物流に加わる情報機能 新たな発想で仕事を広げる・仕事を変える(その1)

◆ 物流5機能にとらわれるな

 どのような仕事でも長年従事していると仕事の進め方、やり方に慣れてしまい、それが当たり前になってしまいます。また、仕事に慣れてくるとそのスタイルを変えることには勇気がいります。また、その仕事の担当者は仕事のやり方を変えることには否定的になります。

 慣れたやり方を変えることは非常にエネルギーのいることでもありますから無理もありません。しかし、もし現状を前提で考えていくと仕事の発展性が欠けてしまいます。物流でいえば輸送、保管、荷役、包装、流通加工といった「5機能」の話が出てきます。最近はこれに加えて情報機能がよく話題になります。

 このように物流には「5機能+1」の機能があるという前提で話が進みます。この機能論議を始めると、物流の仕事の範囲が制限される恐れがあるのです。物流と切っても切れない機能として「在庫管理機能」があります。在庫はものの購入や生産、受注予測、販売の結果として出現します。

 つまり、ありとあらゆる活動の結果として表れるのが在庫なのですが、物流はその在庫を「現物」として目の当りにすることができる立場にあります。しかし、多くの物流担当者が在庫は「荷主の責任だから」とか「調達部署の仕事だから」、「営業部署の仕事だから」といって関わることを避けがちです。

 これは自分たちの仕事の領域を制限しているからこそ出てくる言葉ではないでしょうか。確かに自分たちのコアとなる業務は何かといえば「ものを動かす」業務だということは間違いありません。ただし、今やそういった業務を「点」でとらえるのではなく、サプライチェーンといった視点で「線」や「面」...

でとらえてその範囲で何ができるのかを考えていかなければならないのではないでしょうか。

 「ものづくり」に入り込んだり、荷主会社に「アドバイス」したりする物流会社のことが報道されています。この事実は業務の領域を広げ、ビジネスチャンスを拡大していくには当然の考え方なのです。新たな発想で仕事を広げる・仕事を変えるチャンスを見つけましょう。

 次回に続きます。

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