家庭用卓上型カメラ  異分野市場での事業化事例 (その2)

 「使い方の見える化」で、B2BのモジュールからB2Cの完成品市場を開拓したプロジェクト事例を紹介します。

 B社にはカメラ組込み用のデバイスやモジュールのB2Bビジネスが主力の事業部がありました。360度の全周囲が写せるカメラモジュールをプロダクトアウトで製品化しましたが、売るべき市場が見つかりませんでした。「技術とコンセプトは面白いが、使い方がわからない。」「監視カメラとしては解像度が低すぎる。」これが、B2Bの監視カメラメーカーである顧客の声でした。

 そこで、全周囲の映像を必要とする、監視用途以外のB2Cの成長分野を探索したところ、介護ビジネスとペット市場が見つかりました。「撮影される人は監視されるのが嫌いである」という隠れたニーズも浮上し、カメラに見えず、あまり鮮明に写らないことを望むニッチ市場を見つけたのです。監視用途では弱点だった解像度不足が長所に変わったのです。

 従来カメラの常識を覆す、カメラに見えない卓上型カメラの模型を作製し、「使い方の見える化」を実施。B2BではなくB2Cのエンドユーザーに直接、見せることとしました。すると全く異分野の通信キャリアから「携帯電話で外出先から見られるシステムにしませんか?」と声がかかりました。そこで、通信キャリアと協業した「モバイルモニタリング」という防犯カメラのニッチ市場が開拓されました。

 家庭で介護をする人、留守宅のペットの様子を見たい人が、外出先...

から利用可能となる隠れたニーズを解決した事例です。

  

写真1 家庭用卓上型カメラと携帯電話の映像


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