標準作業書 物流サービス契約の締結(その2)

 

◆ 標準作業書にサービス水準を明記する 

 工場内物流も物流事業者と同様の考え方を持つべきでしょう。つまり自分たちが提供するサービスについて標準作業書に明記するのです。製造工程で当たり前に作られている標準作業書ですが、物流となると作成率がぐっと低くなる傾向にあります。しかし、いつも申し上げている通り、品質の高い物流作業を高効率で実施するためには、標準作業の設定が不可欠ですので、物流部門は自部門の行う各物流作業の標準作業を設定し、それを標準作業書に落とし込むことを心掛けましょう。そして標準作業の中にうたわれた物流サービス水準について、きちんとお客様である製造に提示することが望ましいでしょう。

 標準作業が設定されていないと、作業者によって仕事の仕方が異なる可能性が出てきます。結果的に製造に対するサービス水準に差が出てしまい、これでは品質や効率を一定に保つことができず、製造品質にさえ影響を及ぼす可能性だってあるのです。

 標準作業書には品質のポイント、こなすべき標準時間、安全上のポイントなどが記されることになります。それを実行すれば、現行考えられる最高の物流作業ができることになるのです。

 さて物流事業者におけるSLA(サービスレベルアグリーメント)や工場内物流における標準作業書ですが、これはある意味でバイブル的存在で、それがなければ仕事をしてはならないくらいの位置づけであるべきだと思います。

 確かにこれらのドキュメントを作成するためには時間を要します。しかし、それについて手を抜くということは仕事の手抜きと同様、あってはならないことだと考えるべきではないでしょうか。しっかりと時間を取り、自分たちも、そして顧客側も納得のいくものを作り上げることが重要です。

 これらのドキュメントが全くない場合、初めのうちは少々大変かもしれませんが、一回作成すればあとはそれを改定する形で作成できるため、だんだんと作成時間は効率化されていくことでしょう。

 ではこれからSLAの内容のポイントについて一緒に考えて...

いきましょう。最初に仕事の受注についてみていきましょう。SLAには次のようなポイントを織り込むとよいでしょう。
  • 顧客からの受注時刻:例えば前日午後3時を受注締切とする、それを超えた場合は翌日分とするか追加価格を徴収する、といった決め事を明記しましょう。
  • 緊急オーダー:納入リードタイムが〇〇時間を下回るオーダーについては価格を2倍とする、などメリハリある契約内容にするとよいでしょう。

 

 次回に続きます。

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