変革の時代に10年後を見据えた経営を

 企業経営は環境適応を続けながら存在し続けることで、経営環境や生活環境、自然環境に深くかかわっています。 

 昨今の経営環境は激変しており、その第一は、インターネット・クラウド等のICTインテリジェンス・コミュニケーション・テクノロジー)の発達であり、これが経営情報の活用方法を一変させ、更に進化が加速しています。この大波(Big Wave)に乗れない企業は、市場から淘汰されるでしょう。中小企業はこの大波を一社で乗り切るには、人財面 資金負担面、技術の変化への適応面等で、ムリがあります。その対策として、双方向情報交換機能を最大限に活用した育成経営支援システムの利用が妥当でしょう。
 変化の第二は完全発生主義による管理会計システムであり、これを日次レベルで活用してキャッシュフローを確保することが、企業を持続する絶対条件であると40年の経験から確信しています。

 今から10年後に皆様はおいくつでしょう? 私は82歳ですが・・・これまでも、進化のキーワードは”変身”(変態脱皮)と繰り返し述べているのは、過去の延長では生き残れないと考えるからです。新しい環境が訪れ、古い因習や考え方がくずれ去っており、ポールシフト(地軸移動)的と表現した時代変革の真只中にあるのです。グランドデザイナー(GD)は、過去の一切を断絶して新世界を構築することが望まれています。

 デフレ・税収不足による国家の大赤字状態・少子高齢化が経済構造を根本から揺るがしているのは、皆様も実感していることと思います。生活者も働き手も減少していく一方で、人間らしさ、男らしさ、女らしさが失われているとの時代認識のもと、原点回帰への動きも徐々に力強さを増してきています。しかし、まだまだこの混沌がしばらく続いて様々な戦略が試されることでしょう。

 「そんな時に10年も先のことなど分かるか?」との声が聞こえてきますが、こんな時だからこそ、遠焦点に目標を置いて時代精神に根を張り、経営環境の大波を乗り切れる胆が座った生き方、創立の理念・ビジョンを次世代に受け継ぐ努力が求められているのです。明治維新の志士や政治家・事業家達、太平洋戦争後の焼跡から復興した先人達に学びながら「百年の計」をたてる気概を持ち、変革(ピンチ)をチャンスとして”変身”に元気を出して、自ずからに内在する力を信じて、取組みましょう。

 今回は10年後へのアプローチ10項目を次のように提起します。
1)創立の理念・ビジョンを次世代に受け継ぐ努力を絶え間なくしているか。
2)後継者候補はいるか。理念は共有されているか。切磋琢磨して育てているか。
3)「進化・発展・持続」の制約条件を認識しているか。自分では無いか。
  1:人 2:物 3:金 4:企業文化 か。
4)マーケットの変化を観察し備...

えているか。次期主力商品を育てているか。
5)技術革新や社会環境が、どんなビジネスチャンスとリスクをもたらすか分析し備えているか。
6)情報ネットワークの構築と情報武装は業界において先進的か。費用負担に耐えられるか。
7)スクラップ&ビルドに必要な資金量を試算し、調達方法の試案は考えてあるか。
8)地球環境改善や環境に調和したビジョンであり事業か。
9)10年後の会社案内をビジュアルに描けるか。そのプロセスが見えなくとも・・
10)ビジョンは、社員や関連先が人生計画を重ね共有できるか。一人一人に出番があるか。

 別稿で、これらを詳解します。

↓ 続きを読むには・・・

新規会員登録


この記事の著者