人的資源マネジメント:脳を活性化する技術(その3)

3. スイッチを入れるための優位感覚

 
 フローアライブは「五感レベル」あるいは「フローレベル」になることで、脳の働きを活性化させ、創造性や想像力を必要とする企画や、ドメインモデリングなどの設計に対する苦手意識を払拭します。実際にフローアライブをやってもらった技術者からは「思いもよらない気づきがあった」という声をよく聞きます。
 
「五感レベル」や「フローレベル」になるために大切となるのが、そのきっかけ作りです。意識レベルをあげるためのスイッチを知ること、持つことです。このスイッチは一人ひとり違うのですが、助けとなるのが自分の「優位感覚」を知ることです。
 
 突然ですが、「ハワイ」と聞いて頭の中に何が思い浮かびますか。芸能人が行くところとか、日本人がいっぱいというような説明的なことではなくて、頭に浮かぶものを答えてください。それは次のどのタイプに近いでしょうか。
 
図43.優位感覚
 
 映像中心の人もいれば、音や音楽中心の人もいれば、肌や身体の感覚中心の人もいるはずです。人によって優先的に使っている感覚が違い、その感覚で物事を理解しているのです。これが優位感覚です。もっとも受け入れやすく、その感覚から情報が入っていくと素直にすっと理解できるのです。 優位感覚は次の4つに分類されます。
 

視覚優位

 
 絵や図を使って理解するのが得意なタイプです。頭の中で映像イメージを描きながらものごとを考えます。頭に浮かんだものを見たまま伝えるため、話があちこちに飛ぶ傾向があります。見た感じを大切にし、外見に心を動かされやすいところがあります。
 

聴覚優位

 
 音で物事をとらえるのが得意なタイプです。一度聞いただけで物事を覚えることができ、テンポが速く早口であることが多いようです。相手のちょっとした声のトーンや調子の変化に敏感で、反面、騒音があると集中できない傾向があります。
 

体感覚優位

 
 物事を感触や感じでとらえるのが得意で、まずはやってみるというタイプです。動いたり話したりするスピードはゆっくりで、何かをしたり、体を動かしたりすることで記憶することが多いようです。早口で話されるとついていけない傾向があります。
 

言語感覚優位

 
 頭の中でいろいろと考えたり試したりするのが得意なタイプです。言葉の意味や文章のつながりを気にしたり、構造や工程、順番などに価値を感じることが多いようです。物事についてじっくりと考えるので、自発的に動くことが少ない傾向があります。
 
 さて、あなたの優位感覚はわかりましたか。複数になることもありますので、ひとつに決めることがで...
きなくても気にする必要はありません。自分の優位感覚がわかっていると、あるいは、相手の優位感覚がわかるとコミュニケーションが容易になります。そして、フローアライブを実施するときは、自分の優位感覚を中心にその場面をイメージするのがうまくやるコツです。お試しください。
 
(注) フローアライブ:Copyright © RDPi
 
  
◆関連解説『人的資源マネジメントとは』

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