物流自体を発生させない 究極の物流改善に取り組め(その2)

 
  
 
 物流は設計段階でその生産性がほとんど決定します。そして設計後の改善効果には厳しいものがあるといえるでしょう。たとえば拠点間を離して設置すればその間の輸送が永遠に発生し続けてしまいます。もし輸送を改善したいのであれば、輸送を発生させない物流設計が必要となるのです。
 
 物流改善を行いたいのであれば、まず物流自体を発生させないことを考えなければなりません。「そんなこと言ったって輸送を無くすなんて夢物語」と考える方がいらっしゃいますが、そのような方には改善は無理でしょう。
 
 なぜならこのような発想に基づいて改善を行っている会社が存在するからです。常に頭を柔らかくして、このような究極の物流改善に取り組むことが重要なのです。輸送改善を主体に考えたとすると、「運ばない」すなわち距離短縮の視点、そして「荷を縮める」改善の2つの視点が必要です。
 
 まず自社にはどのような輸送が発生しているのか、その程度はどれくらいなのかについて調査を行うことをお勧めします。
 
 できれば資材調達に関する輸送についてもデータを採っておくことが望ましいと思います。輸送はワンウエイ(片道)ではなくラウンド(往復)で見ていくと改善ポイントが見えてくるからです。そして究極の輸送を無くす改善については、自社の拠点とサプライヤーの拠点について望ましい立地を検討する必要があります。
 
 場合によってはサプライヤーに自社の中で生産を行ってもらうことも選択肢には入れておきましょう。いわゆるインサイト生産です。これが実現すれば輸送を無くすことも可能になるからです。
 
 輸送に限りません。究極の物流改善は「無くすこと」です。輸送よりはるかに容易にできる究極の物流改善は構内物流です。
 
 工場や倉庫のレイアウトを設計する際にそもそも物流が発生しないように考えるこ...
とは常識です。それによって構内運搬を無くすことにつながるのです。一方で大きな会社になればなるほど、組織が分かれているためこの思想が徹底できていないケースを見かけます。
 
 ひとつの工場の中でも複数工程があり、その工程設計の担当部署が異なるためです。それぞれの部署は自分の担当工程のみきっちりと仕上げようと考えます。しかし全体をコーディネートする機能が欠けているのです。
 
 次回に続きます。
 

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