顧客の代弁者になろう クレーム対応とは(その47)

 
  
 
 前回のその46に続いて、解説します。
 

2. サービスマインドが進化する顧客の不満を満足に変える

 気がつかないうちに膨大なロスコストを支出している企業の現状を正しく理解すれば、お客さま相談室が果たす役割の重要性がわかるでしょう。お客さま相談室は、ただ単に起こってしまったトラブル(ロスコストの発生)に対処するのみならず、もっと積極的に顧客と接触しながら、「ロスコストの発生要因そのものをなくす」という重要な役割を担っているのです。
 
 起こった問題の対応という守りの姿勢ではなく、『問題を起こさない』『顧客満足を提供する』といった前向きの姿勢こそが、お客さま相談室の真の姿なのです。では、どうすれば攻めの、前向きの相談室を作ることができるのでしょうか。ここでは、次の20のポイントを次に示します。
 

 【サービスマインド20のポイント】

(1)  相手の気持ちを大切にし、行動に結びつけている
(2)  人に喜んでもらうことに喜びを感じている
(3)  人に対する愛情と情熱が豊かである
(4)  人が好きである
(5)  人との交流に関してこだわりを持ち、努力している
(6)  人に関して探求心、研究心がある
(7)  人との良質な関係について、前向きでチャレンジ精神を持っている
(8)  協調性がある
(9)  仕事に関する危機感を持ち、ハングリーである
(10) 創造意欲を持っている
(11) 相手の期待を上回るプラス要素の提供を心掛けている
(12) 慎重できめ細かさを持っている
(13) つねに、人に関して問題意識を持っている
(14) 素直で謙虚である
(15) 反省心を持っている
(16) いつも感謝の気持ちを持っている
(17) 何かしてもらったら、お返しをする気持ちを持っている
(18) 人に尽くすことが好きである
(19) つねに、人に関する目配りをしている
(20) 自然に、素直に笑顔が出る
 

 【クレーム対応心得】

 
 お客さま相談室というのは、何よりも「サービスマインドの発信基地」でなくてはなりません。サービスマインドをしっかり身につけるためには、つねに学習を怠らない組織を作っていかなければならないでしょう。サービスマインドを醸成するには、CSの手法に加え、次のような知識や業務スキル、経験の蓄積が求められます。
 
関係を構築できているか
  • 社外の各機関(消費者行政窓口、国民生活センター、消費者団体等々)との連携や情報交換ネットワークができているか
  •  
     ざっとピックアップしましたが、あなたはこれらの質問に的確に答えられるでしょうか。このような問いに答えられるだけの学習を、相談室スタッフは日々積み重ねていく義務と責任を負っています。こう指摘しても、やや抽象的かもしれないので、次回はもう一歩踏み込んで具体的なアクションを提案します。
     
     【出典】武田哲男 著 クレーム対応、ここがポイント  ダイヤモンド社発行
                  筆者のご承諾により、抜粋を連載
     

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