損害賠償の範囲とは:物流契約の考え方(その3)

 

◆ 荷物の延着や損傷など、想定される事象は契約書に!

 物流で扱う他人からの預かりものに対しては、十分に注意して取り扱うことが求められます。物流の過程で顧客の荷物を損傷してしまった場合には賠償責任が生じます。この損害賠償の範囲をどこまでにするのかは契約で決まります。この場合「物流受託者側の責任で、荷物を損傷したケースにおいて賠償を行う」という文言になると思われます。

 では、交通事故で道路が大渋滞し、延着が発生した場合にはどうなるでしょうか。常識的に考えれば不可避的事項として免責としたいところです。しかしこういったケースを想定し、契約で決めておかないと事業者責任を求められることにもなり兼ねません。

 冬場の大雪で道路状況が極めて悪い時に「何としても着けろ」という指示が、荷主から出ていたという話を聞きました。これは一種の天災にあたる可能性がありますが、やはり契約書に何かしらの文言で記しておく必要がありそうです。こういった延着の事由はある程度想定されますので、それを契約書に入れておくことは難しいことではありません。

 顧客の荷物の損傷ですがよく「段ボールのへこみ」について話題になることがあります。段ボールを積み重ねた際に下の方の箱にへこみが出てしまうことがあります。この「へこみ」が荷物の引き渡し前なのか後なのかによって、責任分担が全く変わってきます。物流事業者は積み込みに行った際、荷物に損傷がないか確認しておく必要があります。仮に積み込み前に損傷があったとしてもそれに気づかずに引き取ってしまうと、後でその損傷が見つかっても、物流事業者の責任になることが考えられます。高価な商品を保管したり運んだりする際に、何かあった時の損害賠償は多額となる可能性がありますので注意が必要です。

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 いかがでしょうか。契約の重要性はご理解いただけたもの...

と思います。繰り返しになるかもしれませんが、契約書に書かれていない事象が生じた場合、もめることが考えられます。想定される事象はできるだけリストアップして一つひとつ契約書に織り込みましょう。日本はあまり契約というものに慣れていない傾向にありますが、それは望ましい姿ではありません。お互い真剣にビジネスを行うのであれば、できるだけ曖昧な要素は避け、お互いの約束事についてしっかりと合意しておきましょう。

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