海洋ごみ問題に関して

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海洋ゴミ

◆ プラスチック資源循環戦略のマイルストーン

 山口県北西の日本海側に角島という綺麗で小さい島があります。そこへ行くには角島大橋というテレビCMでも度々使われる壮大な橋を渡っていきます。先日、その島へ行く機会がありました。海岸近くに車を止め、綺麗な海岸に降りて行ったまでは良かったのですが、そこにはかなりのプラスチックごみが目立ち、ごみのラベルを見るとハングルや中国語で書かれたものが殆(ほとん)どでした。

 さすがに日本海に面しているだけあって、韓国や中国からの海洋ごみが漂着するのは理解できるのですが、太平洋岸で生まれ育った私にとっては新たな驚きでした。

 2016年に環境省が実施した調査によると、海岸で回収されたペットボトルの製造国をみると奄美では8割以上が、対馬等では4~6割が外国製(中国・韓国など)だったそうです。一方、北海道の根室ではほとんどが日本製のペットボトルで外国製は2割以下のようです。この結果から、海洋ごみの原因を近隣諸国のせいだけにはできないようです。

 そこで政府としてプラスチック資源循環戦略を策定。同戦略では「3R+Renewable」を基本原則とし、さらにレジ袋有料化義務化が実施されました。

 この戦略展開に当たっての「マイルストーン」です。

(1) リデュース(Reduce)

 • 2030年までに、ワンウェイのプラスチックを累積25%排出抑制

(2) リユース・リサイクル(Reuse・Recycle)

 • 2025年までに、リユース・リサイクル可能なデザインに
 • 2030年までに、容器包装の6割をリユース・リサイクル
 • 2035年までに、使用済みプラスチックを100%リユース・リサイクル等により、有効利用

(3) 再生利用・バイオマスプラスチック

 • 2030年までに、プラスチックの再生利用を倍増
 • 2030年までに、バイオマスプラスチックを約200万...

海洋ゴミ

◆ プラスチック資源循環戦略のマイルストーン

 山口県北西の日本海側に角島という綺麗で小さい島があります。そこへ行くには角島大橋というテレビCMでも度々使われる壮大な橋を渡っていきます。先日、その島へ行く機会がありました。海岸近くに車を止め、綺麗な海岸に降りて行ったまでは良かったのですが、そこにはかなりのプラスチックごみが目立ち、ごみのラベルを見るとハングルや中国語で書かれたものが殆(ほとん)どでした。

 さすがに日本海に面しているだけあって、韓国や中国からの海洋ごみが漂着するのは理解できるのですが、太平洋岸で生まれ育った私にとっては新たな驚きでした。

 2016年に環境省が実施した調査によると、海岸で回収されたペットボトルの製造国をみると奄美では8割以上が、対馬等では4~6割が外国製(中国・韓国など)だったそうです。一方、北海道の根室ではほとんどが日本製のペットボトルで外国製は2割以下のようです。この結果から、海洋ごみの原因を近隣諸国のせいだけにはできないようです。

 そこで政府としてプラスチック資源循環戦略を策定。同戦略では「3R+Renewable」を基本原則とし、さらにレジ袋有料化義務化が実施されました。

 この戦略展開に当たっての「マイルストーン」です。

(1) リデュース(Reduce)

 • 2030年までに、ワンウェイのプラスチックを累積25%排出抑制

(2) リユース・リサイクル(Reuse・Recycle)

 • 2025年までに、リユース・リサイクル可能なデザインに
 • 2030年までに、容器包装の6割をリユース・リサイクル
 • 2035年までに、使用済みプラスチックを100%リユース・リサイクル等により、有効利用

(3) 再生利用・バイオマスプラスチック

 • 2030年までに、プラスチックの再生利用を倍増
 • 2030年までに、バイオマスプラスチックを約200万トン導入

 これらを目標とする期限まで達成するにはかなりハードルが高いと思いますが、これらを実現する上でも、バイオプラスチックの実用化向上と化石燃料由来プラスチックの代替素材の開発は、環境分野を超えたイノベーションを起こす重要な鍵になりそうです。

 

 【出典】八角様 HPより、筆者のご承諾により編集して掲載

◆関連解説『環境マネジメント』

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この記事の著者

八角 克夫

化学技術・知的財産・情報の3つの柱のプロとして、お客様の課題解決や将来へ向けての提案をしていきたいと考えております。

化学技術・知的財産・情報の3つの柱のプロとして、お客様の課題解決や将来へ向けての提案をしていきたいと考えております。


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