クリーン化とクリーンルームの構造

1.クリーンルームの方式

 クリーンルームの方式には幾つかあります。代表的な層流方式と乱流方式を説明します。

(1)垂直層流方式

 非常に高い清浄度(クリーン度)が要求されるクリーンルームです。高性能フィルター(ULPAフィルター)でろ過した清浄度の高い空気を高い頻度で入れ替える。つまり、清浄度は、およそクラス1~100位のクリーンルームでリーンルームに供給。床は全面に穴があき、理論上天井から真下に空気の流れを作る構造です。ダウンフローとも言われます。(図1)清浄度の高い空気を高い頻度で入れ替える。つまり、中の空気と置き換えるので、清浄化メカニズムは置き換えと言われます。清浄度は、およそクラス1~100位のクリーンルームです。天井中の空気と置き換えるので清浄化メカニズムは置換と言われます。図1.垂直層流方式

                                                                                                  

(2)乱流方式

  一方、高い清浄度を要求されない場合の代表的なクリーンルームは、乱流方式です。(図2) クラス1,000~100,000くらいです。天井のところどころからHEPAフィルターを介し綺麗な空気を少しずつ供給し、クリーンルーム内の汚な空気を供給、クリーンルームの中の清浄度を上げようと言う考え方です。れを少しずつ薄めようと言うことから、清浄化のメカニズムは希釈です。図2.乱流方式

 

 

 

                                                                                    2.クリーン化の重要性

 層流方式のクリーンルームをお持ちのところもあると思いますが、国内の多くは、比率的乱流方式のクリーンルームが多くなっています。乱流方式のクリーンルームの場合は、少しずつ綺麗にしようとする考え方ですから、例え一部の作業者であっても、発塵するものを持ち込むとか、発塵するような動作・行動をするなどのルール違反があれば、希釈が間に合いません。少しぐらいはとか、自分だけなら良いだろうとルールを守らなければ、クリーンルーム内は汚れてしまいます。

 クリーンルームの運転にはお金がかかります。一方でお金をかけて、もう一方で汚して品質に影響するようでは、何のためのクリーンルームか分からなくなってしまいます。

 結果的には、クリーンルームと言う名前のついた、ただの箱となってしまいます。社員、従業員はクリーンルームの4原則をきちんと理解しながら、クリーンルームは綺麗な部屋と言う錯覚、先入観を排除し、日頃からクリーンルーム環境を向上させるよう意識を高めたいです。

 この基盤が無いのに、技術や品質部門が、品質改善、技術改善と言っても、中々品質レベルは良くなりません。先ず現場は綺麗だと言う露払いをしておかないと、問題があった時に、何をどう改善すれば良いか分からなくなってしまいます。もちろん、乱流式のクリーンルームだけでなく、清浄度の高いダウンフローのクリーンルームであっても、同様にクリーン化の知識、意識は必要です。

 昔から、クリーンルームはクリーニングルームと言われて来ました。クリーンルームを汚すのも綺麗にするのも人です。自然に綺麗になるわけではありません。その“人”の行動や考え方に着眼し、ポイントをまとめたものがクリーンルームの4原則です。業種などの違いにより、表現や着眼点には違いがあると思いますが、考え方は共通です。

 一人ひとりの意識を高め、良いクリーンルームを作り上げて行くことは、その先にある良い品質の製品を作り出すためのものづくり基盤の強化に繋がります。

 参考に、過去に執筆したクリーンルーム(あるいはクリーン化)の4原則を以下に掲載します。

  https://www.monodukuri.com/gihou/article/446
  https://www.monodukuri.com/gihou/article/452
  https://www.monodukuri.com/gihou/article/463
  https://www.monodukuri.com/gihou/article/468
  https://www.monodukuri.com/gihou/article/476

◆関連解説『環境マネジメント』

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