開発テ-マに関する情報収集

1.顧客との接触から潜在ニ-ズを捉える

 顧客の生産活動の観察、顧客との会話の内容等から潜在ニ-ズを察知し、開発のテ-マに結び付けて行く取り組みが、日常の営業活動の中で当然の業務として行われている企業があります。顧客の話した事を表面的に捉える事なく、その奥に潜んでいる問題点を追求して行く事が大切であって、顧客の言ったことをそのまま鵜呑みにして、これが顧客のニ-ズと受け止め開発テ-マに持ち込むようでは、専門業者としてのフィルタ-に掛ける作業に欠けている。と言えます。日常の顧客との接触の中から情報収集が行われ、それらを整理分析して開発テ-マを絞り込んで行く過程が欠かせません。
 
 顧客からの情報収集が出来ていない企業は、仕事をもらうことに意識が傾き過ぎて、顧客の要求を処理する事以外に関心が働いていないようです。下請け企業に共通して見られる現象です。
 

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2.顧客から収集した情報の整理手順

①営業日報に記載する。
②訪問先退出の直後に日報に要点を記入し、帰社後に整理することで確実に記入出来るようになります。それをしないで、帰社してから全てを記入する場合、思い出すのに時間がかかり、営業日報の記入が苦痛になります。つい、記入が遅れて数日分溜まり、営業日報そのものが形式的になっていきます。
③営業部門の最高責任者または経営者は営業日報に毎日目を通し、記入の不足している人には注意を、大切な情報が記入されている場合には、それ相当の評価を与えて意欲付けするように務めます。
④営業日報を関係者に回覧し顧客から得られた情報の周知に務めることで、社内の情報感度が向上して行きます。この作業を繰り返すことで、情報収集の能力が開発されていきます。
 
 得られた情報を単独に取り上げると判断を誤る恐れがあります。1項目ずつ名刺程度の大きさのカ-ドに記入し、用途別、業種別、性能別、大きさ別等のように層別して分類整理し、分類されたカ-ドの束を広げて考えを巡らし検討を加えていくと、どのような場面で何が求められているのか、開発テ-マがぼんやりと浮かび上がってくる。
(注)発想法 川喜多二郎著 中公新書でカ-ドの分類整理のKJ法の解説が詳述
 
 このようにして整理された、一次情報は経営方針と経営計画に基づき、開発課題を絞り上げ、再度、その課題に該当する客層の詳細な調査を行い、需要の可能性、需要家の受ける利益及び市場規模等の二次情報を収集します。更に、三次情報の収集では開発課題に類似する商品の市場動向、その商品の品質特性、価格、顧客の評価、販売方法等についても可能な限り調査する。この三次情報の収集に当たっては、営業部門だけでなく、技術部門を始め、生産、資材調達等の関係者も参加させます。
 

 (1)一次情報

 経営方針、経営計画に基づく開発情報の収集、分類により開発テ-マの候補を2~3件に絞り込みます。
 

 (2)一次情報の層別分類

 年齢、性別、業種別、規模別、用途別、使用条件別、使用環境別など開発品に最適の分類法を決める事が重要であって、分類法を誤ると開発成果が得られなくなる可能性が高いです。
 

 (3)二次情報

 開発候補に上がったテ-マに関して、需要の可能性、需要家の受ける利点、市場規模、類似商品の市場動向、等の調査に基づく開発テ-マの更なる絞り込みます。
 

 (4)三次情報

 競合品の品質特性・価格・顧客の評価、競合品の販売方法等の探索に基づき情報を総合的にまとめて開発候補品の仕様、品質特性、技術的可能性、生産原価の目標、開発期間及び最適販売ル-ト等を概略決めた上で比較検討を行い、開発の可否を決めます。これらの情報収集の順序は一部逆になることや収集が難しい情報もあります。しかし、日常からそのつもりで収集するように努める事で、難しくて無理と考えられていたことでも概略的に捕らえられるようになります。

 二次及び三次情報が収集されたら開発会議を持ち、開発の可否、開発製品の品質目標値、開発期間、開発予算などを決める資料の準備が出来ます。開発会議には、役員、営業部門、技術部門だけでなく、生産、資材、検査等の責任者も参加させて、開発に関してそれぞれの部門から参考意見を述べるようにさせることで、開発過程における損失予防に役立つと同時に視野の広い人材育成が図られます。

この記事の著者

新庄 秀光

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