物流効率化に使える手法 物流会社が取り組むべき管理技術(その3)

◆ QCへの取り組み

 物流現場の管理ボードに掲示する書類にはグラフや表を活用し、一目で見て「良いか悪いか」がすぐ分かるようにしましょう。目標と実績は数字で管理します。例えば折れ線グラフで表示するとした場合、達成は緑色の丸、未達成は赤色の丸でポイントをつけるようにします。人には色による識別が最も分かりやすいといわれているからです。

 物流作業の出来高もできるだけ管理のメッシュを細かくした方が良いと思われます。例えば1日単位での出来高管理ではなく、1時間単位での出来高管理としていくようにします。10時から11時は計画通りにできたのか、では11時から12時はどうだったのか、といったようにメッシュを極力細かくします。

 最初は難しいかもしれません。その場合は最初は一日単位でも良いでしょう。徐々に細かくしていけばいいのです。ただし作業者に対しては「今日の帰りまでにこの荷物を準備しておいて」という指示の仕方は好ましくありません。

 その場合には「11時までに」とか「14時半までに」というように本来でできる時間で指示を出しましょう。これは労働生産性を向上するためには重要なことです。本来であれば14時半までに終わる仕事を帰りまでにやって欲しいと指示したとたんに作業者の作業スピードと作業密度が明らかに低下してしまうからです。

 また、課題解決手法としてQCがあります。QCとは Quality Control の略でもともとはものづくりにおける品質向上が発端です。このQCは今やサービス業や病院などでも一般的になりました。一方で物流業はというと、まだ言葉すら浸透していない状況です。

 ぜひこのQC手法を学び、それを日々の業務管理に役立てていただきたいと思います。事業所の中に4~5人のグループをいくつも作り、それをQCに取り組むグループとします。そしてグループごとに定期的に活動を推進するようにしましょう。

 さらに会社内でQC発表会を設け、定期的に各グループから発表してもらうようにするのです。製造業の物流部門も同様です。QCは製造部門が行うものだとい...

う発想は間違っています。自分たちの物流品質の向上や物流効率化にも十分使える手法ですから、ぜひ手掛けていきましょう。

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 物流ではあまりこのような管理技術が進んでいないことは事実です。だからこそ、取り組むことで大きな効果を生み出すことができるのです。物流会社であれば物流部門の品質レベルやコストレベルの向上と取引先からの信頼を得るため、ぜひ管理技術を導入しましょう。1年もすれば目覚ましい成果が得られることは間違いありません。

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