実態調査計画、仮説設定を行い計画化 業務改革を実現する問題解決技法 (その5)

【業務改革を実現する問題解決技法 連載目次】

1.キーパーソンインタビュー

 仮説設定の材料となる「キーパーソンの問題認識」を収集するために、キーパーソンインタビューを行います。既に明確にした「事業目標と改革テーマ」を説明して、日常目線ではない「事業経営目線」を意識してもらい、改革テーマ領域で発生している問題についての認識を聴き出すのがコツです。

 例えば単に『拠点倉庫への配送納期遅延の撲滅が改革テーマです。これに関して現状どのような問題があると思いますか?』というような聴き方はしません。以下のように問い掛けます。
『事業目標である「利益重視への価値シフトと顧客対応力向上」を踏まえた場合、「拠点倉庫への配送納期遅延」面でどのような重要問題が発生していると思いますか?』

 また「生産管理が適切にできていない」というような抽象的な返答をされないように、全体業務フローを実際に見ながら「業務のどの場面でどのような問題が起きているか」を聴き出すことも重要で、以下のように質問を工夫します。
『拠点倉庫への配送納期遅延について、現状どのような問題があるかを1件ずつ、場面・原因・結果の3視点でご説明下さい』

  このように聴けば、「工場ラインでの生産着手後に(場面)、確定オーダーの仕様変更が多発するため(原因)、製品完成自体が遅れてしまう(結果)」というような具体的内容を引き出せます。またその頻度が毎日なのか、週1回なのか、件数はどのくらいかなど、発生状況をできるだけ定量的に表現してもらいます。たまたまインタビュー前日に発生した問題を重要問題と誤認識されないようにするためです。場面・原因・結果の3視点で聴き出し、その結果を表に整理すれば、問題点をくっきりと明確にできます。
 

2.実態調査計画の作成 

  キーパーソンインタビュー結果に加えて「事業責任者インタビュー結果」「入手可能な...

既存資料・既存データ」を材料に、仮説設定を行います。観点は以下の通りです。 

 仮説が設定できれば次にそれを検証するための実態調査を計画することになります。調査目的・調査項目・調査方法・スケジュールなどを具体化する必要がありますが、以下の要素を盛り込むことが重要です。

(1)業務フローの調査・分析
(2)三現主義(現場、現物、現実)
(3)事実データに基づいた定量的調査・分析

  以上の手順で実態調査計画が出来上がります。

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