サプライチェーンマネジメントとは:物流実力値把握の重要性(その3)

 

◆ サプライチェーンという領域

 サプライチェーンマネジメント、通称SCMですが、トラックでの輸送や倉庫での在庫保管という物流の重要機能から範囲を広げてサプライチェーンという対象範囲で、これを管理していくことです。この中には調達先のマネジメントやお客様にお届けするまでの業務も含んでいます。後者につきましては通信販売を考えると容易に重要性が理解できると思います。

 通信販売は業種としては小売業です。しかし商品を実際にお客様に届ける業務は物流事業者が実施していることが大半ではないでしょうか。配送だけを物流事業者に任せている場合もあれば、倉庫オペレーションまで委託している場合もあるでしょう。

 この点から通信販売の競争力は物流にあるとも考えられるのです。

 

 一方でサプライヤーを領域に含めた時にそこまでマネジメントできている会社は少ないと思われます。一般的に購入したものはサプライヤーが届けてくれますので関心が薄いのかもしれません。またサプライヤーから購入したものを加工、組立を行うことがありますが、その時の生産指示や在庫の持ち方もサプライチェーンマネジメントの一環であると考えられます。

 つまり物流といってもその対象範囲は異なり、会社によっても解釈は違ってくると考えるべきなのです。今や単なる従来型の物流、つまり輸送や保管といった機能だけでとらえても必ずしも会社の競争力は高まらないと認識した方がよいのです。

 この点について「もちろんその通り」と考えられる経営者は競争力を高めていくことができるでしょう。しかし物流に関心が薄く、そこに資源を投資しない会社は今後の競争力低下は否めません。サプライチェーンの競争力を示す指標はリードタイムです。お客様からの発注を受けていかに短時間でものを届けることができるかが重要なのです。あわせていかに少な...

い在庫でお客様の要望を満たしていくかということも大切な要素です。在庫をたくさん抱えて顧客対応することでは真の実力はつきません。

 物流を主体に実施している会社や部門ですらこの「サプライチェーン」という切り口での認識はあまり高いとは思えません。物流が中心になってリードタイム短縮と在庫削減に寄与できる改善を進めていきましょう。それが会社の今後の命運を握っていると言っても過言ではないからです。

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