アンケートは当てにならない (その1) 質問部分の不具合

 今回はアンケート調査の不具合について考えましょう。

 顧客調査の本音を数字化するためにアンケート調査を行いますが、この調査設計に問題があるとその回答や結果に誤差が生じますのでこのようにならないよう細心の注意が必要です。

 アンケートについて回答者の不満を聞くと以下のような返答が聞かれます。

 この連載ではアンケート調査設計に役立つ質問部分と回答部分の不具合を実例から紹介します。今回は質問部分の不具合について解説します。

【アンケート調査設計】質問部分の不具合

(1) 目的が不明確な場合

 ・質問の意図、目的が不明確

 アンケート調査の内容がよく分からない。何を聞きたいのかが分からない。

(2) 構造が不明確

 ・分岐が不明確

(例)

Q1.あなたはレストランAをご存じですか?
   1.はい 2.いいえ

Q2.レストランAのお店の雰囲気はどうですか?
   1.明るい 2.都会的 3.若者向き

 上記の質問でQ1で2.「いいえ」を選択した人はQ2を回答することが不可能で、どの質問から再開するかという明記が不足しています。

 ・配列が不自然な場合は、関連のない質問が突然現れます。

 ・同一内容の質問を反復している場合は、同じ質問が繰り返されます。

 ・主語がないと誰に対する回答かが分かりません。

(3) 表現が不適切

 ・質問の表現があいまい。

(例)

Q1.あなたはレストランAをご存じですか?

 上記の質問...

では名前、場所、行ったことがあるのか等どれを意味しているのかあいまいです。

 ・質問文が長く、回答を誘導するような質問になっている場合

(例)

Q2.レストランAはフランスから有名なシェフを招き、豊富なメニューを取り揃えていますが、あなたはレストランAに行ってみたいですか?

 次回はアンケートの回答部分の不具合について解説します。

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