サプライチェーンを俯瞰する必要性 効果的な物流人財育成(その1)

 
  
 
 物流事業者を除き、物流ノウハウを持った人財を育成しようという会社は多くありません。メーカーでも小売りでも卸売でも同様です。
 
 この内卸売業は物流事業者と似たような仕事を行っている場合があり、特に倉庫保管と入出庫作業という簡単な物流のノウハウは持っていると思われます。
 
 一方でメーカーと小売りでは状況が異なります。メーカーではものづくりは本業であっても、物流は本業ではないということで軽視されがちです。
 
 小売りでも同じで、ものを売ることは本業であっても、物流は自分たちの仕事ととらえていません。結果的に在庫管理ノウハウも弱く、会社利益向上につながらないという、皮肉な現象を招いています。
 
 しかしこのようなメーカーや小売りの中でも一部の会社では物流にも力を入れ、効率的なサプライチェーンを運営しています。
 
 よく物流はノンコア(本業ではない業務)だと考えている会社があります。多分、昔ながらの考え方で、目先の業務だけに注目し、サプライチェーンを俯瞰していこうという発想にかけています。
 
 今や売る商品は海外から輸入したり、生産をグローバルで分業したりする会社が増えてきています。つまり一昔前とでは業務形態自体が変わってきているのです。
 
 ということは、従来のままの考え方では業務がスムーズに流れることが難しくなっているということです。仕事のやり方自体を変更しなければならない時代になってきているからです。
 
 そこでかつては「物流」はノンコアであったとしても、サプライチェーン全体の効率化を考えると、物流がコア業務の領域に入ってきていると考えるべきではないでしょうか。
 
 会社の置かれている状況が変わった今、会社の管理を行っていく人たちに求められるスキルも変化してきています。
 
 そのスキルがサプライチェーンマネジメントのスキルであり、狭義で見れば物流のスキルであ...
るわけです。
 
 私たちはこのような状況下で、より効果的な物流人財育成に取り組まなければなりません。では具体的にどのようにして育成していったらよいのでしょうか。
 
 まずは育成したいスタッフに、自社のものの流れを調査させてみましょう。メーカーであれば、どこに立地するサプライヤーからどのような手段でものが運び込まれているのか、からスタートしてみましょう。調達物流からの調査です。
 
 次回に続きます。
 

↓ 続きを読むには・・・

新規会員登録


この記事の著者