるというデータが記載されています。これは、今回質問のあったサーモスタットに流れる20mA(5V)より1桁以上小さな電流1mA(20mV)でも、信号用リレー接点において硫化銀による接触抵抗が増えるという事例です。