「品質表(QFD)」とは、キーワードからわかりやすく解説
1. 「品質表(QFD)」とは
商品企画7つ道具は、商品価値が製造品質から設計品質さらには企画品質に移行する時代にあって、(財) 日本科学技術連盟の研究グループが、商品企画に関して品質管理7つ道具(Q7)に相当する手法を7 つを選び出し、整理したものです。 インタビュー調査、アンケート調査、ポジショニング分析、アイデア発想法、アイデア選択法、コンジョイント分析、品質表の7つからなり、商品のニーズ探索と検証、コンセプトの発想と決定、設計とのリンクというステップで進みます。 必ず大ヒットというほど甘くはありませんが、全てのステップを踏めばアウトの確率は相当に低くできると言われます。
品質表(QFD)では、まず顧客要求を徹底して洗い出して顧客表現のままに整理し、別途整理した品質特性との関連性をマトリクスで明確にする事で、要求品質重要度を品質要素重要度に転換して、要求に対応した機能、性能を設計します。 企画やテーマ設定の担当者は、分かっていながら目前の事実や自分の思い込みに引っ張られたコンセプトを設定しがちです。 そこで、このように作成した「品質表」を、必要に応じて「部品展開」「技術展開」「コスト展開」「FMEA」からQC工程表等に展開する方法が品質機能展開です。 製品仕様が顧客の声から設定される事と、その過程が明確に残る点で、極めて優れた製品仕様設定法です。
QFD(Quality Function Deployment)とは、日本語の品質機能展開を英訳したものとされています。1966年ごろから赤尾洋二博士らの指導のもと、各社で試行され、1978年に品質機能展開として赤尾洋二・水野滋の両博士によって提案されたものとされております。各社から、新製品開発や設計段階からの品質保証に有効な方法であることが報告されてきました。QFDは、米国でTRIZやタグチメソッド(品質工学)とともに、開発設計プロセスの3種の神器とされています。QFDは、日本生まれの手法としては珍しく、システム志向の考え方であったため米国で普及してきました。
QFDでは、まず顧客要求を徹底して洗い出して顧客表現のままに整理し、別途整理した品質特性との関連性をマトリクスで明確にする事で、要求品質重要度を品質要素重要度に転換して、要求に対応した機能、性能を設計します。 企画やテーマ設定の担当者は、分かっていながら目前の事実や自分の思い込みに引っ張られたコンセプトを設定しがちです。 そこで、このように作成した「品質表」を、必要に応じて「部品展開」「技術展開」「コスト展開」「FMEA」からQC工程表等に展開する方法が品質機能展開です。 製品仕様が顧客の声から設定される事と、その過程が明確に残る点で、極めて優れた製品仕様設定法です。
2. QFDの目的
QFDの目的については、QFDガイドブック(日本規格協会)の中で詳細に述べられています。実務的な視点で整理すると、要点は次のようになります。品質機能展開を実施するということは、要求品質展開表、品質表、業務機能展開表などの諸表を全て作成することではありません。その考え方やプロセスから対応策を探ることが狙いになります。
- ① 課題の現状分析と因果関係の把握
- ② 新製品開発のリードタイム短縮
- ③ 確実な品質保証
3. 品質表(品質マトリクス)の構造と役割
QFDの核心を成す「品質表」は、一般的に「品質要求の展開(行)」と「品質特性の展開(列)」を組み合わせた二元表(マトリクス)の形をとります。この表を完成させる過程こそが、顧客の曖昧な願いを具体的な数値目標へと翻訳する作業に他なりません。
表の左側には、顧客が自分の言葉で語る「要求品質」を階層化して配置します。例えば「操作が簡単であること」といった抽象的な表現を、「スイッチが押しやすい」「表示が読みやすい」といったレベルまで具体化します。一方、表の上部には、それらの要求を技術的に測定・制御可能な「品質特性(代用特性)」として並べます。ここでは「スイッチの押圧力(N)」や「文字のサイズ(mm)」といった、設計者が目標値として扱える指標を定義します。
この行と列が交差する二点に、関連性の強さを記号(◎、○、△など)でプロットすることで、どの技術要素がどの顧客満足に直結しているかが一目で判明します。この見える化により、設計の優先順位が客観的に定まり、リソースの最適配分が可能になるのです。
4. 品質表作成の具体的ステップ
品質表を実務で運用する際は、以下のステップを丁寧に進めることが重要です。
- ステップ1:顧客の「生の声(VOC)」の収集と整理 市場調査やインタビューから得られた断片的な情報を整理し、要求品質展開表を作成します。ここでは、顧客が口に出さない「当たり前品質」や、感動を呼ぶ「魅力的品質」をいかに掘り起こすかが鍵となります。
- ステップ2:企画質の決定と重要度の算出 すべての要求に等しく応えることは不可能です。競合他社との比較分析(ベンチマーキング)を行い、自社がどこで差別化を図るかを明確にした上で、各要求項目に重み付けを行います。
- ステップ3:品質特性への変換と関連付け 要求品質を技術的な言葉に変換し、マトリクス上で関連性を評価します。この際、特定の特性を向上させると別の特性が悪化する「トレードオフ関係」を早期に発見することが、設計の破綻を防ぐポイントです。
- ステップ4:設計品質(目標値)の設定 最終的に、個々の品質特性に対して具体的な数値目標を割り振ります。これが次工程である詳細設計や製造工程への「設計図」となります。
5. QFD導入による組織的なメリット
QFDを導入する真の価値は、単なる表の作成に留まりません。最大のメリットは「部門間の壁」を取り払うことにあります。
通常、商品企画、設計、製造、営業の各部門は異なる「言語」で業務を行っています。QFDという共通のプラットフォームを用いることで、「顧客が求めている価値」という一点において全部門が共通認識を持つことができます。これにより、設計変更の差し戻し(手戻り)が激減し、開発期間の短縮とコスト低減が実現します。また、ベテランのノウハウが品質表という形で言語化・蓄積されるため、技術承継のツールとしても極めて有効です。
6. まとめ
品質表(QFD)は、単なる管理手法ではなく、顧客の心と技術の現場をつなぐ「翻訳機」です。市場が成熟し、機能的な充足だけでは選ばれない現代において、顧客の本質的な願いを論理的に製品スペックへと落とし込むQFDの重要性は、かつてないほど高まっています。まずは小規模なテーマからこの手法を試し、事実に基づいた意思決定のプロセスを組織に定着させることが、次世代のヒット商品を生むための確かな一歩となるでしょう。





