人財育成(その16) クリーン化について(その111)

 

◆ クリーン化を基本から学ぶ

いろいろなところを訪問すると、クリーン化とはこんなことだろうと、手当たり次第に始めてしまうところがあります。綺麗にすればいいのだろうという考えです。また、“掃除のことだろう”とか、“君が掃除の仕方を教えに来た人か”などと言われることがありました。

 

半導体や水晶、表示体事業などを始め、微細な製品を作っているところでは、クリーン化についてある程度理解しているでしょう。またそのような環境で育った方は、当たり前でしょう。従って会話はいきなり途中から始まります。

 

ただ、このような企業の方よりも、その他のものづくり企業人が圧倒的に多く、クリーン化の歴史や、クリーン化とは何かを知らないために起きることで、当然だとも思います。一方で、世の中では、ゴミ拾いなどをクリーン作戦などと名付けて活動することがあります。これらから先入観をお持ちの方も多いのでしょう。

 

◆モノづくりと人材育成【連載記事紹介】

◆人材育成・組織・マネジメントの考察 【連載記事紹介】

◆やろうと思っているけど できないことばかりの克服【連載記事紹介】

 

【クリーン化とは】

ものづくり企業におけるクリーン化は、お金をかけずにできる利益向上活動であり、企業体質強化、業績改善に直結すると言われてきました。これは企業競争力の根幹と言われ、その技術、ノウハウは門外不出とされてきた。つまり公開されないので、普及してこなかったのです。

 

そのため、解釈が違ったり、同じサプライチェーンの中でも、クリーン化にきちんと取り組んでいる企業もあれば、クリーンルームの管理方法すら指導をされないという場合も多々あります。取引先から、クリーンルームにすれば、品質、歩留まりが改善できると言われ、クリーンルームにしたが、管理方法を知らない、指導して貰えないために、クリーンルームの中で、旧態依然と言うものづくりになってしまうのです。

 

この例は多いと思います。従って、クリーンルームにしただけ、防塵衣を着ただけで安心すると言う例です。ところが、クリーンルームを適正に管理しないと、電気代がかかる割に、本来の目的である、品質や歩留まりが改善しないのです。クリーン化は、基礎から学ぶことが非常に重要なことだと私は考えています。

 

こんな例えです。

四則計算がきちんとできないのに、方程式を解いてみよう。あるいは、基本がないのに応用問題を解いてみようと言うことと同じだと思います。すると、すぐに行き詰まってしまい、中途半端な活動になってしまいます。私はこれまで、この基本、基礎を学び、身につけることが大切だと思い、その事を訴えてきました。これはクリーンルームに限ったことではありません。

 

最近、詐欺電話が多いようです。お年寄りの方と話をすると、私はあのようなものには引っかからない。私は大丈夫だという人が多いのです。警察の呼びかけでも、詐欺電話に注意しましょう。アポ電には注意しましょうと言っています。でも、このアポ電とは何かを理解できている人がどれほどいるでしょうか。恐らく、人ごと、よそ事として聞き流しているのだと思います。

 

コロナの時代に入ってから、急に横文字、カタカナが多くなったように思います。お年寄りは、それについていけるでしょうか。このあたりからの指導が重要だと思います。本当に伝わるか、伝えられているかを考えてみ...

ましょう。

 

物事、基本、基礎が大事です。どんなに優れた技術であっても、基礎から始めます。クリーン化も基礎を理解して取り組みましょう。

 

クリーン化は、現場にやらせておけば良いという風潮もありますが、経営者、管理職の理解が必要不可欠です。私がクリーン化教育などを依頼された場合、経営者、管理職から始め、徐々に現場に下ろしていく進め方を提案しています。上層部の理解が重要だからです。

 

次回に続きます。

 

◆【特集】 連載記事紹介:連載記事のタイトルをまとめて紹介、各タイトルから詳細解説に直リンク!!

 

↓ 続きを読むには・・・

新規会員登録


この記事の著者