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QUESTION 質問No.206

実験ができない場合について

生産品質工学(タグチメソッド) |投稿日時:
部材や許可の関係上、実験計画を立てても実験ができない状況であります。

実験できない場合の最適化の方法があれば教えて頂けないでしょうか?

宜しくお願いします。


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ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

実験できない場合というのは、結構あります。ご質問から察するに、高価で入手困難な部材であったり、実験条件変更がきわめて困難な場合(実験そのものへの許認可や権限の問題も含まれる)が想定されます。又、実験工数や実験コストがかかる、短納期対応のため実験している時間がない等々もよく経験します。こういった状況を前提にご説明します。
 一般的な手法としては、「重回帰分析」あるいは「単回帰分析」による最適化です。この場合、目的変数と説明変数の数値が対応している「連データ」の存在が必要です。
又、同様の考え方で(解析方法は異なりますが)、「T法」(田口メソッドのMT法の一つで予測に用いられる)が挙げられます。結果のフィードバックの仕方がややこしくない事、初心者向けであることから、重回帰分析よりも私はT法を勧めています。重回帰分析はエクセルでも簡単にできますが、データの前処理や、結果の読み、変数選択を誤ると、大きな制御ミス(最適化ミス)につながります。この点、T法のほうが簡単であると思います。
T法なら、パラメータ数が多く、データ数が少ない場合にも対応可能ですので、短納期対応の点でも優れています。
 又、現場工程データや市場データには、目的変数が計量値でなく分類値である場合があります。作業ミス有無(作業ミスしやすい、しにくい。仕様の違いはなにか)、購買者の性別(男か女か、どちらがどういうものを選ぶか)の場合、判別分析やMT法が使えます。
 シミュレーションパラメータ設計やバーチャル設計も実際の実験はしないので、ご質問のような場合には役立つことがあるかもしれません。シミュレーションも実験の一部と考えれば、該当しませんが。
 以上は数理的な多変量解析視点で説明を進めてきましたが、特性要因図やヒストグラムからわかることもあります。とくに散布図は有用です。基本的なQC7つ道具であれば、大抵の場合実験を必要としないので、活動の初期はこれからスタートすべきでしょう。