物流改善スキルと交渉力 効果的な物流人財育成(その3)

 
 
 
 物流人財育成の中でも最も重要なスキルとして物流改善スキルが挙げられます。物流企画力と同じくらい大切です。この改善スキル、机上だけではなかなか身に付かない類のものです。やはり経験が大切。何度も何度も物流現場に足を運び、3現主義で問題点発見と要因つぶしを行っていくことが育成上望ましい姿です。
 
 前回お話させていただきましたように、物流や在庫の発生要因に気づかせることはとても有意義なトレーニングになります。
 
 物流は何かしらの要因で発生するものなので、物流改善を行うためにはその要因をつぶさなければ解決しないのです。そしてその要因発生部署に対しても、ものを言えるようにならなければなりません。物流は昔からどちらかというと受け身で仕事をしてきました。
 
 物流から率先して他部署を巻き込みながら何かを変えていくということはほとんどなかったといえるでしょう。生産が遅れても物流でトラックを待たせたり、特便を走らせたりして対応してきました。営業予測が外れて製品在庫が増えても、物流が倉庫スペースを捻出したり、外部倉庫を借りたりして何とか問題が起きないようにしてきました。
 
 言い方はよくないかもしれませんが、生産遅れや営業予測外れの本来部署は知らん顔で、その後始末は物流に押し付けたままです。はっきり言ってこのような状態からは脱却しなければなりません。物流はすべての部署の下請けではないのです。
 
 ですから物流スタッフには要因を明確に分析させる力をつけさせるとともに、他部署と対等にやり取りできる交渉力も習得させなければなりません。
 
 そのために問題について現象にとどまらずに真の要因を見つけられる能力を身につけること、それを分析するとともに定量化できるようになること、そしてそれを元に他部署と交渉ができるようになること、これが物流人財には必須となります。
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 今まであまり物流人財育成に力を入れてこなかった会社も、これからの人材不足や高齢化に向けてしっかりと人を育て、時代の変化にタイムリーに対応できるようにしていくべきです。ぜひサプライチェーンを守っていくために人財育成に取り組んで行きましょう。
◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』
 

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