TRIZの各種手法 使えるTRIZ(その2)

【使えるTRIZ 連載目次】

1. 技術的矛盾の克服

 みなさんが抱えている課題や問題はナゼうまく解決できないのでしょうか?

 その理由の一つは、そこに「矛盾(=背反特性)」があるからです。つまり、もっと吸引力の強い掃除機を設計したいが、そうすると絨毯(じゅうたん)に吸いついて取り扱いにくい。汚れ落ちの良い洗濯機を開発したいが、そうすると衣類の傷みが激しくなる。それを妥協ではなく可能な限り、克服へ向けた道を探るのがTRIZの醍醐味であり、具体的には図4に示すフローでアイデアをひねり出すのです。

2. 有害作用や不足作用の改善

 問題によっては、矛盾を作れない場合もあります。または、矛盾はあるのですが、とりあえずは無視する場合もあります。たとえば冷蔵庫の冷却性能を改善するために、多少内部構造が複雑になってもかまわない、それは後から考えれば良い、というものや、食塩を容器に入れて保存しておくと固まってしまうので何とかしたい、というものです。これらは76の発明標準解や、技術システム進化の法則などを使って改善策を考えていきます。

 

 

 

3. 科学的・工学的効果の活用

 これは、他分野の知識を自分が今抱えている問題にどう適用したら問題解決につながるかを考えるというものです。たとえば掃除機のフィルターは、吸い込んだごみを再度まき散らさないために必要ですが、ある周期で交換しないと目詰まりを起こして吸引力が下がってしまいます。この時、フィルターの機能を定義して新しい方法のヒントを他の産業分野の事例に求めるのです。この場合、フィルターの「ごみを集める」「ごみをトラップする」など色々な機能を明確にし、「ゴミを集める」「ゴミをトラップ」とは「物体を捉える」「物体と空気を分離する」事と表現しなおし...

て、データベースを検索しながらアイデアを考えることになります。

 最近では、フィルターレスで遠心力を使ってゴミを空気から分離させる掃除機なども開発され、そのアナロジーはセメントの分離技術から得られたものと推定されています。

 

 以上が、TRIZにおける基礎知識です。あとはこれらを組み合わせたりプロセス的に使用することで、様々なバリエーションが生まれます。

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