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QUESTION 質問No.196

統計学、品質工学の学習法について

生産 品質工学(タグチメソッド) | 投稿日時:
製造現場でデータ解析手法を取り入れたいと思っています。

効率的に統計や品質工学を習得するにはどうすればいいでしょうか?


ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

 統計的手法(統計ではなく統計的手法)や品質工学を習得するには、まず基本的な入門書を読み、セミナーに参加し、研究会にて事例を学び、自社テーマに応用するといったスタイルが一般的で間違いではないでしょうが、効率的かといえば、そうともいえません。司法試験対策に憲法の基礎からはじめ、順次極めていくという勉強法スタイルに似ています。これでは、一生かかっても受からないようですね。憲法研究だけでも5年ぐらいかかり、それから刑事訴訟法やら商法をやっていたら、一生をおえるからです。統計的手法・品質工学でも同じことです。たとえば、正規分布だけでも、極めることは大変です。へたすると、そこで落ちこぼれます。品質工学の損失関数を極めていたら、肝心の実験に入る前に退職になります。おおげさにいえば、そういうことです。製造現場でのデータ解析には、データそのものの種類も様々ですから、どういった手法が役に立つかは、そのデータの特徴と問題(テーマ)に合わせた手法を選ぶ必要があります。このため、効率的に統計的手法(ご質問では統計)や品質工学を習得することが本来の目的ではなく、問題解決・課題達成のために「効率よく統計的手法や品質工学を習得する」ということが目的だとしたら、まず「ターゲットとする実在のテーマ」を設定することをお勧めします。そのうえで、どういったデータを扱うのか、なにをしたいのかで習得しなくてはならない手法に狙いをつけたほうが、効率的です。効果が得られれば、人はその理論背景に興味を持ち、学習していくものです。実践から入り、基礎にかえるというスタイルが、製造現場というキーワードに対する統計的手法・品質工学の習得を効率化させると私は思っています。
 たとえば、
  テーマ:工程対応データと品質特性値があり、工程パラメータを最適化したい
        ⇒手法:重回帰分析、T法
     :異常ロットとそうでないロットの違いや着眼点を知りたい
        ⇒判別分析、MT法
     :慢性品質問題や設備能力を上げる実験をしたい(データとりから)
        ⇒実験計画法、パラメータ設計
     :抜取検査をしているが、この最適な頻度やサンプルサイズを決めたい
        ⇒抜取検査設計、オンラインQE
のような対比が考えらえます。現場データといっても、さまざまな問題を抱えたデータです。どういったデータをどういう目的で解析したいのかによって、解析手法は大きく変わってきます。このため、解析手法に合わせてデータをみるのは本末転倒で、データと目的に応じた解析手法が必要です。そして、こういったスタイルでなければ、実学である統計的手法や品質工学は身につかないと考えます。少なくとも効率的な習得法は、手法が実学である以上、テーマも実践的でなければなりません。
 そうはいいましても、全く知識がない場合、どこから入ったほうがいいのかさえ分からないというレベルの場合、困ってしまいます。しかし、昔と違い、本サイトのように、ちょっとしたこと(入口程度)なら専門家にも相談しやすいシステムがすでに用意されています。こういった仕組みも一助としてうまく利用し、実践テーマから入っていくことが非常に大事だと思います。
      




ANSWER
回答No2 | 投稿日時:

非常に難しい内容ですが
学習した分だけ応用ができると思いますので
学習書籍として紹介させていただきます

ダイナミックシステムを
「生産変化・変動によるダイナミックな製造工程」と理解すると
製造現場で応用できます(これまでに多数の実績が有ります)

「ダイナミックシステムの統計的解析と制御[新訂版]」

赤池弘次(元統計数理研究所教授)
中川東一郎 著

定価:2,484円(本体2,300円+税)
発行:サイエンス社
発行日:2000-12-01

<内容詳細>
不規則変動を示すシステムの計算機制御を実現するための統計的方法を具体例にそくして解説.時系列解析プログラムTIMSAC関連ソフトの現状の解説を増補し,さらにその最新のソースをダウンロードすることもできる.
<目次>
1 何が問題か
1-1 取り扱おうとしている問題の意義
1-2 問題の具体的な形
1-3 統計的ダイナミックシステム
1-4 システム解析の目的
1-5 統計理論の使い方
2 困難の実例
2-1 ロータリキルンとは
2-2 キルンの制御
2-2-1 初期の人間による制御
2-2-2 定値制御の導入
2-2-3 局部定値制御の実態
2-2-4 制御系における人間の特性
2-3 初期の計算機制御
2-3-1 数式モデル
2-3-2 制御設計(補償回路設計)
2-3-3 制御系の構成
2-4 制御の実際の問題点
2-5 困難点の克服は何によるか
3 基礎的な準備
3-0 確率論的な諸概念
3-0-1 確率
3-0-2 確率変数
3-0-3 確率変数の平均値
3-0-4 確率変数の独立性
3-0-5 ガウス分布
3-0-6 確率過程
3-1 定常時系列のスペクトル解析
3-1-1 自己共分散関数とパワースペクトル
3-1-2 相互共分散関数とクロススペクトル
3-1-3 多入力システムのスペクトル解析
3-1-4 スペクトルの統計的推定
3-2 自己回帰モデルのあてはめ
3-2-1 1次元自己回帰モデル
3-2-2 多次元自己回帰モデル
3-2-3 シミュレーション
3-3 フィードバックシステムの解析
3-3-1 フィードバックシステムの解析の目的
3-3-2 フィードバックシステムのスペクトル解析
3-4 データ処理上の問題点
3-4-2 観測雑音の処理
3-5 統計的制御系の設計
3-5-1 ダイナミックシステムの状態空間表現
3-5-2 定常時系列の状態空間表現
3-5-3 2次評価基準の下での最適制御系設計
3-5-4 評価基準の決定
3-5-5 制御系設計のための自己回帰モデルのあてはめ
3-5-6 将来の発展の方向
4 成功の実例
4-1 キルンのスペクトル解析
4-2 変数の選択
4-3 フィードバックシステムとしての解析
4-4 制御系の実現
4-4-1 クーラ単独制御の実施
4-4-2 キルン・クーラシステムの制御
4-5 実験の成功によって得られた情報と実用化への道
4-6 まとめ
5 計算プログラム(TIMSAC Package)
5-1 共分散関数計算
5-2 スペクトル解析計算
5-3 自己回帰モデル計算
5-4 自己回帰によるスペクトル解析計算
5-5 最適制御系の設計計算
5-6 共通サブルーチン
6 索引

<著者についての情報>
赤池弘次会員の京都賞受賞に寄せて 北川 源四郎 より抜粋

・・・現役時代の赤池氏は,私たちに統計科学の研究者
は人の 3 倍勉強しなければならないと説いていた.
数理的な研究,応用対象領域の研究
そしてデータ解析・計算法の研究である.
純粋数学に徹するならばともかく,応用を目指すからには,
その覚悟が必要であり,それを成し遂げた先に,
次世代を牽引する新しい科学的方法が見えてくることを,
赤池氏の成功は物語っているように思える.
これは統計科学に限らず,広く数理科学の研究者が心すべきことであろう.

やや易しい学習書籍(推奨)

生体のゆらぎとリズム
著者名 監:赤池 弘次 著:和田 孝雄
発売日 1997年11月13日
価格 定価 : 本体5,000円(税別)
ISBN 978-4-06-153654-8
判型 A5
ページ数 226ページ

目次
0.何がわからないのか
1.ゆらぎとリズム
2.時間の概念と周波数の概念
3.フーリエ級数と周波数分析
4.フーリエ変換とパワースペクトル
5.デジタル信号と離散フーリエ変換
6.線形予測と周波数解析
7.システム同定の実際
8.モデルの次数決定
9.スペクトル解析の実際
10.多変量自己回帰モデルを用いた生体内フィードバック解析
付録 コンピュータプログラムの使用法