5S活動は安全の基本:物流安全の勘所(その3)

 

◆ 5S活動は安全の基本

 物流現場は製造現場に比べて5Sはあまり進んでいません。しかし物流は5Sができて初めてまともな仕事ができると言っても過言ではありません。物流安全のために明らかに効果がある活動が5S活動です。5Sはほぼ万能ともいえる活動ですから徹底して実行することでいろいろな効果が期待できます。そんな中でも特に安全に効果が大きいので一緒に考えていきたいと思います。

 物流現場は製造現場に比べて5Sはあまり進んでいません。しかし物流は5Sができて初めてまともな仕事ができると言っても過言ではありません。倉庫内作業を見ていると床にものが直置きされており、人が歩くときに危険である状況を目にすることがあります。

 直置きするなとは言いませんが、そうする場合には「置き場を定め」「そこを明確に区画」することが大切です。通路はものの置場ではありません。保管場は保管場として他のエリアと区分しなければなりません。つまり倉庫の使い方がポイントなのです。

 この場所ではものを保管する。ここはピッキングを行うための通路なのでものは置かない。フォークリフトが新入できるのはこのエリア。といったように使い方を明らかに区分することです。

 

 先にも記しましたがフォークリフトは非常に危険な機械です。物流では当然のようにフォークリフトを使っていますができれば使いたくないのがフォークリフトです。製造会社ではフォークリフトを使わない工場づくりが進んでいます。つまり高いところにものを置くことを無くす、荷姿は手でハンドリングできる大きさにするなどといった工夫をしていくことでフォークリフトを無くしていっているのです。

 物流現場では保管効率を向上するためにフォークリフトは使わざるを得ない状況にあることが多いため、少なくともフォークリフトが動けるエリアを限定することが必要ではないでしょうか。保管効率を向上させるために移動棚を導入している倉庫もあると思います。移動棚とは棚自体が移動し、特定の棚間だけに通路ができるしくみになっています。

 もしかしたら皆さんはこういったタイプの書庫をご覧になったことがあるかもしれません。移動時に人がはさまれて負傷するようなことが発生しないように安全装置を含めた検討が必要です。自動倉庫について...

も同様です。機械には必ず危険が伴います。それを安全装置や安全ルールで克服する必要があるのです。

 いかがでしょうか。物流現場に存在する危険を除去するとともに隠れた危険に対処するために社内でルールを定め、それを守っていく風土を醸成していくことが大切です。安全はすべてに優先します。危険を感じたらそこで仕事を止める勇気を持つことが必要です。ものを落として壊してしまうことを恐れ危険な動作をしてしまうことはありませんか?常に物流現場では安全第一を心がけましょう。

 

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