購買業務の要点:見積査定

 前回のその6に続いて解説します。購買業務の中でもとりわけ重要とされるのが『見積査定』ではないでしょうか。サプライヤーから提出された見積価格が妥当なのか否かを検証する必要があります。この提出された価格の妥当性を調べる方法ですがいくつかのやり方があります。まず価格が高いかどうかをチェックする必要があります。
 
 その一つが競合他社比較です。これは相見積を行うことで複数社の価格を比較する方法です。これは最も一般的かつ容易に価格の妥当性を見ることができます。類似品実績比較というやり方もあります。これは同一または別サプライヤーで以前発注したことのある類似品と比較して価格の妥当性を見る方法です。
 
 前回発注比較という方法があります。これは同じ製品をかつて発注していたのであれば、その時点からの変化を考慮し価格の妥当性を見るやり方です。
 
 製品機能比較というやり方があります。これは例えばかつて径15ミリの歯車を調達し、今回、径20ミリのものを調達する場合にコアとなる径の大きさの比例分だけ価格が異なるかどうかをチェックするやり方です。
 
 市場流通品比較という方法があります。これはマーケットリサーチや店頭販売価格、web等で入手した価格と比較し価格の妥当性を見るやり方です。
 
 コストテーブル比較というやり方もあります。材料費、加工費、購入部品、設備・金型・検査具の過去実績と比較して価格の妥当性を見るやり方です。
 
 上記のような方法を実施しまず提出された価格が高いか否かをチェックします。そしてさらに査定を行います。
 
 その一つが「コストドライバー分析」と呼ばれるものです。これは価格の決定的な要素(コストドライバー)を見つけてそれと価格との相関から適切な価格を導く分析です。
 
 例えば電線を購入する場合を考えてみましょう。...
1mの電線、2mの電線、3mの電線を調達したことがあれば2.5mの電線の価格を類推できます。このケースでは「長さ」がコストドライバーということになります。これ以外に重量や体積、面積や時間など単一の要素で価格を推定できるものに関してはこのコストドライバー分析が適しているということになるのです。
 
 

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