価値観の違い 社長と社員のコミュニケーション術(その3)

【目次】

 

 前回の社長と社員のコミュニケーション術(その2)では、 社長と社員の考え方には埋まらないミゾがあるを解説しました。今回は、ビジネスに対する価値観の違いです。価値観には、個人の価値観と仕事に対する価値観の2種類があります。ここでは、当然仕事に対する価値観がテーマになります。

 社長と社員では価値観の優先順位が一致しない場合が多いものですが、せめて社長と幹部社員の間くらいは、順番が違っても上位3位までの価値観が共有できることが望ましいところです。価値観を表すキーワードを、以下に13個示します。

  1. 承認:顧客、取引先、上司、部下、同僚などから認められたい
  2. 貢献:顧客や組織・会社の役に立っているという実感をしたい
  3. 責任:自分の業務や成果について責任・義務感を持って行いたい
  4. 独立:自分の手で何かを成し遂げているという実感を持ちたい。新分野に挑戦し、成功したい
  5. 名誉:成果を上げたら、周囲や会社から高い評価を得たい
  6. 人間関係:人間関係が良い。明るく、楽しく、元気で、仲よく仕事をしたい
  7. 達成:仕事をうまくやり遂げられたという達成感を得たい
  8. 家族:家族と一緒に過ごす時間を持ち、充足感を味わいたい
  9. 信頼:顧客、取引先、上司、部下、同僚などから頼りにされたい
  10. 金銭:仕事で得られる報酬をアップしたい
  11. 自由:仕事のやり方や進め方に自由度あるいは自主性を持ちたい
  12. 安全:現在の状態(地位、収入、)を維持・確保したい。安定した雇用でありたい
  13. 成長:自分の人格や人間性を高めたい。自分のスキルを高めたい

 ある会社(30人規模の製造業)でアンケート調査したところ、以下のような 8個のキーワードに集約されました。

 

 このアンケート結果を見ると、この会社では、社長と幹部社員の間でそれほど 大きな価値...

観のブレがないものの、社長と一般社員とではほとんど一致していません。社長以下製造スタッフ全員で毎週会議を開いて、情報共有と改善提案に対する 討議をしていますが、なかなか価値観を一致させるのはむずかしいようです。

 価値観が重要な理由は、その違いがそのまま行動や考え方の違いになるからです。 近年は、個人の多様性を認めるあるいは許容するという傾向にありますが、会社という船に 乗り合わせている間は、バラバラの行動で船が大きくゆれたり、転覆したりするようなことがないようにしたいものです。

 皆様の会社はどうですか? 

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