※いずれも質問投稿には会員登録が必要です
個人情報(個人名やメールアドレスなど)が公開されることはありません。


QUESTION 質問No.424

バークの発酵について

全体/その他  | 投稿日時:
現在バークの発酵について検討を行っておりますが、
目的は、バークを燃料として燃焼しその排熱を利用しようとしておりますが、現状敷地内に山積みしている状況にあり、内部は含水率が高く燃料として使用することが難しい状況です。

一方で発酵の際に発生する熱源で、少しでも含水率が低下できないかと考えております。

つきましては、下記の内容についてご教示頂きたくお願い致します。

① 山積みバークの発酵条件(含水率、高さ、バーク形状等)
② 発酵温度
③ 発酵時のバークからの発生熱量
④ 発酵時のバーク自体の発熱量損失(発酵する際の炭素、水素の反応式等発酵時の反応式もありますと助かります。)
⑤ 発酵の際に期待できる含水率低下について

以上となります。項目が多く申し訳ありませんが、ご回答の程お願い申し上げます。

よろしくご回答の程、お願い申し上げます。

補足1 投稿日時:2019/02/11 11:15

川本様

この度は、詳細にわたるご説明頂き、ありがとうございます。

川本様のご回答で、もう少し教えて頂きたく思います。

実は、発酵熱を利用したバーク乾燥の試みとして、破砕前バーク100%を2.5mほどの高さで
80m3程積んで2カ月ほどその状況を観察しました。

その結果、温度が30℃前後しか上昇しなかったのですが、発酵は行われたものと考えてよろしいでしょうか。
私自身は、発酵がうまくいかなかったと考えておりますが、バーク100%の状態で発酵熱を発生させることは無理でしょうか。
また、バーク自身に糸状菌、放線菌、細菌など微生物は存在するものでしょうか。

最後になりますが、発酵した際のバーク発熱量の変動は、分析をかけて高位発熱量から低位発熱量を算出し
評価しようと考えています。この熱量の変動分(差分)が発酵によって奪われた熱量と考えてよろしいでしょうか。

以上3点につきまして、再度確認させて頂けますと助かります。

お手数をおかけしますが、ご回答のほどお願い申し上げます。






ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

バークの発酵、含水したバークを乾燥させて燃料として燃やしたいというご質問に回答します。

 目的が水を含んだバーク(樹皮)を乾燥させて燃やし、発生する熱を利用することにあるのなら、ロケットストーブの排熱の活用をお勧めします。ロケットストーブはエントツ効果と断熱効果により燃料の廃材、間伐材、木質ペレット、生木などのバイオマスを完全燃させるので、炉内温度が800℃以上になって煙が発生しないという特長があります。この高い熱効率を持つロケットストーブはペール缶の廃材を2コ重ねて直筒付きエントツを真ん中に固定し、土壌改良材の市販パーライトでペール缶とエントツの隙間を断熱するだけ、約5000円で自作できます。排熱を使って含水したバークを乾燥させれば、あらたな燃料になるので、廃材や間伐材をさほど追加する必要がありません。最終的にはバークのみで乾燥バーク燃料・燃焼サイクルができます。システムを半自動化すれば、労力少なくして全ての含水バークを燃焼させることができます。バークを入れる燃料投入口は火炎吹き出すエントツとは別口になっています。排熱エントツを高くするなど構造は様々に変更できます。最も簡単な方法は含水バークと廃材と含水バークを一緒に燃やすという方法です。ここで、回答スペースに余裕がなく含水パークを乾燥させて燃やすロケットストーブ(参考)の写真を掲載できませんでした。

バークの発酵熱で敷地に山積みしたバークの含水率低下に関する5つのご質問それぞれに回答します。

①山積みバークの発酵条件(含水率、高さ、バーク形状等)
・発酵させるための最適含水率に関する実績報告は35~55%から60~70%まで幅広いです。最適含水率は発行条件によって変動します。持続的に発酵させるには、原料の窒素含量と炭素含量の割合、大気中に逃げる熱の割合、好気性発酵菌への短時間当たりの酸素の供給量、水分量、発酵菌の選択がポイントになります。さらに、持続温度をいくらにしたいのかで最適水分量が変わります。因みにバークに混合する鶏・牛ふんは窒素源、発酵促進剤の米ぬかは主として窒素源で、石灰窒素も窒素源となります。窒素の割合が多いと発酵が急激に進んで温度が高くなり、発酵が長時間続かなくなります。反対に炭素源が多めだと発酵が緩やかに進み、温度上昇は少なめですが、発酵が長期間持続します。水分量が多いと酸素を供給しにくくなります。
・バークを高さは1.5~2m、160m3積み上げて発酵させることができます。
・バークの形状はφ3~5mm以下の粗砕物です。

②発酵温度
 標準的な発酵温度は、高度好熱菌の場合60~80℃、中等度好熱菌の場合30~50℃ です。

③発酵時のバークからの発生熱量
 堆肥の熟成過程は、次の通りです。糖の分解→ヘミセルロースの分解→セルロースの分解→リグニンの分解。バークを発酵させるとき、主原料のバークは全量の80%以上、20%以下は鶏ふんや牛ふん、時には発酵促進剤として米ぬかを混合します。最初、バークや米ぬかに含まれる糖、アミノ酸、タンパク質などの低分子化合物が高温・好気性の糸状菌や細菌によって分解されます。これら微生物の呼吸によって発生する熱によって堆積物の温度は60~80℃近くになります。次いで、放線菌などの高温・好気性の放線菌や細菌が有する酵素(キシラナーゼ)で細胞壁を構成するヘミセルロースを分解すると細胞の中からセルロースが現れます。好気性放線菌や細菌が酸素不足の環境を作るので、嫌気性のセルロース分解菌がセルロースを酵素(セミラーゼ)で分解し、低分子の有機物が合成されます。最後に、最も分解しにくいリグニンの分解が始まります。この分解にはキノコが関与します。これらの分解プロセスが繰り返され、長期間温度が一定に保たれます。ここで、樹皮の主要成分は多くの分岐構造を持つヘミセルロース、多糖類のセルロース、3次元網目構造を持つ高分子化合物のリグニンです。樹皮の細胞はセルロースの周りをヘミセルロースとリグニンの殻が覆いかぶさっているような構造になっています。リグニンは木材を支持する役割を担っています。

④発酵時のバーク自体の発熱量損失(発酵する際の炭素、水素の反応式等発酵時の反応式もありますと助かります。)
 発酵熱の元になっている糸状菌、放線菌、細菌など微生物は呼吸するときブドウ糖を酸化させてアデノシン三リン酸(ATP)というエネルギーを生じています。次式はブドウ糖1mol(180.16g)から38molのATPが作られることを示しています。
      C6H12O6+6O2+6H2O→6CO2+12H2O+38ATP
38molのATPは277.4kcalに相当します。セルロースが糖に分解された後、アルコール発酵ないし乳酸発酵するとそれぞれブドウ糖1mol(180.16g)から2molのアデノシン三リン酸(ATP)が作られます。これは14.6 kcalに相当します。因みに、セルロースは多糖類で、その構造式は(C6H12O6)n、質量はブドウ糖のn倍です。
実際に使用するバークに含まれる糖の量が実測できれば全発酵熱が算定できます。また、バークの主成分の一つである多糖類のセルロースが糖に分解された後、有機物を合成するときに発生するエネルギーもセルロースの量が分かれば算定できるので、バーク固有の発酵エネルギーは推定できることになります。従って、変動する気象条件に依存する大気中に放出される熱量の推定、米ぬかの発酵促進効果、炭素源と窒素源の量、糖を分解する好気性の糸状菌や細菌、嫌気性のセルロース分解菌の活性が評価できれば、バークの単位重量、単位時間当たりの発熱損失の変動が算定できそうです。

⑤発酵の際に期待できる含水率低下について
 バークの発酵によって最大80~90℃になることが知られています。水は、沸点の100℃にならなくても蒸発するので、発酵熱でバークの含水率を低下させることは可能です。発酵熱をハウス栽培、養殖、融雪など様々な分野に活用できます。




ANSWER
回答No2 | 投稿日時:

補足1に対して回答させていただきます。

温度計測時の外気温が30℃以下の26~28℃であれば多少発酵したものと考えられます。その場合、バークに付着していた糸状菌、放線菌、細菌によるということになります。温度(30℃)を計測された場所は山積みされたバークの中心部でしょうか。糸状菌、放線菌、細菌は、主として土壌の中に存在していますが、風で舞い上がったり、飛来してきたものが空気中にも少なからずおります。そうした菌や細菌がバークにも少なからず付着しています。
 土の上でバークの発酵条件(バーク原料、発酵促進剤、水分、酸素など)を整えて土着菌(土中に生息する菌や細菌)がやってくるのをじっくり待って発酵させるより、通販で発酵菌を購入して混ぜる方が速いです1)。
前回も申し上げましたようにバーク発酵させるには、バーク80%、鶏・牛ふん、米ぬかなどの発酵促進剤など20%の構成になっています。これらをバークの原材料全部に混ぜる必要があります。
 繰り返しますが、バーク発酵させるには、まずバークや発酵促進剤に含まれる糖やタンパク質、アミノ酸を好気性の糸状菌や細菌などの微生物に分解させて60~80℃の高温にする必要があります。この発熱は微生物の呼吸によって生じます。
前回の回答は、バーク発酵すなわちバーク堆肥の作り方を解説したものです。バークの発酵熱で含水バークを効率よく乾燥させたければ、バークの山を2つに分け、1つ目の山で発生する熱を60~80℃の温風に替え、パイプを使って2つ目の山に送り、湿ったバークを乾燥させるとよいでしょう2)。1つ目の山では最終的にバーク堆肥ができます。
 バークの発酵熱で含水バークを乾燥させて燃やし、その排熱を活用するという方法はバークの量にもよりますが3ケ月から1年かかる長い仕事になります。前回も申し上げましたロケットストーブを活用する方法の方がスピーディで、効率的だと思います。ロケットストーブは自作しなくても市販もされています。検索してみてください。
 さて、バーク発酵の製法については、特許庁のホームページから特許検索できます3)。

発酵した際のバーク発熱量の変動評価に関するご質問にお答えします。そもそも発酵によって熱量は奪われません。発酵によって発熱します。この発熱は糸状菌、放線菌、細菌など微生物による糖、タンパク質など低分子化合物の分解過程における代謝熱いわゆる発酵熱です。

参考資料
1) 発酵菌/堆肥用・生ごみ処理用発酵促進剤の販売
2) 福島博、布野秀忠、安田泰明、日本畜産環境学会誌、No16(1) pp61-72,2017
3) 特許情報プラットフォームJ-PlatPat-INPIT の特許・実用新案、意匠、商標の簡易検索においてキーワードを入れます。例えば、バークの堆肥化方法