現場から出てくる発想:現場発信型の改善(その1)

 

◆ 物流現場の不便をすくい上げよう

 物流現場を良くしていくためには作業者の方が普段感じていることをすくい上げることから始めるべきではないでしょうか。物流現場で働く方たちは毎日の作業の中で問題だと感じていることがいろいろとあるものと思われます。

 ある物流センターでのピッキング作業を見ていて気づいたことがあります。この物流センターではピッキングカートにタブレット端末を付けてオーダーを見やすく表示しています。オーダーを紙で出しているところもあればハンディーターミナルで発信しているところもあります。このセンターではさらに上を行きタブレットを使っていました。

 ここまででしたらよくある改善ですが、驚いたのは複数顧客向けを同時にピッキングしていることでした。複数の折り畳みコンテナをカートに設置しピッキングした商品をそれぞれ投入していくのです。ピッキング作業は一般的に顧客単位に行うパターンと、同じ商品をいったん集中ピッキングし顧客単位に仕分けをするパターンがあります。

 この会社ではこの中間を行っているのです。複数の顧客が同じ商品を買うことはよくあることです。この物流センターでは同じ商品をピッキングする時にはその複数の顧客の分をピッキングし直接その顧客向けの折り畳みコンテナにその場で入れていくのです。

 

 こういった発想はまさに現場から出てくるものです。一日に何度も同じ商品をピッキングするためにカートを押しながら歩行しなければならないものを何とかしたい、という要求から出てきた改善案だと推測します。同様に普段作業者の方が仕事をしている中で「やりにくい」「不便だ」と感じているところが改善の狙い目となります。

 やっている会社は多いと思いますが「改善提案制度」でこのような不便さを抽出することも一つの手ではないでしょうか。

 ピッキング時に何度も棚表示を確認している様子を見...

かけます。文字が小さくて見にくいので間違ったら大変ということで作業者は何度も確認を行っているのです。このようなケースでも文字サイズを大きくする、棚に色を付ける、通路に色を付けるといった改善方策が浮かんでくるものと思います。まずは毎日のミーティングでヒアリングしてみてはいかがでしょうか。結構作業者の皆さんから意見が出てくるかもしれません。

 

 次回に続きます。

 

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