ソレクトロンのBTO事例

 サプライチェーンにおいて、スピーディな「開発設計を含む生産」にコアコンピテンスをおいて受注生産(ATO、BTO)に特化し成果を上げたのが、米国のEMS企業ソレクトロン社です。IBM、HP(ヒューレット・パッカード)などの大手顧客のOEMベンダーとして、資材・生産手配をリアルタイムで行なうことで経営資源を同期化させ、リードタイムを短縮することで急成長しました。同社は、オーダー毎に仕様が違い工程の異なるサプライチェーン上で、生産・納期の進捗状況がインターネットでわかるような仕組みを作ったのです。ソレクトロン社は自社ブランドをもたないメーカーで、すべてが受託生産であるということは、生産のアウトソーシングがサプライチェーンマネジメントによって可能となるという一つのビジネスモデルといえます。

 「生産のアウトソーシング」で成功するには、顧客からの製品計画の要求に迅速に対応し、低価格で、スピーディに製品を提供することが必要となります。資材部品の調達先から顧客まで、社内・社外を含むサプライチェーンマネジメントの功拙が、競争力を決定します。そこで、インターネットを活用し、ERPで業務をリアルタイムに状況把握し、リードタイムが最短になるようなサプライプランを連続的に更新する仕掛けを作りました。特にソレクトロン社のようなビジネスでは、生産開始直前まで顧客の仕様変更などのワガママを受け入れることができれば、顧客は大きな価値を得ることができます。  このような取引におけるパートナー関係は、顧客満足度の旗印からみれば、顧客のワガママにどれだけ耐えられるシステムをもっているかが勝負の分かれ目です。

 サービスレベルとスループットとの関係は、このような顧客の要求に耐えられるサービスが、受注を増やすというメカニズムにあります。ソレクトロン社は、サプライチェーンマネジメントによって在庫が40%削減し、リードタイムが短縮し、スループットは5年間で9倍、純利益は11倍に増えました。これらは年平均成長率にすると、それぞれ55%、62%の成長です。  デルコンピューター社とともに、サプライチェーンマネジメントの成功事例として、多く引用されるビジネスモデルです。


この記事の著者

今岡 善次郎

在庫が収益構造とチームワークの鍵を握ります。人と人、組織と組織のつながり連鎖をどうマネジメントするかを念頭に現場と人から機会分析します。

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